2020(令和2)年第4回我孫子市議会定例会 市政一般報告
- 新型コロナウイルス感染症対策
- シティプロモーションの推進
- 手賀沼公園の魅力向上
- 生涯学習センターアビスタ駐車場の民間運営
- 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施
- 新生児の聴覚検査
- あびこエコ・プロジェクトの推進
- 新クリーンセンターの整備
- 水害対策
- 小中学校の教育環境の整備
- 平和事業
- 公共交通機関の利便性向上
- (仮称)千葉柏道路の整備
- 我孫子駅北口の西原隧道の改修
- 妻子原地先の市道24-003号線の改良
- 市制施行50周年記念事業
- マイナンバー制度の普及
- 行政改革の推進
- デジタル・ガバメントの推進
- 第四次総合計画の策定
新型コロナウイルス感染症対策
市では、新型コロナウイルス感染症への対策として、さまざまな事業を実施しています。
本日から、新型コロナの感染拡大や重症化を防止するため、65歳以上の市民のうち、市内の高齢者施設への新規入所が決定した方、年齢に関わらず呼吸機能障害者のうち1級と3級を取得されている方と腎臓機能障害者のうち1級と3級を取得されている方で、かつ透析を受けている方を対象に、PCR検査等に係る費用の一部助成を開始します。
この制度は、検査を希望する方に対し、PCR検査を受けた場合には上限20,000円までを、また、抗原定量検査を受けた場合には上限7,500円までを1回に限り助成するものです。
なお、関連経費については、今議会の補正予算に計上しています。
9月に、インフルエンザ流行に備えた体制整備における国の考え方や方向性などが示されました。この方向性等を踏まえ、千葉県では、インフルエンザ流行期に備えた発熱患者等の外来診療と検査体制、相談体制を整備するため、一定の要件を満たす医療機関を「発熱外来」として指定することとなりました。
そこで、市民の皆さんが、より身近な医療機関で受診できるよう、発熱外来に指定された市内の医療機関に対し、支援金を交付します。
なお、関連経費については、今議会の補正予算に計上しています。
事業継続支援金については、1月から7月までを対象月として実施した結果、274者に対し、4千150万円を交付しました。
さらに、8月から12月までを対象月とした支援金については、10月22日から申請の受け付けを開始しました。
申請の締め切りは、令和3年2月1日となりますので、必要な事業者の方々に確実に申請していただけるよう、積極的に情報発信を行っていきます。
保育園等において新型コロナの感染拡大防止を図るため、今後も、休園や家庭保育の要請に協力いただくことが想定されることから、迅速に保育料の日割り計算を行い、子育て世帯への経済的支援に対応できるよう、今年度中にシステムの改修を行います。
シティプロモーションの推進
チバテレビの朝の情報番組「シャキット!」で放送しているあびこナビでは、10月に鳥の博物館開館30周年の特別展示「日本の鳥」を紹介しました。
また、若い世代への移住・定住促進事業として、都内の約8,400のオフィスで17万部配布されている情報誌「シティリビング東京版」に広告を掲載しました。
広告では、カヌーやヨット、乗馬などリゾートのような体験ができる自然あふれる環境、東京駅から1時間圏内の主要駅との地価比較や都内までのアクセスの良さ、子育てのしやすさなど、住みやすさを前面に打ち出しました。
引き続き、我孫子ならではの魅力を市内外に発信していきます。
手賀沼公園の魅力向上
手賀沼公園の魅力向上と交流人口の拡大を目指すため、官民連携によるオープンカフェの設置に向けた取り組みを進めています。10月26日に公募指針を公示し、11月17日時点で2者から応募がありました。今後は、令和3年1月下旬に第2回の選定委員会を開催し、プロポーザルにより、事業者の選定を行う予定です。
また、木製の複合遊具の更新については、現在、遊具の製作に着手しており、令和3年3月末までに完了する予定です。
さらに、新型コロナの影響を受けている飲食店の販売機会の拡大を目的に、キッチンカーと露店の出店を、10月からモデル事業として実施しています。
現在、3事業者が登録しており、コーヒーや焼き菓子等を販売するキッチンカーが、日にちを限定して出店しています。
生涯学習センターアビスタ駐車場の民間運営
10月7日に事業者募集の公告をしましたが、参加資格等が厳しく、広く提案を受けることが困難であると判断し、募集を取り下げました。
選考委員会において募集要領や仕様書等を見直した上で、11月6日から改めて事業者を募集しており、令和3年度から、民間事業者による運営を開始する予定です。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施
