鹿島前(中近世)遺跡
東西に長い我孫子の台地のほぼ中央部に位置し、北に利根川を望む台地上にありました(消滅)。
現在の中峠台付近にあたります。
1978~83年(昭和53~58年)に5次の発掘調査が行われました。
旧石器時代、縄文時代早期~後期、古墳時代、中近世の複合遺跡です。
中世の道路状遺構、中近世の墓域が見つかっています。
墓域に113基の土坑墓がありました。このなかで79基には銭貨が副葬されていました。
銭貨の種類から15~17世紀にかけて営まれていた墓域のようです。
出土遺物
数珠
近世土坑墓に副葬されていたものです。
一番下の茶色のものが木製、他はガラス製。
内耳土鍋
口径:35.0センチメートル
高さ:10.5センチメートル
底径:19.8センチメートル
方形の土坑墓に副葬されていたものです。
被葬者の頭に被せてありました。
外面には煤が付着していたので、実際に使用していたようです。
他に6枚の渡来銭が副葬されていました。
副葬銭貨1
拓本
これらは「絵銭」です。
一番左のものは「南無妙法蓮華経」、右の2枚には「南無阿弥陀仏」とあります。
副葬銭貨2
拓本
12枚の銭貨が副葬されていました。
6枚が寛永通宝、6枚が中国からの渡来銭です。
発掘調査写真
土坑墓の人骨
その他の時代
鹿島前遺跡は複数の時代の遺構が重なった遺跡です。各時代の様子は下のリンクをクリックしてください。