2014(平成26)年第1回我孫子市議会定例会 施政方針
この施政方針は、2月26日の平成26年第1回市議会定例会の冒頭で市長が述べたものです。
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平成26年度施政方針
項目は、次のとおりです。
「手賀沼をはじめとする我孫子ならではの自然を大切にし、環境にやさしいくらしをはくぐむまちづくり」
「我孫子の資源をいかし、豊かな地域を創りだす活力あるまちづくり」
「みんなが安全にくらせるまちづくり」
「若い世代に魅力ある、子育てしやすいまちづくり」
「誰もが生涯をとおして、健康で自立した生活を安心しておくれるまちづくり」
はじめに
平成26年第1回市議会定例会の開会にあたり、平成26年度の施政方針を申し上げます。
東日本大震災の発生から、間もなく3年がたとうとしています。この間、市民の安全で安心なくらしの確保を最優先に、震災からの復興や放射能対策に全力で取り組んできました。今後も引き続き、震災からの復興と放射能対策を確実に進めるとともに、水害対策や公共施設の耐震化など、災害に強いまちづくりを進め、安全で安心なまちを築いていきます。
一方、市の人口は減少が続いており、高齢化も加速しています。こうした中、我孫子市が持続可能なまちとして発展していくためには、若い世代に移り住んでもらい、ずっと住み続けてもらうことが重要です。そのため、我孫子市の魅力を市外に向けて強力に発信するとともに、子育て支援をはじめとしたさまざまな定住化策に取り組み、若い世代に魅力あるまちづくりを進めていきます。
若い世代に魅力あるまちづくりでは、我孫子市の魅力をより積極的・効果的に発信していくため、現在の秘書広報課に課内室として「(仮称)あびこの魅力発信室」を設置します。10月からは民間から経験者を採用し、我孫子市のイメージや知名度のアップに向けた広報戦略を展開していきます。併せて、定住化検討プロジェクトチームの提案を踏まえながら、若い世代にアピールできるさまざまな定住化策に取り組み、我・孫・子の3世代でにぎわう元気なまちにしていきます。
さらに、市民の力をまちづくりにいかし、地域の活力を高めていくため、引き続きさまざまな市民活動への支援を進めていくとともに、それぞれの地域にあった豊かなコミュニティづくりを進めます。また、誰もが生涯をとおして健康でいきいきとくらせるよう、病気の早期発見や健康づくりへの支援を強化して、市民の健康寿命を延ばしていきます。
こうした取り組みを市民の皆さんとともに進めながら、誰もが誇りと愛着をもってくらせるまちをめざします。
引き続き、議員の皆様の一層のご協力をお願い申し上げます。
26年度予算案では、一般会計の予算総額は、対前年度比で1億2千万円増の365億円となりました。歳入では、景気回復を反映し、市税収入の増額や4月からの消費税率引き上げの影響を的確に見込みました。一方、歳出では、高齢化の進展に伴って社会保障費の増加が続く中、職員人件費をはじめとした経常的経費の削減に努めました。
26年度から3か年の第7期実施計画では、第二次基本計画・後期計画の5つの重点プロジェクトを中心に、震災からの復興や放射能対策、若い世代の定住化策を含め、150事業を採択しました。26年度の政策的経費では、そのうち141の事業を採択し、実施していくこととしました。
なお、26年度から、現基本構想のもと28年度からスタートする第三次基本計画の策定作業を進めます。26年度は、策定方針を定め、第二次基本計画・後期計画の総括を行いながら、庁内で検討を進めます。
東日本大震災からの復興
それでは、26年度に実施する主な事業について、まずは、東日本大震災からの復興、放射能対策、若い世代の定住化の3つについて申し上げます。
はじめは、東日本大震災からの復興です。
布佐東部地区では、これまで国の復興交付金を活用して、小規模住宅地区改良事業と市街地液状化対策事業の2つの基幹事業に全力で取り組んできました。26年度は、こうした基幹事業に加えて、地籍整備型土地区画整理事業を行い、復興に一定の区切りが付けられるよう、引き続き重点的に取り組んでいきます。
小規模住宅地区改良事業では、利根川の堤防上に整備されている佐原・我孫子自転車道に、都交差点から安全にアクセスできるよう、歩行者・自転車用道路を整備します。併せて、これにより移転が必要となる消防団第21分団の器具置場を、近接地に新たに整備します。
現在建設中の小規模改良住宅については、昨年10月の台風26号の影響と、液状化対策工事に関する調整に時間を要したことから、工事の着手が遅れるとともに、地中から見つかったコンクリートを取り出すのに時間を要したため、入居開始は4月以降となりました。入居予定の方々には、状況を説明しご理解をいただいておりますが、1日も早く入居できるよう、全力で工事を進めていきます。
市街地液状化対策事業では、3月から実施する実証実験の結果と今後の液状化対策検討委員会での意見を踏まえ、6月を目標に液状化対策事業計画を策定し、事業の実施に向けて地域の方々と調整を進めていきます。
地籍整備型土地区画整理事業は、震災により不規則に移動した土地の境界について、24年1月から3月にかけて行った土地境界再確定測量の成果と、法務局に備え付けの公図や登記地積とを整合させるために実施するものです。着手から概ね1年での完了をめざし、集中的に取り組んでいきます。
これまで地元の復興会議で検討を進めてきた防災施設の整備については、 27年度の完成をめざし、26年度は用地の取得と設計を行います。施設には、大地震による地盤の再液状化や水害に備え、在宅被災者の支援所や一時避難所、水防倉庫の機能を確保します。
放射能対策
次は、放射能対策です。
放射性物質を含むごみ焼却灰が一時保管されている手賀沼終末処理場では、昨年6月以降、ごみ焼却灰の搬入はなく、現在の保管量は約526トンとなっています。一時保管期限の27年3月末まで、あと1年1か月あまりと迫っていますが、1月9日に環境省が開催した第3回千葉県指定廃棄物処理促進市町村長会議では、国から示されている最終処分場の候補地選定手順についての協議がまとまらず、次回に持ち越しとなりました。