高齢者の疾病や重症化の予防、生活機能の改善を目的とする事業について、令和3年度からの開始に向け、準備を進めています。
事業の内容は、国保データベースシステムを活用して、健康状態が不明な方の状況を把握し、必要に応じて、保健指導や医療の受診勧奨、介護サービス等の利用勧奨を行うほか、きらめきデイサービスなど高齢者の通いの場に医療専門職が出向き、健康栄養相談や健康教育等を行うものです。
そのため、高齢者の医療・介護データの分析に必要なシステムを導入するための整備を進めていきます。
なお、関連経費については、今議会の補正予算に計上しています。
新生児の聴覚検査
早期発見・早期療育を図るため、令和3年度より新生児の聴覚検査費用の一部を助成するための準備を進めています。生後50日以内の子どもを対象とし、県内統一で検査が受けられる体制を整えています。今後は、既に、母子健康手帳を交付している妊婦のうち、令和3年4月1日以降に出産を予定している方に対し、助成が受けられるよう受診票を郵送し、事業の周知を図っていきます。
なお、関連経費については、今議会の補正予算に計上しています。
あびこエコ・プロジェクトの推進
「あびこエコ・プロジェクト4」では、令和2年度までに、市の事務事業に伴う温室効果ガス排出量を、基準年度の平成26年度比で4%削減する目標を定めています。しかし、令和元年度の総排出量は、基準年度に比べて1.5%増加しています。要因としては、平成27年から28年にかけて全小中学校にエアコンを設置したこと、施設の老朽化によるクリーンセンターでの焼却炉の稼働時間が増加していることなどが挙げられます。全体の約7割を占めるごみの焼却に伴う排出量は2.4%増加、電気・燃料・公用車の使用に伴う排出量は0.5%の削減となりました。
また、現在、令和3年度から7年度までを計画期間とする「あびこエコ・プロジェクト5」の策定を進めています。11月16日に実施したエコプロ推進本部会議において、市の事務事業から排出される温室効果ガス排出量の削減目標を、平成30年度比で、電気・燃料・公用車の使用に伴う排出量は17%、ごみの焼却・し尿処理に伴う排出量は4%、全体で9%削減とすることを決定しました。
今後も、より一層の温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、環境負荷の低減を推進していきます。
新クリーンセンターの整備
7月4日から実施している土壌汚染対策工事は順調に進捗し、12月中に完了する予定です。工事完了後は、千葉県へ土壌汚染対策の完了に伴う申請書を提出し、令和3年3月中に手続きが完了する見込みです。
なお、汚染区域に指定されていない区域については、令和3年2月中旬から新廃棄物処理施設の建設工事に着手する予定です。
また、建設工事においては、新型コロナによる製造工程への影響も考慮し、確実に工期内に完成するよう、プラント機器の製作を前倒しすることとしたことから、整備までの間、事業者に保管してもらうための費用が必要となります。
そのため、今議会の補正予算に継続費の変更を計上した上で、3月議会で変更契約の議案を提出する予定です。
水害対策
布佐排水区では、現在、県道千葉竜ケ崎線の横断部で雨水幹線整備工事を進めており、12月末に完了する予定です。引き続き、令和3年1月から3工区の雨水幹線整備工事を進めていきます。
天王台6丁目地区では、舗装復旧工事が令和3年1月中に完了する予定です。
若松地区では、9月末に第3排水区4工区の工事が完了しました。引き続き、第4排水区の雨水管布設工事を進めていきます。また、若松第1樋管と第2樋管の管理橋設置工事については、県の湖岸堤整備との調整を図りながら進めていきます。
水害対策には、多大な予算と長い年月が必要です。今後も、国の交付金を活用しながら、浸水対策事業を着実に進め、水害に強いまちづくりを進めていきます。
小中学校の教育環境の整備
昨年度策定した「我孫子市学校施設個別施設計画」では、本市における学校の適正規模を示し、全学年で単学級が予想される場合、地域における学校のあり方を速やかに検討することとしています。
現在、布佐地区の2つの小学校が、この状況に合致していることから、布佐地区において、12月から保護者と地域住民を対象としたアンケートを実施します。
アンケートで得られたご意見を踏まえ、布佐中学校区において、最適な教育環境となるよう、一体型の小中一貫校の整備も含めた学校施設のあり方を検討していきます。
ICT教育については、児童生徒の学びを保障するために、国が推進する「GIGAスクール構想」に基づき、計画的にICT環境を整えています。
現在、タブレット型端末の購入をはじめ、高速大容量通信ネットワークや電源キャビネット等を整備しています。1月からは、GIGAスクールサポーターを活用してのマニュアル作成などを進めていきます。
