保護しないで(拾わないで)巣立ちヒナ
ヒナの保護
まだ羽毛が生えそろっていない(ヒフの部分が見える・羽の根元に筒状のサヤがある)ヒナが落ちていたら、ほとんどの場合、誤って巣から落ちたかカラスなどにいたずらされたと考えられます。近くにきっと巣があるはずなので、探して元に戻してあげてください。
キジやカルガモ(水鳥)などのヒナはふ化後すぐに歩けます。必ず近くに親とその兄弟が潜んでいるはずです。おぼつかない足取りで歩いているヒナ(やわらかい幼羽におおわれています)を見つけても、そのままほっておいて下さい。ただし、たまにU字溝に落ちていることがあるのでそのときは安全なところに移してあげてください。
5月から8月にかけて保護される傷病鳥の多くは、巣立ちして間もない幼鳥であることがほとんどです。ヒナは巣立ちしてからもしばらくの間は、親から給餌を受け自然界で生きていけるように勉強するのです。この時期はまだ羽が完全にのびきっていなかったり、筋肉が十分に鍛えられていなかったりでうまく飛べないのです。しかし、迷子に見えてもたいてい近くに親がいます。元の巣に戻すか、近くの木の枝か何かに止まらせてあげてください。時間があるならば、親鳥が警戒しないように十分に距離をとった上で、ヒナと親鳥が接触しているところを確認すると良いでしょう。
ヒナがケガをしていたり、ぐったりしていたり、巣が見つからなかったり、戻すことができない場合、あるいは、親鳥が何時間もたっても現れない場合にはじめて保護します。傷病鳥のところで書いたとおり、保護したらまず暗いところで落ち着かせ、 外敵に襲われたり、人のいたずらなどによって、ヒナが巣ごと落ちてしまっていることがあります。人をあまりおそれないツバメは、カップ麺などの容器を巣の代わりに取り付け、ヒナを中にいれてやると子育てを再開するようです。
ムクドリが戸袋などに巣を作ったり、スズメやツバメが軒下に巣を作ってしまって生活上、支障があるときは、巣立ちまで待ってから巣を取り除き、消毒してから穴をふさぐなどの対策をとります。卵やヒナを取り除いたり移動することは禁止されています。
ヒナを見つけた場合は、保護する(拾う)前にその周辺をよく見まわして親がいないか確認して下さい。たいてい近くに親鳥がいるか巣があるはずです。(既に親鳥は人の姿を見てどこかに隠れてしまってるかもしれません。)迷い子だと思って拾ってしまうことは親からすれば、誘拐と同じです。ヒナの様子を見て、とくにケガがないようなら、そのままそっと巣に戻すか、高いところにとまらせてあげて下さい。保護するのは最終手段と理解して下さい。なお、保護したヒナについては、一人立ちができるまで保護した方に面倒を見てもらうようにお願いしています。