こうしたことから、引き続き、国に対しては、最終処分場の建設スケジュールを厳守し、27年3月末までに指定廃棄物を引き受けるよう要請するとともに、千葉県に対しては、一時保管期限の厳守と搬出に関する情報の公開を求めていきます。また、搬入3市に対しては、27年3月末までに搬出できるよう、引き続き保管施設の確保を要請するとともに、その進捗状況について情報提供を求めていきます。
なお、手賀沼終末処理場に一時保管されている下水道の汚泥焼却灰は、1月末現在で、指定廃棄物約550トンを含めて、約1,600トンとなっています。
今後も、国が進めている最終処分場候補地の選定状況をはじめ、手賀沼終末処理場の一時保管状況や空間放射線量の測定結果などが、広く市民の皆さんに伝わるよう、放射能対策ニュースやホームページなどでお知らせしていきます。
市では、これまで、我孫子市放射能対策総合計画に基づき、市民の健康と安全で安心なくらしを守るため、さまざまな放射能対策に取り組んできました。計画に位置づけた除染については、昨年12月までに、小中学校や保育園、幼稚園、公園、高校、大学、住宅などで完了し、千葉県が管理している道路の除染も1月に完了しました。
しかし、放射性物質による健康への影響や手賀沼終末処理場のごみ焼却灰一時保管問題など、市民の不安が解消されていないことから、2月19日に第2次放射能対策総合計画を策定し、引き続き27年度まで放射能対策を進めていくこととしました。
この計画に基づき、今後も空間放射線量の測定を行います。小中学校や保育園、幼稚園、スポーツ施設などの子どもが利用する施設では月に1回、公園では4か月に1回測定し、結果を公表します。基準値以上の箇所が見つかった場合は、速やかに除染などの対応をしていきます。
手賀沼湖畔では、3か月に1回、14地点で空間放射線量の測定と結果の公表を行います。この測定結果や、国や県が3か月に1回行っている手賀沼とその流入河川の放射性物質モニタリング調査の結果を見ながら、県に必要な対策を求めていきます。
また、引き続き、給食や農水産物、市民が持ち込む食品などの放射性物質検査を行うとともに、ホールボディカウンタ測定費用の一部助成を行います。小中学校における健康診断では、甲状腺の視診・触診や診断後の精密検査の受診勧奨を行い、子どもや保護者の安全・安心の確保につなげていきます。
ごみ処理では、引き続き市民の協力を得ながら、剪定枝木や草の分別回収を行います。また、現在新たに整備している主灰・飛灰の分離施設と飛灰の保管庫が、3月に完成します。これにより、焼却灰の安全で効率的な処理が可能となります。
なお、東京電力に対して昨年8月に行った総額約2億4,551万円の賠償請求については、今なお約2億4,257万円が未払いとなっていますが、ごみ処理費用の一部約9,857万円については、3月中に支払いがある予定です。残りの約1億4,400万円については、引き続き強く支払いを求めていきます。
若い世代の定住化
我孫子市の昨年1年間の人口減少は約500人と、一昨年の約1,300人に比べると緩やかな減少となりましたが、今なお深刻な状況であると考えています。
こうした中、市では昨年、市外在住者に対するアンケートや学生との座談会などを行いながら、若手職員による定住化策の検討プロジェクトチームで、若い世代の定住化策について検討してきました。
昨年12月には、プロジェクトチームの中間報告があり、「シティセールスの充実」、「子育て環境の更なる充実」、「手賀沼の魅力向上」、「住宅支援・住宅供給」、「交通利便性の向上」、「生活利便性の向上と働く場所の確保」の6つの柱に沿って、さまざまな具体策の提案がありました。
中間報告を踏まえ、26年度は、専門部署によるシティセールスの充実、若い世代の住宅取得に対する支援、子育て世代にアピールできる公園遊具の整備の3つの取り組みを進めます。
シティセールスの充実では、「(仮称)あびこの魅力発信室」が中心となって、我孫子市のイメージや知名度アップに向けた広報戦略に取り組んでいきます。また、4月からの本格運用をめざし、2月から市の公式フェイスブックページの試験運用を始めました。我孫子市の魅力的な風景やポイント、子育て支援策をはじめとした若い世代にアピールできる取り組みやイベントなど、さまざまな情報を写真を中心に発信します。さらに、市ホームページのリニューアルに向けて、26年度は、現在作成している仕様書をもとに新たなシステムを選定し、移行作業を進めます。27年度から本格運用し、市民生活に必要な情報やまちの魅力をより見やすく効果的に発信していきます。
住宅取得への支援では、若い世代の市外からの転入や、市内での定住化を促進するため、子どもがいる、親が市内に住んでいる、市域東側での住宅取得であるなどの条件により、最大で30万円の補助を行う予定です。これにより、中古住宅を購入しリフォーム補助も活用すると、合わせて最大で80万円の補助を受けられることになります。
子育て世代にアピールできる公園遊具の整備では、今後、地域の核となる公園に、子どもたちがいろいろな遊びを体験できるコンビネーション遊具を計画的に整備していきます。26年度は、南新木地区の核となる南新木沖田公園に設置します。
なお、昨日、プロジェクトチームの最終報告がありました。最終報告は、中間報告を基本としたものでしたが、少子化が進む中、今後は出生率のアップに向けて、結婚や妊娠などへの支援も含め、総合的な少子化対策について検討していく必要があるとの報告がありました。こうした報告を踏まえ、26年度は新たなプロジェクトチームを立ち上げ、少子化対策について検討していくとともに、残りの提案についても、引き続き事業化に向けて検討していきます。
重点プロジェクト1 「手賀沼をはじめとする我孫子ならではの自然を大切にし、環境にやさしいくらしをはぐくむまち」
次は、26年度に実施する主な事業について、5つの重点プロジェクトに沿って申し上げます。
重点プロジェクト1は、「手賀沼をはじめとする我孫子ならではの自然を大切にし、環境にやさしいくらしをはぐくむまちづくり」です。