今後は、学習支援ソフトと特別支援教育ソフトを導入していくほか、来年度以降の本格的なICT教育に先立ち、12月中に納品されるタブレット型端末を活用した授業を、3学期、試験的に実施します。
さらに、学校の図書室の蔵書を管理するためのシステムを導入します。
システムの導入により、図書の検索が可能となり、児童生徒が読みたい本をすぐに手に取れるようになるほか、約20万冊ある市内全小中学校の図書の情報を共有して活用することが可能となります。
なお、関連経費は、今議会の補正予算に計上しています。
平和事業
拡大版平和事業推進市民会議では、戦後75年事業として、我孫子市原爆被爆者の会の「平和の記念碑」建立までの尽力や平和祈念式典開催などの歩みを振り返るとともに、戦後60年、65年、70年の節目の年に作成した記念誌に掲載されている寄稿文や広島平和記念資料館から借用したパネルの展示を、11月18日から25日に、市民プラザで開催しました。また、12月6日までは、けやきプラザで開催してます。
12月6日に開催する「平和の集い~我孫子から平和を願う~」では、8月10日から12日に広島に派遣された中学生9名が、スライドを交えながら、現地で見て・聞いて・感じたことを報告します。また、派遣中学生OGの高校生が、平和を願って作詞・作曲した歌を披露するほか、我孫子中学校演劇部が戦争と平和について考える劇「戦争を知らない子どもたち」を上演します。
このほか、例年、派遣中学生OB・OGが市内全小学校へ出向いて平和に関する講座を行う「リレー講座」は、新型コロナの影響で希望する小学校のみで実施しています。9月から11月にかけて3校で実施しており、1月以降は2校で実施する予定です。
公共交通機関の利便性向上
我孫子駅構内エレベーターの整備と駅トイレ改修については、令和2年10月6日に工事施行に係る協定をJR東日本と締結しました。12月から本格的な工事に着手する予定です。
今回、整備されるエレベーターは、障がいのある方や高齢の方、ベビーカーを利用する子育て世代の方が利用しやすいよう、全ホームの改札に近い位置に設置します。また、多くの駅利用者がエスカレーターを利用していることから、工事中も継続してエスカレーターが利用できるよう配慮し、工事を進めていく予定です。
JR東日本からは、令和5年1月頃から、順次、供用を開始していくと聞いています。
なお、トイレの改修については、約1年を予定しています。段差解消等を図る全面改修となることから、現在のトイレを一時閉鎖し、仮設トイレを設置する予定です。
詳細な内容については、JR東日本と協力しながら、駅の構内や市のホームページ、広報でお知らせしていきます。工事期間中は、ご不便をおかけしますが、ご理解ご協力をお願いします。
(仮称)千葉柏道路の整備
(仮称)千葉柏道路について、国が主体となり、野田市から印西市に区間を限定した新たな検討会が、「千葉北西連絡道路検討会」として10月28日に設立されました。
検討会では、千葉県北西地域における交通状況や課題、ポテンシャルなどが国から説明されました。
また、千葉北西連絡道路について広く知っていただくために、我孫子市、柏市、印西市、野田市、千葉県が共同で、11月2日にシンポジウムを開催しました。
シンポジウムでは、国土交通省千葉国道事務所の坂井所長をお招きし、「千葉県北西部の道路交通状況について」と題して講演いただくとともに、「千葉県北西部の道路交通の課題と新たな道路に期待する効果」と題したパネルディスカッションを行い、私もパネリストとして参加しました。
今後も、さまざまな機会を通じて、千葉北西連絡道路の情報を広く発信していきます。
我孫子駅北口の西原隧道の改修
昨年の台風等で損傷した階段上部の屋根とカバーの修繕に9月から着手しましたが、カバーを外したところ、想定よりも鉄骨の腐食が著しく、補強等による修繕では安全な強度が確保できないと判断しました。
そこで、来年度の早い時期に新たな階段上部の屋根を設置できるよう、現在、設計業務を進めています。隧道を利用する皆さまには、ご不便をおかけしますが、ご理解ご協力をお願いします。
妻子原地先の市道24-003号線の改良
電柱の移設工事に伴い、NTT東日本との現地立ち合いを行ったところ、架空線の移設に加え、光ケーブルと地下埋設管の移設が必要となりました。
そこで、今年度は、移設に向けた検討を行うこととしました。引き続き、早期の工事着手を目指し、NTT東日本との協議を進めていきます。
市制施行50周年記念事業
12月23日の記念式典では、会場内の人数制限や入場時の検温、手指消毒など、新型コロナの感染拡大防止策を徹底するとともに、より多くの皆さんとお祝いできるよう、オンライン配信などを予定しています。
