納税の猶予
猶予制度の概要
猶予制度には、病気や事業で著しい損失を受けたときなどに、納税者の申請により納税を猶予する「徴収の猶予」と、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがある場合などに差押財産の換価を猶予する「職権による換価の猶予」と「申請による換価の猶予」があります。
注釈:換価とは、差押えた財産を金銭に換えて、滞納となっている税金に充当するための強制的手続きです。
効果
猶予が認められたときは、財産の差押えや換価が猶予されます。また、猶予期間中の延滞金が軽減されます。
要件
徴収の猶予
原則として次のいずれかの事項に該当するとき
- 財産につき震災、風水害、火災、その他の災害による損害を受けまた盗難にあったとき
- 納税者またはその生計を一にする親族など病気にかかりまたは負傷したとき
- 事業を廃止し、または休止したとき
- 事業について著しい損失を受けたとき
- 前各事項に類する事実があったとき
換価の猶予
- 納税について誠実な意思を有すると認められ、原則として次のどちらかに該当するとき
- 取立て、公売等で財産の換価を直ちにすることにより事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあるとき
- 財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比して徴収上有利であるとき
なお、申請による換価の猶予の申請期限は、納期限から6か月以内です。
申請の手続き
提出書類
- 申請書(猶予を受けようとする金額、理由、納付計画などを記入します)
- 財産収支状況書(納付可能金額、今後の収入及び支出の見込額、納付計画、財産及び負債の状況などを記入します)
- 財産目録(申請日現在の財産、その他の資産及び負債の状況などを記入します)
- 収支の明細書(申請日前1年間の収入及び支出の実績、今後の収入及び支出の見込額などを記入します)
- 担保の提供に関する書類(担保の提供に該当する場合必要となります)
- 災害などの事実を証明する書類(徴収の猶予の場合必要となります)
なお、添付書類として、り災証明書、医療費の領収書・明細、廃業届、決算書、確定申告書など必要になる場合があります。
担保の提供
猶予を受ける金額が100万円を超える場合、かつ猶予期間が6か月を超える場合には、原則として猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。
猶予期間
猶予期間は原則として1年の範囲内ですが、猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、申請することにより当初の猶予期間を含めて最長2年まで猶予期間の延長が認められる場合があります。
納付の方法
猶予期間内で各月に分割して納付します。なお、やむを得ない理由があると認められる場合はこの限りではありません。
猶予の取消
分割納付計画のとおり、納付がない等の場合は、猶予が取り消される場合があります。