首都圏にあって、手賀沼をはじめとした豊かな自然に触れながら生活できる環境は、まさに我孫子の魅力です。今後も、手賀沼の浄化や谷津ミュージアムづくりなど、市民の皆さんとともに貴重な自然の保全・再生に取り組み、まちの魅力を高めていきます。
また、深刻化する地球温暖化や原発事故を背景に、地球環境やエネルギー問題に関する市民や事業者の意識が高まり、省エネルギーや自然エネルギー活用の取り組みが活発化しています。市では、こうした市民や事業者の取り組みをさらに促進するとともに、率先して温室効果ガスの削減に取り組んでいきます。
手賀沼の水質は、環境省の24年度の水質測定の結果、年平均COD値が1リットル当たり9.6ミリグラムで、23年度と同様、全国ワースト2位でした。引き続き、環境基準であるCOD値1リットル当たり5ミリグラムをめざし、千葉県に対し、湖沼水質保全計画に基づく浄化対策の確実な推進や、汚濁メカニズムの解明などの取り組みを強く求めていくとともに、市民や事業者へのさらなる啓発に努めます。
手賀沼の魅力をいかしたイベントとして全国に発信しているジャパンバードフェスティバルは、「人と鳥の共存をめざして」をテーマに、今年も11月に開催します。開催にあたっては、市民や事業者と連携をさらに強めるとともに、参加団体の拡大や内容の充実を図ります。
緑豊かなまちづくりでは、平成11年に策定した「緑の基本計画」の見直しに向けて、昨年8月から、学識経験者や緑地保全活動を行っている市民などで構成する「緑の基本計画見直し委員会」を開催し、検討を進めてきました。1月にまとめた見直し案では、手賀沼沿い斜面林などの我孫子らしい緑を重視して指定緑地を拡大していくことや、市民による緑づくりをさらに進めていくことなどを目標に掲げました。2月20日まで行ったパブリックコメントや議会の意見を踏まえながら、3月に策定します。
地球温暖化対策では、市の地球温暖化対策実行計画「あびこエコ・プロジェクト3」に基づいて、さらに温室効果ガス総排出量の削減や、環境負荷の低減に努めます。
太陽光発電システムの公共施設への設置については、26年度に耐震工事を予定している小中学校4校の体育館で検討し、根戸小学校、我孫子第二小学校、新木小学校の3校で設置することとしました。
太陽光発電システム設置への補助は、26年度は210件の補助を目標に進めます。これにより、今年度末までの補助予定件数、約900件と合わせると、あびこエコ・プロジェクト3の目標である1,055件を1年早く達成する見込みです。併せて、昨年10月から開始した家庭用燃料電池や蓄電池の設置に対する定額10万円の補助を行い、家庭における省エネルギー化を進めます。
省エネルギー型照明の導入は、根戸小学校、並木小学校、我孫子第二小学校、新木小学校、湖北台西小学校、久寺家中学校、湖北台中学校の7校の体育館で、耐震工事や大規模改造工事に合わせて行います。
館内照明のLED化を計画的に進めている鳥の博物館では、26年度は、来館者が利用するスペースを中心にLED化を行います。新木近隣センターでは、ロビーの照明をLEDに交換します。
市が管理する街路灯のLED化は、既存の街路灯で交換が必要になったものから優先的に進めます。自治会が管理する街路灯については、LED化を希望する自治会から、LEDに対する補助金値上げの要望が多いことを踏まえ、補助金額の見直しを進めます。さらに、街路灯全体のLED化を計画的に進めていくため、調査研究を行います。
谷津ミュージアムでは、自然エネルギー利用の啓発を図るため、作業小屋前の水路にピコ水力発電装置を設置し、その電力を利用したLED街路灯を設置します。また、現在の作業小屋が手狭なことから、隣に作業小屋を追加整備し、市民の活動や交流の拠点として、また、谷津ミュージアムのPRの拠点として活用していきます。
リサイクルの推進では、昨年4月に施行された小型家電リサイクル法を踏まえ、5月から、これまで不燃ごみとして処分していた小型家電の回収を始めます。回収品目や回収場所などについては、4月1日号の広報やホームページでお知らせします。
こうした取り組みのほか、引き続き市民の皆さんの理解と協力を得ながら、ごみの分別や生ごみの資源化などに努めるとともに、クールビズや緑のカーテン、空調の適正利用などの取り組みを強化し、地球環境への負荷の低減を図っていきます。
重点プロジェクト2 「我孫子の資源をいかし、豊かな地域を創りだす活力あるまちづくり」
重点プロジェクト2は、「我孫子の資源をいかし、豊かな地域を創りだす活力あるまちづくり」です。
まちを持続的に発展させていくためには、まちの活力を高め、まちを元気にしていくことが必要です。そのため、手賀沼をはじめとする自然環境や歴史文化遺産など、我孫子ならではの資源を最大限活用し、まちの魅力を高めて交流人口の拡大につなげていきます。
市民の力をいかしたまちづくりでは、さまざまな分野の市民活動を支援するとともに、市民の皆さんと連携しながら、地域コミュニティの活性化に取り組み、地域の活力を高めていきます。
さらに、新たな企業が進出しやすい環境づくりをはじめ、工場の集団化や、魅力ある観光づくり、地産地消を軸とした農業振興などに取り組み、市民がいきいきと働ける場を創出しながら、地域経済の活性化や税収の確保につなげていきます。
産業の振興では、昨年12月にまとめた企業立地方針案について、パブリックコメントや議会の意見を踏まえながら、2月20日に最終的な方針をまとめました。方針では、我孫子市の強み・弱みなどを踏まえたうえで、立地を推進する企業の基本的な要件をはじめ、立地を推進するための戦略や推進策、推進体制などを整理しました。26年度は、この方針に基づき、企業立地を総合的に支援する我孫子市ならではの助成制度などの検討を行い、実施に向けて取り組みます。また、市街化区域の都市的未利用地について情報を収集し、積極的に企業立地を進めていきます。
住工混在の解消では、工場の集団化を図るため、市内の工業専用地域の用地を市が取得し、移転希望事業者の受け皿として整備する方向で検討を進めています。昨年11月から、土地の取得範囲や用地内の土地利用、事業の採算性のシミュレーションなどの基本調査を実施しており、3月に調査結果をまとめる予定です。26年度は、この調査結果を踏まえ、事業実施の可否を含めて検討していきます。