9月21日には、40年ぶりに小椋佳さんによる「あびこ市民の歌」の収録が、都内のスタジオで行われました。新たにアレンジされた「あびこ市民の歌」は、CDにして小中学校に配付し、昼休みなどに放送しています。
協賛事業では、オンライン配信によるジャパンバードフェスティバルや2020ネットであびこ子どもまつりなどが行われました。
また、我孫子手づくり散歩市による「第20回我孫子アートな散歩市 我孫子動物彫刻展 島田忠幸「プリニウスの動物たち」」が、10月1日からアビシルベや水の館など市内9か所で開催され、実物大のアルミ製の動物彫刻が飾られました。市役所本庁舎の1階にもゴリラの彫刻が飾られ、訪れた方に楽しんでいただいています。
マイナンバー制度の普及
マイナンバーカードについては、11月8日時点の交付人数は32,560人、普及率は24.6パーセントとなっています。
今後も、新規の申請が増えることが予想されるとともに、更新手続きも増えていることから、電話による問い合わせに対応するためのコールセンターを11月2日に設置しました。
さらに、来庁者の方をお待たせすることなく、安心してカードの受け取りができるよう、令和3年1月から、カードの交付と更新は予約制とします。
引き続き、令和4年1月から予定している住民票と印鑑証明書のコンビニ交付には、マイナンバーカードが必要であることを周知するとともに、月1回の休日開庁とタブレット端末を活用したオンライン申請のサポートなどを行い、普及率の向上に努めていきます。
行政改革の推進
事業仕分けでは、昨年度と同様に、第4次行政改革推進プランの改革項目と予算編成で課題となった事業を対象に、11月6日に開催した第3回行政改革推進委員会において、6事業を選定しました。
今年度は、新型コロナの影響により、例年より遅い12月5日に実施することから、市の方針を年度内に決定し、今後の事業執行と予算編成に反映していきます。
リスクマネジメントの推進では、10月1日、新たに行政管理室を設置しました。まずは、補助金申請事務における事務処理誤りを防止するため、各課における補助金の申請事務の状況を把握し、再発防止策について検討を行っています。
また、市職員と委託事業者によるメール誤送信の発生を踏まえ、個人情報等の取り扱いについて、市職員への周知徹底を図るとともに、業務委託や指定管理等を行っている事業者に対して、個人情報の取り扱いに関する注意喚起の通知を発送しました。
今後は、総務省が策定した「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン」を参考に、個別事例におけるリスクを検証し、対応策を検討していきます。
デジタル・ガバメントの推進
収納サービスの拡大を図るため、新たにインターネットを経由して口座振替の手続きができる「Web口座振替受付サービス」の導入に向けた準備を進めています。
利用が可能となるのは、市・県民税の普通徴収、国民健康保険税、学童保育料などの10項目です。
このサービスは、特定の金融機関の窓口へ出向くことなく、パソコンやスマートフォンなどから口座振替の申し込みができるサービスです。
また、統合型GISの導入に向けた準備を進めています。
導入当初は、道路台帳や都市計画図など、合計6課で7つの台帳から利用を開始し、段階的に全庁へ展開する予定です。
導入後は、情報を必要とする方が来庁することなく、さまざまな情報を入手することができるようになります。
さらに、効率的・効果的な行財政運営を推進していくにあたり、多様化する市民ニーズを的確に捉えるため、単純集計のみならず、分析機能を持つアンケートシステムを試験的に導入します。
まずは、市政に対する満足度を計るアンケートを実施した上で、回答数や分析結果を踏まえ、本格的な活用に向けた検討を行っていきます。
なお、これらの関連経費については、今議会の補正予算に計上しています。
第四次総合計画の策定
9月12日に総合計画審議会から答申をいただいた基本構想案については、9月16日から10月15日までパブリックコメントを行い、3名の方から6件のご意見をいただきました。いただいたご意見とご意見に対する市の考え方については、11月6日から市内の公共施設とホームページで公表しています。
パブリックコメントでいただいた意見を参考に、最終調整を行った上で、今議会に議案として上程しています。
現在は、基本構想案に基づき、令和4年度から9年度までの6年間を計画期間とする前期基本計画の策定作業を、庁内のワーキングチームが中心となって進めています。また、10月20日には、総合計画審議会の委員の皆さまと市内視察を行い、現場を見ながら忌憚のないご意見をいただきました。今後は、基本計画について、審議していただきます。
以上で、市政一般報告を終わりますが、各事業の推進に一層の努力をしていきますので、議員皆様のご理解とご協力をお願いします。