文化財整理室の日常
我孫子市文化財整理室
我孫子市文化財整理室は、布佐の布佐南小学校の隣に建っています。
ここでは我孫子市内で発掘された遺跡から出てきた土器などの資料を整理して、報告書を作成するという業務を行っています。
発掘調査で出土した土器は、そのままではバラバラの状態のものが殆どです。
その中から報告書に載せられそうな状態の良いものを選別し、可能なものは接着剤でくっつけて元の形に近づけます。
写真は、接合した須恵器の甕です。
足りない部分を石膏で補って、展示などにも使えるようにしています。
文化財整理室の収蔵庫にはこれまで、我孫子市の発掘調査で出土した遺物が大量に保管されていますが、この建物だけではとても全ては入りきらないので、9割以上は市内の別の施設に保管されています。
遺物を報告書に載せるためには、まず手作業で図面を作らなければいけません。
いくつもの専門的な道具を駆使して、実測図を作成していきます。
写真は、実際に作成した実測図です。
実際の遺物を計測しながら、実寸大の図面を作成しています。
実測図はそのままでは報告書に載せられないので、別の用紙にペンで清書するトレースという作業を行います。
実際に作成したトレース図面です。
この図面をパソコンに取り込んで報告書を作成していきます。
近年、様々な場所でアナログからデジタルへの変化が起きていますが、この文化財整理室も例外ではありません。
アナログで作成した図面をスキャナーでパソコンに取り込み作業しています。
こうして発掘調査報告書が完成しました。
刊行された報告書は市内の小中学校の図書室や全国の大学などに送られます。
一部の報告書は、市役所の行政情報資料室や教育委員会の文化・スポーツ課で販売しています。