飲用井戸等の管理
井戸水を飲用する皆さまへ
個人住宅や五十人未満の集合住宅の飲用井戸等は、法令による規制を受けないため、設置者が自ら衛生管理をしなければなりません。原則として設置者が水質を確認したうえで自己責任で飲用してください。
井戸は掘った深さや掘った場所の土壌の状態など井戸ごとにさまざまであり、経年変化する可能性があります。下記を参考とし、飲用井戸等を適正に管理するよう努めてください。
維持管理
- 井戸周辺にみだりに人や動物が立ち入らないようにしましょう。
- 井戸の設備や周辺の清潔保持等について定期的に点検しましょう。
- 集合住宅等で受水槽などを設置している場合は、受水槽の点検を定期的に実施し、年に1回は清掃を行いましょう。
- 1年に1回以上、水質検査を実施しましょう。
飲用井戸の衛生確保は、設置者自らが実施していただくことになりますので、適正な管理に努めてください。
飲用にあたっては、千葉県が発行している「井戸水を飲用する皆様へ」のリーフレットを参考にしてください。
また、事業用の小規模井戸を設置する場合、生活衛生課へ設置前の事前立会願の提出をお願いします。
詳しくは、生活衛生課までお問い合わせください。
定期検査
給水開始後も1年に1回以上、水質検査(11項目)の定期検査を実施しましょう。
家庭用の井戸は浅い井戸が多いため周囲の影響を受けやすく、さまざまな有害物質によって、気がつかないうちに井戸水が汚染されることがあります。
定期の検査項目:一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物等、ペーハー値、味、臭気、色度、濁度
水に異常が認められた場合
水に異常が認められた場合は、飲用を中止し、臨時の水質検査を行い安全を確認しましょう。
水質検査機関
水質検査は水道法に基づく登録検査機関や建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく登録水質検査業で実施することができます。
水質検査を依頼されたい方は、千葉県 飲用井戸の衛生管理について(外部サイト)の水質検査機関一覧(PDF)を参考にしてください。
検査機関により、受付方法や検査料金等が異なります。
出張採水については、検査料金とは別に採水のための費用がかかる場合があります。
また、日時の指定がないこと等、実施できる条件が限られる場合があります。
詳しくは、必ず各検査機関までお問い合わせください。
なお、市や保健所では飲用井戸等に伴う水質検査業務は行っておりません。
定期の水質検査項目(11項目)の解説
1.一般細菌
必ずしも全てが病原菌ではありませんが、多数の細菌が検出された場合は、し尿、下水、汚水等による汚染の可能性があります。
基準:1ミリリットルの検水で形成される集落数が100以下であること
対策:煮沸後飲用、塩素滅菌器等の設置
2.大腸菌
人や動物の腸管内に生息しており、検出された場合は、人畜の糞便等による汚染の可能性があります。大腸菌はときに日和見感染を起こし、また、病原性大腸菌は消化器系感染を発症することがあります。
基準:検出されないこと
対策:煮沸後飲用、塩素滅菌器等の設置、施設の環境調査
3.亜硝酸態窒素
窒素肥料、腐敗した動植物、し尿、下水、汚水等による汚染の指標となります。基準値を超えた水を乳幼児等が摂取すると、ヘモグロビン血症になり、チアノーゼ症状を起こすおそれがあります。
基準:0.04ミリグラム毎リットル以下であること
対策:逆浸透膜法または、イオン交換法による除去装置の設置
4.硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
窒素肥料、腐敗した動植物、し尿、下水、汚水等による汚染の指標となります。基準値を超えた水を乳幼児等が摂取すると、ヘモグロビン血症になり、チアノーゼ症状を起こすおそれがあります。
基準:10ミリグラム毎リットル以下であること
対策:逆浸透膜法または、イオン交換法による除去装置の設置
5.塩化物イオン
ほとんどの自然水に含まれていますが、し尿、下水、海水、工場廃水の混入によって増加する場合があり、これらによる汚染の指標となります。250ミリグラム毎リットル以上では、塩味を感じると言われています。
基準:200ミリグラム毎リットル以下であること
対策:逆浸透膜法または、イオン交換法による除去装置の設置
6.有機物(全有機炭素(TOC)の量)
水中の有機物に含まれる炭素の量を示します。土壌に起因する他、し尿、下水、工場廃水の混入によって増加し、有機性汚濁の指標となります。全有機性炭素(TOC)の量の値が大きな水は、有機物含有量が多いことを示し、下水や動物の糞便などによって汚染された可能性があります。原因物質によって色、臭い、味に影響を与えます。
基準:3ミリグラム毎リットル以下であること
対策:活性炭処理または、逆浸透膜法による除去装置の設置
7.ペーハー値
ペーハー値は、水の酸性、アルカリ性を示すのもで、7が中性で、7より小さくなるにつれ酸性が強くなり、7より大きくなるにつれてアルカリ性が強くなります。通常は中性付近の数値ですが、異常値を示す場合は、工場廃水等の可能性があります。
基準:5.8以上8.6以下であること
8.味
地質に由来する他、下水、汚水、工場廃水の混入、水道管の材質等によって異常となることがあります。
基準:異常でないこと
対策:活性化炭処理装置の設置
9.臭気
地質に由来する他、下水、汚水、工場廃水の混入、水道管の材質等によって異常となることがあります。
基準:異常でないこと
対策:活性化炭処理装置の設置
10.色度
フミン質、鉄、マンガン等の影響や、化学工場等の廃水による汚染の指標になります。
基準:5度以下であること
対策:活性化炭処理装置の設置、除鉄、除マンガン装置の設置
11.濁度
粘土系の濁質による場合が多いですが、給水管等の欠陥による汚濁物質の混入が原因の場合もあります。
基準:2度以下であること
対策:ろ過装置の設置等