空き店舗の活用では、23年度から月額10万円を限度とする家賃補助を行ってきたところ、これまでに18件の空き店舗が解消されました。しかし、今後さらに空き店舗の活用を図っていくためには、初期投資への補助が有効と考え、4月から40万円を限度とする改装費用の補助を開始します。これに伴い、家賃補助については、限度額の引き下げや補助期間の短縮を行う一方、対象地域に天王台地区の4つの商店会を追加し、空き店舗の解消や市内産業の活性化につなげていきます。
起業・創業への支援では、4月から、中小企業資金融資制度に新たに創業支援資金、独立開業資金、事業転換資金の3つの資金融資を追加して行います。併せて利子補給も行い、中小企業の経営の安定化と活性化を図っていきます。
観光の振興では、「手賀沼のうなきちさん」を活用して、手賀沼をはじめとした我孫子市の魅力を発信していくため、うなきちさんのPR用ステッカーや、Tシャツ、文房具などのさまざまな販売用グッズを作成します。また、引き続き、市内外のさまざまなイベントやお祭りなどに積極的に参加するとともに、市内の見所を紹介するPR動画をインターネットなどで配信していきます。
さらに、「手賀沼のうなきちさん」と布佐地区の復興支援キャラクター「ふさだだしお」を活用して、原動機付き自転車などのご当地ナンバープレートを作成します。デザインは公募し、市制45周年にあたる27年の1月から交付する予定です。デザインの公募とナンバープレートの普及により、キャラクターをより多くの方々に知ってもらうとともに、我孫子市への愛着を深めてもらいたいと考えています。
ミニSLの運営では、ミニ新幹線「E5系はやぶさ」を新たに購入し、春休み期間中から運行を開始します。現在のミニSLと交互に運行し、多くの子どもたちに乗車してもらい、楽しんでもらいたいと思います。
昨年3年ぶりに開催した手賀沼花火大会は、今年も柏市と連携して、8月2日に開催する予定です。市民の皆さんにも募金に協力してもらいながら、市内外の多くの方々に楽しんでもらえる花火大会にしていきます。
昨年4月から指定管理者が運営しているインフォメーションセンター「アビシルベ」では、我孫子の名産となるような新たな食品を、商業者と協力し合いながら開発していきます。
魅力ある景観づくりでは、今年度に引き続き、地域で景観づくりを行っている市民団体と協働で、あびバスルート周辺の景観資源を紹介する「あびバス景観散策マップ」を作成します。26年度は、「栄・並木・泉ルート」と「新木ルート」を作成し、市民の景観への関心を高めるとともに、観光資源としても活用していきます。また、今年度に引き続き、啓発用リーフレットを作成し、市民が気軽に取り組める景観づくりの事例などを紹介します。なお、現在作成中の「船戸・台田ルート」の景観散策マップと啓発用リーフレットは、広報やホームページでお知らせし、3月中旬から市内の主な公共施設で配布します。
地域コミュニティの活性化では、昨年10月に策定した基本方針に基づき、26年度は、2つのモデル地区で地域会議を設置します。市では、地域会議の立ち上げと事務局の運営を支援し、実践を踏まえながら地域会議の進め方やあり方、市の支援などについて検証していきます。
また、コミュニティ活動に対する市の支援策やコミュニティの活動事例などに関する情報を一元化します。こうした情報を、地域会議の状況も含めて積極的に発信し、市民とともにそれぞれの地域にあったコミュニティづくりを進めていきます。
あびこ市民活動ステーションの運営では、市民の自主性を尊重し、ステーションの運営を市民自らが行えるよう、また、市民や民間のノウハウをいかせるよう、4月から指定管理者による管理運営を行います。新たな視点で、市民活動団体同士の交流や情報交換の場を提供し、利用者の拡大を図るとともに、市民活動に参加する市民の育成に取り組みます。これにより、市民活動が一層活発に展開されることが期待されます。
千葉県から移譲が打診されている「水の館」については、施設の魅力を高め、手賀沼周辺の活性化につなげていくことが重要です。そのため、昨年11月に、利用にあたって必要な施設の改修や敷地の利用拡充などについて、千葉県に照会を行いました。県からまだ回答はありませんが、県の回答を踏まえ、移譲を受けることが費用対効果を含め将来的に市のメリットになるのか、検討を進めていきます。
農業拠点施設の整備については、農事組合法人により運営されている農産物直売所アンテナショップが、昨年2月以降ほぼ安定して黒字経営を続けていることから、本格的な施設の整備を検討していきます。立地場所も含めた計画の方向性については、水の館の移譲問題や、新たな文化施設の整備計画、観光振興計画などとの調整が必要なため、これらと調整を図りながら定めていきます。
手賀沼沿い農地の保全・活用では、昨年3月に策定した手賀沼沿い農地活用計画の実現に向けて、根戸新田地区、高野山新田・我孫子新田地区、岡発戸新田地区の3地区の農家などとの意見交換をもとに、手賀沼沿い農地の排水対策について現地調査を行いました。この調査結果や農家の意向を踏まえ、今後順次、暗渠管(あんきょかん)整備などの排水対策を進めます。また、景観作物栽培や体験農園など、農地の積極的な活用に対する支援や、利用条件の悪い農地の保全に対する支援を進めます。
新規就農支援では、21年度からこれまでに14経営体の18人が就農し、営農が困難となっていた約6.6ヘクタールの農地が活用されています。今後さらに、新規就農者の確保と育成を進めていくため、26年度は、新たに宣伝広告費に対する補助を開始するとともに、農地の賃借料や施設整備、農機具購入などへの補助を増額します。
あびこエコ農業の推進では、農家の方にやりがいを持ってエコ農業に取り組んでもらえるよう、26年度から、これまでの定額補助から作付面積に応じた補助に切り替えて支援していきます。また、引き続き、農業改良普及員による栽培技術の普及や、「ちばエコ農産物」の認証取得の支援を積極的に進めます。
重点プロジェクト3 「みんなが安全にくらせるまちづくり」
重点プロジェクト3は、「みんなが安全にくらせるまちづくり」です。
