人と猫との共生
ペットは人に安らぎと潤いを与えてくれます。動物を飼う家庭は多いのですが、その一方で捨てられたり、致死処分になる犬や猫が相当数います。
また、いわゆる「ノラ猫」(以下「飼い主のいない猫」)や外に出された飼い猫によるトラブルが増えています。庭にフンをされる、おしっこをされて臭い、庭先で猫が赤ちゃんを産んだ、子猫が捨てられているという相談が多くよせられます。
「飼い主のいない猫」が多いのはなぜ?
猫は、犬のように鑑札登録や係留義務がありません。そのため、「ちょっと面倒をみているだけで、飼っているわけではない」、「飼っているけれど、猫は気ままだから外にも自由に出られるようにしている」という方もいるようです。「自宅の前に猫を捨てられた」という相談もあります。
猫は1年に2回から3回出産することができ、1回の出産で4頭から8頭の子猫を産みます。計算上は、1頭のメス猫が1年で20頭、2年で80頭以上に殖えることが可能です。
放し飼いにしている猫や捨てた猫が、新たな猫を生み、「飼い主のいない猫」が増える原因となっています。
「飼い主のいない猫」への餌やりについて
善意から「飼い主のいない猫」に餌を与えることは、悪いことではありません。しかし、餌を与えるだけでは猫が集まってしまい、様々なトラブルにつながります。
不妊・去勢手術をしていない猫が集まってしまうと餌場周辺に子猫が生まれて「飼い主のいない猫」がさらに増えてしまいます。また、周辺住民の敷地にフンをしたり、車を汚したりし、餌を置いたまま後片付けをしないと餌場付近は不衛生になります。「飼い主のいない猫」に餌を与える場合は、次のことも合わせて行ってください。
- 不妊・去勢手術を実施し、これ以上増えないようにしましょう
- 餌の後片付けをしましょう
- トイレなどを設置し、フンの始末をしましょう
- 周辺住民の理解を得る努力をしましょう
- 人と猫が地域で共存できるように、地域でルールを作りましょう
- 一人で悩まず、理解ある仲間を増やしましょう
地域猫対策ガイドライン
室内飼いの猫の寿命が10年から15年であるのに対し、屋外生活の猫の寿命は5年から6年程度と言われています。生を全うするまで地域で面倒を見ていけば、また、飼い主一人ひとりが最後まで責任を持って猫を飼育していれば、「飼い主のいない猫」は徐々にいなくなります。
我孫子市では「地域猫対策ガイドライン」を策定し、市民が自治会などと協力して地域で増えた猫に不妊・去勢手術をし、ルールを決めて餌をやり、生を全うさせることで「飼い主のいない猫」を減らす、地域猫活動の普及を目指しています。
ボランティア団体との協働
屋外で被害を発生させる猫の多くは、飼い主のいない猫がほとんどです。この猫をめぐり「猫の糞尿・鳴き声等で困っている」、「猫を助けたい」といった相談が市にも多く寄せられています。
猫は、処分することや別の場所に放すことが法律で禁止されています。また放置していても繁殖力が強く、不幸な命が増えてしまう一方です。
この問題に対して、まずは、猫を増やさないための「TNR活動」を実施することが有効と考え、市ではこの活動をボランティアの皆様と協働で実施しています。
TNRとは?
Trap:捕まえて、Neuter:不妊去勢手術をして、Return:元の場所に戻す活動です。
(注)TNRが済んだ猫は、目印のために耳先V字カットを施します
このTNR活動により不幸な猫が増えず、発情の鳴き声が無くなる等の効果が期待できます。
不妊去勢手術前
不妊去勢手術後(耳先がV字カットされています)
不妊去勢手術前
不妊去勢手術後(耳先がV字カットされています)
地域のボランティア
野良猫が生息する地域の住民に理解を得て、野良猫を継続的に適正管理するボランティアです。
餌を置いたままにせずにルールを決めた餌やりや、トイレの設置、周辺の清掃等を実施します。
なお、無責任に餌だけを与えている方は地域のボランティアに該当しません。
我孫子市内で活動する「ねこ友会」のホームページ(外部サイト)
「ねこ友会」は、地域住民と「飼い主のいない猫」とのトラブルを解消し、「地域猫」として住民と共生できる環境を実現するため、TNR活動・子猫の保護・里親募集などを行っている団体です。
どうぶつ基金について
公益財団法人どうぶつ基金が不妊手術・ワクチン・ノミ駆除薬の費用を全額負担する「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加し、地域猫活動を行うボランティア団体等と連携してTNR事業を行います。「さくらねこ無料不妊手術事業」とは、飼い主のいない猫に対し「さくらねこTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す、その印として耳先をさくらの花びらのようにV字カットする)」を実施することで、繁殖を防止し、「地域の猫」「さくらねこ」として一代限りの命を全うさせ、飼い主のいない猫に関わる苦情や、殺処分の減少に寄与する活動です。
公益財団法人 どうぶつ基金(外部サイト)
千葉県動物愛護推進員
千葉県では、動物の愛護及び正しい飼い方を効果的に普及するために、動物愛護活動を実施している市民団体等と連携し、県民の方に「千葉県動物愛護推進員」を委嘱しています。
なお、我孫子市では3名の千葉県動物愛護推進員が活動しています。
動物愛護推進員とは、「動物の愛護及び管理に関する法律」第38条第1項に規定され、地域における犬、ねこ等の動物の愛護の推進に熱意と見識を有する者のうちから、都道府県知事等が委嘱することができるとされています。
猫の被害にお困りの方へ
猫が庭などに入って来ないようにするために、次のような方法があります。猫も生き物なので、個体差があり、効果が現れるまでに時間がかかる場合や、効果が得られない場合もあります。猫がその対策に慣れてしまうこともありますので、いくつかの方法を組み合わせて試してみることをおすすめします。
詳しくは「猫が庭などに入らないようにする方法」のページをご覧ください。
猫を飼っている方へ
猫と人がともに快適に暮らせるよう、次のことに気を付けてください。
- 室内で飼いましょう…事故や感染症から猫を守ります。(感染予防の注射も受けましょう。)
- 身元の表示をしましょう…首輪などに飼い主の身元を表示し、万一の迷子や災害に備えましょう。
- 不妊・去勢手術をしましょう…繁殖した子猫の面倒をみられない場合は、あらかじめ不妊・去勢手術をしておきましょう。繁殖予防だけでなく、鳴き声等の問題行動が軽減する、性格が穏やかになる、といったメリットもあります。
- 最後まで責任を持って飼いましょう…一度飼育した猫を一生涯飼い続けることは、飼い主の責任です。飼い始める前に家族全員でよく考え、どうしても飼育が無理になった場合は、新しい飼い主を探しましょう。 どうしても飼い主が見つからない場合、千葉県動物愛護センターで引取りを行っていますので、絶対に猫を捨てないでください。
動物愛護センター東葛飾支所
柏市高柳1018の6 電話:04-7191-0050
猫を捨てている人や虐待を見かけたら
猫など愛護動物を捨てたり虐待すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、殺傷した場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金となります(動物愛護管理法第44条)。捨てられている動物や動物を捨てている方を見つけたら、110番通報してください。 虐待されている動物も同様に通報してください。
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