杉村楚人冠記念館 園内のご案内
園内の椿
杉、松のような針葉樹から、梅、桜と言った日本の代表的な花木まで、庭にいろいろな木を植えて楽しんでいた楚人冠。なかでも、楚人冠が愛したのは椿でした。濃い緑の葉の中に浮かぶ大輪の花。楚人冠も味わった風情を、どうぞお楽しみください。
椿の開花情報は、トップページの「邸園の今」からご覧ください。
園内の椿(2011年春撮影)
園内のみどころ
実際に園内をまわってみるつもりで、みどころをご案内します。
杉村楚人冠記念館は、母屋、茶室、澤の家、蔵の4棟からなっています。
これらの建築物は平成22年1月29日に我孫子市指定文化財となりました。
まずは入口からまっすぐ記念館に向かいましょう。右側に井戸を見て、記念館の玄関に来たら、屋根が銅板で葺かれているのに注目してください。地震対策を徹底するため、屋根が軽くなる銅板を使っているのです。ぜひ記念館の中も見てくださいね。
では玄関から、記念館を左に見ながら、緩やかな斜面を下りていきます。当時、この斜面には、我孫子で土産物に作られた埴輪が並べてあったと言います。母屋を左に見ながら茶室の正面にまわり込みます。
茶室の横を抜けて、今度は階段を下りていきます。下りたところに芭蕉が植えられています。この辺りには、別棟の浴場がありました。戦後取り壊されて、浴槽に入れる水を貯めてぬるめた貯水槽のみが残っています。朝寒い中、階段を下りて浴室に向かった楚人冠の様子を想像してみてください。
浴場跡から今度は池へ向かいます。この池は大正14(1924)年に作られたことがわかっています。ここではフナやコイを飼ったり、一時期は人から贈られたガチョウを放し飼いにしていたりしていました。
池の反対側、斜面の上にももう一つ四角い池があります。こちらは下の池よりも先に作られていました。この池の水は下の池に流されているほか、浴場にもひいて使われていました。ここでは金魚とメダカを飼っていましたが、金魚を狙ってカワセミがやってきてもいました。楚人冠にとってカワセミは金魚をさらっていく天敵だったようです。今でも、カワセミを見かけることがあります。
今度は左側に建物を見ながら斜面を上がっていきます。この建物は「澤の家」と呼ばれ、園内で最も古い建築物です。一家で転居したあとは、楚人冠の母親が住んでいました。記録した上で修復していますが、建築当初の姿に戻すため、資金を集めています。ぜひ我孫子市文化財保存基金にご協力ください。
澤の家の前で遊歩道がぐるっと角度を変えたら、左側の斜面の上を見てください。四角い石があるのがわかりますか?これは、この場所に安置されていた観音像の礎石に使われていた石です。観音像は、残念ながら戦後盗難にあって残っていませんが、母親思いの楚人冠が、澤の家で暮らしていた母から観音像がよく見える場所を選んだという位置関係が確認できます。
斜面を登ると、入口と記念館の玄関を結ぶ道に戻ります。季節によっていろんな表情を見せる楚人冠邸園へ、ぜひお越しください。
茶室のご案内
園内に残る別棟の茶室。楚人冠はこれを「清接庵」と名付けました。普段は建物の外観しかご覧いただけませんが、茶室を利用したイベントの開催を予定しております。
イベントを開催する場合は、イベント告知でご案内します。