私たちは、東日本大震災とそれに伴う原発事故で得た教訓を忘れることなく、誰もが安全で安心してくらせるまちの実現に向けて、力を合わせていかなければなりません。そのため、引き続き、市民の皆さんと連携して、防災や防犯、危機管理、交通安全の取り組みを進めるとともに、水害対策や公共施設の耐震化、消防救急体制の充実など、市民が安全で安心できる環境づくりに取り組みます。
災害時の体制強化では、昨年から進めてきた「災害時各課行動マニュアル」と「災害時業務継続計画」の策定が、3月に完了します。26年度は、こうしたマニュアルなどの職員研修や訓練を行いながらその実効性を確認し、職員が災害時においても混乱することなく、迅速かつ適切に対応できるようにしていきます。
災害時における要援護者への支援では、昨年から、福祉団体や自治会などの代表者で構成する検討委員会で「災害弱者対策行動計画」の見直しを進めています。26年度も引き続き、課題の整理や効果的な手法の検討を行い、9月までに見直しを完了させます。
災害などの非常時への対応では、防災行政無線の老朽化やデジタル方式への移行に対応するため、今年度から3年間で新設8局を含む子局78局の整備を進めています。26年度は子局23局のデジタル化を行います。
また、防災行政無線の難聴問題に対応するため、2月24日に株式会社ジェイコムイーストと協定を締結しました。これにより4月から、各家庭が専用の端末機を設置することで、防災行政無線の放送内容を室内で聞けるようになります。今後は、災害弱者への端末機の設置について、補助制度も含めて検討していきます。
防災備蓄倉庫の整備では、10月の完成をめざし、気象台記念公園に、市域東側地区の基幹倉庫と新木地区の備蓄倉庫を兼ねた倉庫を整備します。また、防災備蓄計画を策定し、計画に基づいた食糧や生活必需品の備蓄を進めるとともに、市民には各家庭で備蓄を行うよう促していきます。
非常時の生活用水の確保では、26年度は、我孫子第二小学校と我孫子第三小学校の2校に防災井戸を整備します。これにより、避難所となる学校9校に防災井戸が整います。
救急消防体制の強化では、高齢化の進展に伴って、今後さらに救急件数の増加が予想されることから、28年度から救急隊を1隊増やし、常時5隊での運用を始めます。そのため、26年度から2か年で6名の消防職員を増員し、救急需要の増加に対応していきます。
空き家対策では、管理の行き届いていない空き家が、火災や犯罪などを誘発するおそれがあることや、今後さらに空き家の増加が見込まれることから、4月から、空き家等の適正管理に関する条例を施行します。この条例に基づき、管理不全な空き家の所有者に、改善を促す指導や命令などを行い、命令に従わない場合は、所有者の氏名の公表や代執行を行います。また、危険を回避する必要がある場合は、市が応急措置を行うなどして、良好な生活環境を確保していきます。
防犯対策では、子どもたちをはじめとした市民の安全と安心を確保するため、公共施設や駅周辺の主要な道路を中心に、順次、防犯カメラを設置していきます。26年度は、つくし野保育園、寿保育園、東あびこ保育園の3園の出入り口付近に設置し、9月からの運用開始をめざします。カメラの運用にあたっては、基準を策定し、市民のプライバシーに配慮するとともに、画像データは犯罪捜査を目的とした場合にだけ使用していきます。
水害対策では、引き続き、布佐ポンプ場の機械・電気工事を進め、26年度内の完成をめざします。また、布佐地区では、昨年10月の台風26号で大規模な浸水被害が発生したため、今後の雨水幹線整備に向けて幹線の再点検と浸水状況の検証を行うとともに、道路の冠水状況や雨量などを計測する防災カメラを設置します。収集したデータは、市民への注意喚起に活用するとともに、避難勧告などを発令する場合の判断資料とします。
柴崎排水区では、引き続き、北新田堤外排水路の拡幅工事を進めるとともに、後田樋管改築の実施設計を国に委託して行う予定です。なお、後田樋管に近接する放置自転車保管所が、樋管改築工事の支障になることから、保管所を泉の汚水処理場跡地に移転します。
また、引き続き、若松地区では、県が築造する湖岸堤との調整を図りながら樋管とポンプ場の整備を進めるとともに、久寺家第1排水区では、雨水本管の布設工事を進めます。我孫子駅北口地区では、調整池の築造に向け、上部利用も考慮した実施設計を行うとともに、天王台6丁目地区では、より早期に効果が現れるよう、実施方法の検討を行います。
小中学校の耐震化では、根戸小学校、並木小学校、我孫子第二小学校、新木小学校、久寺家中学校の5校で体育館の耐震工事を行い、併せてトイレや外壁、省エネルギー型照明などの改修を行います。これにより、すでに完了している小中学校の校舎に加え、体育館の耐震化も26年度ですべて完了します。
また、耐震工事が完了している湖北台西小学校と湖北台中学校の体育館では、トイレや外壁、省エネルギー型照明などの大規模改造工事を行います。
公園のバリアフリー化では、湖北台中央公園でバリアフリー化の工事を行い、多くの市民が安全に楽しめる公園にしていきます。また、27年度の整備をめざして、つくし野4号公園でバリアフリー化の実施設計を行います。
エレベーターの安全対策では、妊婦やベビーカーの利用が多い保健センターで、地震時などの安全性を高める改修を行います。
PM2.5への対策では、千葉県に測定機器の設置を要望してきたところ、湖北台東小学校の敷地内にある千葉県大気汚染常時監視測定局に測定機器が設置され、2月10日から測定を開始しました。測定結果は、県のホームページで公表されており、市のホームページからも見にいけるようになっていますので、ご活用ください。
消費生活の安全対策では、消費生活に関わるさまざまなトラブルや、いわゆる「おれおれ詐欺」などの犯罪から市民を守るため、これまで消費生活センターの相談体制を強化し、相談や情報提供に努めてきましたが、依然として被害は減らない状況です。そのため、今後も引き続き、警察などの関係機関と連携しながら、消費生活の安全確保に向けて取り組んでいきます。
重点プロジェクト4 「若い世代に魅力ある、子育てしやすいまちづくり」
重点プロジェクト4は、「若い世代に魅力ある、子育てしやすいまちづくり」です。
冒頭で申し上げたとおり、高齢化が加速し、人口減少が続く中、若い世代の定住化の促進は、我孫子市にとって最も重要な課題の1つです。そのため、若い世代のニーズを的確に分析しながら、安心して子どもを産み育てられる環境づくりや、交通や生活の利便性向上などに取り組み、若い世代に魅力あるまちづくりを進めていきます。
「子ども総合計画」は、26年度が計画の最終年度となることから、現在、次期計画の策定作業を進めています。昨年実施した子ども・子育て支援のニーズ調査の結果や、子ども・子育て会議での意見を踏まえながら、地域の実情に応じた質の高いサービスの内容や提供体制について検討し、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりを担う計画として策定していきます。
子どもの居場所づくりでは、6月に、市内で6校目・7校目となるあびっ子クラブを、並木小学校と布佐南小学校で開設します。地域の方々と連携しながら、子どもたちが安全に過ごせる場所としていきます。8校目となるあびっ子クラブについては、保護者や学校の要望、地域性などを考慮しながら検討を進めます。
学童保育室の充実では、安全対策として、窓ガラス飛散防止フィルムの取り付けを根戸小学童保育室などで行います。また、高野山小学童保育室では通路の舗装を行い、二小学童保育室にはエアコンを増設するなど、子どもたちが安全で快適に過ごせる環境づくりを進めます。
小中学校の学習環境の充実では、近年の記録的な猛暑の状況を踏まえ、子どもたちが集中して学習に取り組めるよう、27年度から計画的に小中学校の教室にエアコンを設置していきます。26年度は、中学校でエアコン設置工事の設計を行うとともに、工事の進め方やスケジュールなどについて検討します。
小中一貫教育の推進では、27年度から布佐中学校区でモデル事業を進めていけるよう、26年度は、布佐中学校、布佐小学校、布佐南小学校の3校で、学校間の連携や交流活動に取り組むとともに、教科カリキュラムの開発などを行います。
不登校児童生徒への支援では、適応指導教室「ヤング手賀沼」の建物が老朽化していることから、湖北駅北口の千葉興業銀行旧湖北支店の空き店舗への移転を進めます。子どもたちが27年度の2学期から新しい教室で過ごせるよう、26年度は移転先の改修設計を行います。また、28年度から教育研究所もヤング手賀沼と同じ建物に移転し、相互に連携し合いながら子どもたちの学校復帰をめざします。
保育園の待機児童ゼロの堅持では、4月に天王台北地区で、新たに定員80人の私立保育園「(仮称)天王台さくら保育園」が開園します。これにより、保育需要の大きい天王台地区で、保護者の利便性が高まることが期待されます。
保育施設の充実では、寿保育園で、老朽化した空調設備や天井、照明設備の改修を行います。また、市が支援している私立湖北保育園の大規模改修は、3月から工事を開始し、9月の完成をめざします。昨年12月に新園舎が完成した根戸保育園では、3月に旧園舎の解体を完了させ、26年度に滑り台などの遊具を新設します。3月末で閉園する並木保育園では、5月から園舎などの解体を行い、再利用できる空調設備や遊具などの備品は、他の保育園で有効に活用していきます。
保育サービスの充実では、26年度は、つくし野保育園と根戸保育園で公正・中立な第三者機関による客観的な評価を行い、サービスの質の向上につなげていきます。
幼児教育への支援では、今年度に引き続き、私立幼稚園に通う園児の保護者の経済的負担を軽減するため、園児1人あたり1万9千円の園児補助金を交付します。また、保護者の子育てと、仕事や介護などとの両立を支援するため、幼稚園の預かり保育の利用料を半額補助します。さらに、幼稚園の教育環境の向上を図るため、園舎などの修繕費用の一部を補助します。
24年度から毎年秋にイトーヨーカドー我孫子南口店で開催してきた子育て支援イベントは、今年から春と秋の年2回開催します。3月29日に、新たに我孫子駅北口のイトーヨーカドー我孫子店を会場として、「あびこで子育てフェスタ たのしさ満開。えがおを咲かそう。」を開催します。子育て中の親子はもちろん、祖父母の方々や高齢者も楽しめるイベントにしていきます。
こども発達センターでは、市の中核的な療育施設として、さらなるサービスの充実を図るとともに、新たに保育園などへの訪問支援や放課後等デイサービスを実施できるよう、新たな施設の整備に向けて取り組んでいます。今年度行った基本設計に基づき、26年度は実施設計を行い、28年度の開設をめざします。
常磐線・成田線の利便性向上では、3月15日から、JR東日本のダイヤ改正により、常磐線各駅停車の運行本数が毎日午前10時台から午後3時台で毎時1往復、合計6往復増発されることになりました。これにより、運転間隔が12分から10分となり、利用者の待ち時間が短縮され、利便性の向上が期待されます。今後も引き続き、JR東日本に対しては、26年度末に予定されている東北縦貫線の開業時に、常磐線が1本でも多く東京駅に乗り入れられるよう、また、常磐線の特別快速の我孫子駅停車や、成田線の増発、運行間隔の調整などの改善も、12月に発表が予定されているダイヤ改正に合わせて実現されるよう、沿線自治体と連携しながら強く要望していきます。
あびバスの利便性向上では、23年度から実証運行を行っている根戸ルートについて、昨年10月にルート変更を行ったことから、引き続き利用状況を見ながら、地域にあった運行形態を検討していきます。
平和事業では、戦後68年が経過し、戦争体験者が減少していく中、次の世代に着実に平和の大切さや戦争の悲惨さを継承していきます。26年度は、昨年に引き続き、中学生12名を広島市に派遣し、被爆の実態や平和の大切さについて学んでもらいます。また、原爆被爆者の会や平和事業推進市民会議と連携し、我孫子市平和祈念式典を開催するなど、市民とともに平和の尊さを考えていきます。
重点プロジェクト5 「誰もが生涯をとおして、健康で自立した生活を安心しておくれるまちづくり」
重点プロジェクト5は、「誰もが生涯をとおして、健康で自立した生活を安心しておくれるまちづくり」です。
地域でのつながりや支えあいが希薄化する中にあっても、私たちは、住みなれた地域で家族や地域の人たちと関わりを持ちながら、心身ともに健康にくらしていくことを望んでいます。そのため、すべての市民が生涯をとおして健康でいきいきとくらせるよう、病気の早期発見・早期治療につながる取り組みを積極的に進めるとともに、一人ひとりの自主的な健康づくりを促進し、市民の健康寿命を延ばしていきます。また、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが住みなれた地域の中で、自立して安心にくらせる環境づくりを進めます。
26年度は、27年度からのスタートに向け、「心も身体も健康プラン」、「食育推進行動計画」、「歯と口腔の健康づくり基本計画」の3つの計画の次期計画を策定します。策定にあたっては、昨年秋に実施した健康についてのアンケート結果や健康づくり推進協議会の意見などを踏まえ、さらに市民の自主的な健康づくりを支援し、健康寿命の延伸につながる計画としていきます。
また、「介護保険事業計画」と「高齢者保健福祉計画」についても、27年度からスタートする次期計画を策定します。策定にあたっては、高齢者の状況や要望についてのアンケートを行いながら、高齢者とその家族の方々が住みなれた地域で安心してくらしていくための計画となるようにしていきます。
健康づくりの取り組みを全国に向けて発信するため、国内35の自治体を含む38団体が加盟する健康都市連合日本支部の大会を、7月29日と30日の2日間、けやきプラザで開催します。健康都市連合は、WHOの呼びかけにより発足した、健康都市づくりに取り組む都市間のネットワークで、現在世界 10か国の180を超える組織が加盟しています。大会では、我孫子市をはじめとした加盟市の事例発表や、健康づくりに関わっている市民団体同士の交流を行います。大会を通して、他の自治体からも先進的な取り組みを学び、市民の健康づくりにいかしていきます。
健康寿命を延ばす取り組みでは、24年度に行った健康寿命延伸プロジェクトで提案のあった事業の中から、動画による健康教育と、市民と市民団体・企業とのマッチングイベントを実施します。
動画による健康教育では、市民の自主的な健康づくりを支援するため、健康体操やウォーキング、歯と口腔のケア方法などについての動画を作成します。作成した動画は、多くの方々に利用してもらえるよう、ネット配信やDVDの配布により広く発信していきます。
市民と市民団体・企業とのマッチングイベントでは、定年退職した方々が活発に行動し、健康づくりにつなげてもらえるよう、現役時代に培った経験や技術をいかしたい人と、担い手を求めている市民団体や企業との出会いの場をつくります。イベント会場には、市民団体や企業を紹介するブースを設けるとともに、市民活動への参加や企業への再就職など、さまざまな活動をテーマにしたセミナーなどを開催する予定です。
健康寿命の延伸に効果的な歯と口腔の健康づくりでは、26年度は、小中学校で行うフッ化物によるうがい事業などのむし歯予防対策について検討を進めます。検討は、健康づくり推進協議会のもとに保護者や学校関係者などで構成する部会を設置して行います。
予防接種への支援では、インフルエンザの発症や重症化、感染拡大を防ぐため、10月から、県内初となる小児のインフルエンザワクチン接種費用の助成を開始します。インフルエンザは、乳幼児が感染すると重症化しやすいことを踏まえ、また、保育園や学校などでの集団感染を防ぐため、接種が可能となる生後6か月から小学6年生までの子どもを対象とします。助成額は1回につき千円とし、1人あたり2千円まで助成します。
介護予防の推進では、毎年、介護認定を受けていない高齢者に生活機能チェックリストを送付して、要介護状態となるおそれのある方を把握し、予防事業を実施しています。26年度からは新たに、予防事業の対象とならなかった元気な高齢者に、生活機能を維持・改善するためのアドバイスを送付し、元気な時から介護予防に取り組めるよう進めていきます。
特別養護老人ホームの整備については、今年度の開設をめざし、天王台地区で定員100人の広域型特別養護老人ホームの整備を進めてきました。しかし、関係機関との協議に時間を要したことや入札不調などにより遅れが生じたことから、26年度での完成をめざして進めます。
認知症高齢者グループホームの整備についても、今年度の開設をめざし、我孫子北地区と湖北地区の2か所で進めてきましたが、関係者との協議に時間を要するなどの事情により遅れが生じたことから、26年度での完成をめざして進めます。
障害者への支援では、9月の開設をめざして、新木地区で定員6人のグループホームの整備が予定されていることから、事業者に財政的な支援を行い、障害者の住まいの場の充実を図ります。併せて、利用者の経済的負担を軽減するため、家賃の一部を助成します。
また、病気や事故などによる中途失聴者や難聴者が、手話や読話によってコミュニケーションがとれるよう、26年度は、手話の習得に向けた講習会を開催します。
公共施設や商店などのバリアフリー情報を紹介するウェブサイト「バリアフリーおでかけマップ らっく楽!あびこ」では、より閲覧や検索がしやすくなるようリニューアルを行い、高齢者や障害者などの外出を支援します。
主な都市整備
以上、重点プロジェクトに沿って述べてきましたが、次に、主な都市整備について申し上げます。
布佐駅南側のまちづくり事業では、都市計画道路新木駅・布佐南線の新設改良工事を行い、国道356号我孫子バイパスと接続します。これにより、布佐平和台1丁目周辺と我孫子バイパスがつながることとなります。また、西公園や区画道路4路線、下水道の整備を進めるとともに、27年度の整備をめざし、耐震性防火水槽を含む東公園の設計を行います。
我孫子駅前土地区画整理事業では、事業計画の変更を行います。事業期間を5年間延長し、31年度の完了をめざします。
我孫子駅北口土地区画整理事業は、昨年7月に換地処分の公告を行ったことから、清算金の交付と徴収を除き、事業は終了しました。
手賀沼公園・久寺家線の整備では、残る未取得用地1件について、引き続き地権者と交渉を進めるとともに、フジタ我孫子マンション前の歩道の舗装と照明の整備を行います。
県が進めている国道356号我孫子バイパスの整備に合わせて行う、青山・日秀線の一部区間と下ヶ戸・中里線の整備については、将来交通量の予測と今年度行った道路の概略・予備設計をもとに、技術的・経済的に最も有利となるルート案を選定し、都市計画の変更を進めます。
新木駅の整備では、28年度の早期完成をめざし、26年度は、橋上駅舎、自由通路、南北口エレベーター・エスカレーターの工事施行協定をJR千葉支社と締結し、工事に着手していきます。また、工事の支障となる自転車駐車場の移設を行うとともに、駅事務室を仮施設に移設します。
下新木踏切の改善では、踏切とその北側道路の早期拡幅に向けて、物件調査などを行い、債務負担を設定して用地の先行取得を進めます。
国道356号の湖北小学校入口交差点の改良では、現在、千葉県などと協議しながら実施設計を進めています。26年度での完成をめざし、用地買収と改良工事を進めます。
白山跨線人道橋(はくさんこせんじんどうきょう)の延伸整備については、現在、地元自治会や関係機関との協議を進めています。また、延伸以外の手法として、T字路に信号機を設置して国道356号を安全に横断する手法についても検討しています。26年度は、引き続き地元自治会などと協議しながら、適切な整備手法の検討を進めます。
下水道の整備では、下水道整備5か年計画に基づき、引き続き我孫子3丁目地先の国道356号沿いと中峠台地区の整備を進めます。
市営都部団地では、26年度末の廃止に向けて、3月中に入居者の退去が完了する予定です。26年度に解体工事を行い、年度内に土地を所有者に返還します。
湖北行政サービスセンターは、開設後41年が経過し老朽化が著しいことから、5月に閉店するJA東葛ふたば湖北支店の建物に移転します。バリアフリー化などの改修を行い、9月の開設をめざします。
湖北台地区の老朽化が進んでいる公共施設の整備では、整備方針を定めて、施設の規模や配置、概算事業費などの基本計画案を作成します。計画案の作成にあたっては、整備・運営コストの削減やサービスの向上を図るため、PFIをはじめとした効率的で効果的な事業手法の導入可能性調査を行います。
新たな文化施設の整備では、にぎわいを創出し、文化を中心としたさまざまな交流を育む施設となるよう、昨年11月から有識者で構成する「文化交流拠点施設整備専門家会議」を開催し、我孫子市の文化や交流の拠点施設としてふさわしい機能や規模、建設候補地、事業手法などについて意見を聴いています。3月に報告書をとりまとめ、報告書をもとにさらに庁内の検討委員会で検討を進め、8月を目途に建設構想案を策定していきます。
広域行政の推進
次は、広域行政の推進です。
柏市とのごみ処理施設の共同設置については、22年度から、両市の職員による研究会を設置して検討を進めてきましたが、23年8月に中間報告書をまとめてからは、放射性物質を含むごみ焼却灰の発生により、研究会を開催することができませんでした。昨年7月に研究会を再開しましたが、中断していた約2年の間に、両市の焼却施設の整備の考え方などに差異が生じてきたことや、整備までに残された時間が異なることから、共同処理を断念することとしました。今後は、市単独による整備をめざし、26年度から整備方針の策定に着手します。26年度は、将来ごみ量の推計を行い、必要となる機能や施設の規模、建設場所について検討していきます。なお、現施設の耐用年数が32年度となっていることから、新施設は33年度からのスタートを予定しています。
手賀沼・手賀川活用推進協議会では、昨年5月にまとめた中間報告書をもとに、手賀沼・手賀川周辺における観光やレクリエーション事業などへの民間事業者の進出可能性や進出条件を探るため、企業やNPO法人などへのヒアリング調査を実施しています。3月に報告書をとりまとめ、26年度は、最終的なアクションプランを策定し、民間進出が期待される事業の具体化に向けて取り組みます。
PFI事業により進めているみどり園の改築では、今後、日中活動棟の南側部分の建設と外構工事を行い、6月に完成する予定です。また、4月からは、社会福祉法人大久保学園が指定管理者として管理運営を行います。指定管理への移行後も、みどり園の利用者が安全に安心して生活できるよう、事業の実施状況のモニタリングを東葛中部地区総合開発事務組合により進めていきます。
行政改革の推進
最後は、行政改革の推進です。
震災からの復興と放射能対策を最優先に進めながら、26年度も、市民の視点に立った行政改革に取り組みます。
事業仕分けについては、仕分けの効果をさらに高められるよう、対象事業の選定方法などの見直しを行い実施します。
提案型公共サービス民営化制度では、採用基準などの見直しを行って、引き続き募集を行います。また、24年度から実施している公共施設包括管理業務については、これまでの66施設に図書館の湖北台分館と布佐分館の2施設を追加し、68施設で行います。
なお、昨年採用となった1件の提案は、公共施設のマネジメントに関するものでしたが、財政シミュレーションの進め方や費用対効果の面から実施を見送ることとしました。しかし、老朽化が進む公共施設の維持管理や更新には、大きな財政負担が予想されるため、26年度は、公共施設マネジメントの実施に向けて、施設保全台帳システムを導入します。これにより、施設の修繕履歴も含めたデータの一元管理を進め、長期修繕計画のシミュレーションを行います。
定員管理については、26年4月1日の職員数が869人となる見込みで、第5次定員管理適正化計画の目標867人の達成は困難な状況です。その要因としては、計画策定時に想定していなかった東北被災地への職員派遣や、救急隊の増隊に向けての消防職員の増員などによるものです。27年度から3か年の第6次適正化計画は、5月中に策定します。
職員人事交流は、引き続き、国土交通省関東地方整備局と印西市の2団体と行います。職員の派遣についても、引き続き全国市長会を通じて、東北被災地の自治体に自ら申し出のあった職員2名を派遣するとともに、財団法人千葉県建設技術センターに1名派遣します。また、新たに千葉県に1名を派遣します。
以上で施政方針を終わります。議員の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。