2023(令和5)年第1回我孫子市議会定例会 施政方針
この施政方針は、2月22日の令和5年第1回市議会定例会の冒頭で市長が述べたものです。
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はじめに
令和5年第1回市議会定例会の開会にあたり、施政方針を申し上げる前に、職員の不祥事についてお詫び申し上げます。
1月26日に、行政管理課の職員が、暴行の疑いで逮捕されるという、あってはならない事件が起こりました。当該職員の処分については、懲戒審査会を経て厳正に対処します。今回の不祥事により、市政に対する市民の皆様の信頼を大きく損なうこととなり、深くお詫び申し上げます。
今後は、このような不祥事が二度と起こらぬよう、全職員で再発防止に取り組み、市民の皆様からの信頼を一日も早く回復できるよう全力を尽くしていきます。
それでは、令和5年度の施政方針を申し上げます。
1月の市長選挙において、市民の皆様からの信任をいただき、5期目を務めさせていただくこととなりました。4期目の公約においては、「元気と活力の推進」、「子育ての推進」、「安心と健康の推進」、「行財政改革の推進」を掲げ、私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という。)の影響が長引く中でも、着実にまちづくりを進めてきました。
引き続き、4期16年で培った経験と、育んできた人とのつながりを活かしながら、人口減少や少子高齢化、公共施設の老朽化などの課題に的確に対応し、我孫子市を持続可能な魅力あふれるまちにしていくため、市政運営に全力で取り組んでいきます。
市では、新型コロナの感染拡大により影響を受けている市民や事業者への支援、市民の生活を支え続ける医療機関、介護保険施設や障害福祉サービス事業所などに対し、様々な支援を積極的に行ってきました。
5月8日から、新型コロナの感染症法上の位置付けは、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることが決定されています。新型コロナワクチンの4月以降の接種については、専門家による検討が国で行われていますが、市としては、必要な接種を引き続き実施できるよう体制を確保していきます。
今後も引き続き、国の動向を注視しながら、感染拡大の防止、地域経済と市民生活を支える対策に取り組んでいきます。
令和5年度の予算編成にあたっては、長期に及ぶ新型コロナの影響、ウクライナ情勢に端を発したエネルギーや原材料等の価格高騰の影響を踏まえつつ、活力あるまちづくりと持続可能な財政運営の両立に努めました。
歳入では、市の歳入の根幹である市税収入について、個人市民税、固定資産税などで前年度に比べ増額となることを見込んでいます。また、地方交付税や臨時財政対策債について、国の地方財政対策などを参考に、的確に見込むとともに、国・県支出金のほか、財政規律を念頭に地方債の活用も図るなど、財源の確保に努めました。
歳出では、第四次総合計画に掲げる8つの基本目標及び施策推進のための横断的な取組の実現に向け、第1期実施計画に位置付けた事業を中心に、一般会計で153事業を採択しました。
政策的経費では、学校給食費の補助など子育てしやすいまちづくりに向けた取組のほか、治水事業や道路整備など市民が安心して快適に過ごせる環境づくり、公共施設の老朽化対策などを進めていきます。
また、国民健康保険事業特別会計の歳入不足への対応として、税率改定を前提に、一般会計から1億8,121万円を繰り出すほか、下水道事業の財政的基盤の強化や経営の効率化・安定化を目的に、8,000万円の出資金を計上しました。
これらの結果、令和5年度一般会計の予算規模は、令和4年度当初予算より43億5,000万円減の433億円となりました。
今後も厳しい財政状況が続くことが見込まれる中、少子高齢化や人口減少、公共施設の老朽化などの諸課題に対応するため、財源の確保と効率的かつ効果的な事業の実施に努め、持続可能な行財政運営を進めていきます。
基本目標1「誰もが安全に安心して暮らせるまちづくり」
市民の尊い生命と貴重な財産を守るため、災害に強く、犯罪の起こりにくいまちづくりを進めます。
例年実施している市の総合防災訓練に代えて、9月2日に、九都県市合同防災訓練(千葉県会場)を、千葉県との共催により、川村学園女子大学グラウンドなどを会場として実施します。九都県市合同防災訓練は、地震による被害を最小限に食い止めるため、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市、相模原市、千葉市、さいたま市の九都県市が、8月30日から9月5日の防災週間を考慮した適切な日に、各自治体において防災訓練を実施しているものです。
訓練は、関係機関による救出救助実動訓練やライフライン事業者による応急復旧訓練と共に、市民の皆様が防災について「見て」「体験して」「学べる」防災フェスタ等も開催の予定です。
この訓練の実施により、県民・市民の皆様の防災意識の高揚と防災関係機関の災害対策の充実強化を図り、災害に強い安全・安心なまちとなるよう努めていきます。
「排水区の整備」では、若松地区について、第4排水区に伴う舗装復旧工事や家屋補償業務を進めます。これにより、平成27年度の着工から9年にわたり進めている若松地区排水区のバイパス管整備が、令和5年度で完了することとなります。柴崎排水区は、JR常磐線横断部の実施設計業務を早期に発注するとともに、当初開削工法で予定していた3工区について推進工法に変更するための修正設計を行います。布佐排水区は、布佐駅東側地区の布佐北第1号幹線において、令和4年度からの2か年で予定している5工区の2年目と、令和5年度から始まる6工区の1年目の工事を実施します。市では、床上浸水が発生している地区を優先的に整備しており、地区の浸水軽減の効果が早期に発揮できるよう、浸水対策事業を着実に行い、水害に強いまちづくりを進めます。
排水施設の維持管理では、準用河川つくし野川の最下流に設置されている金谷排水機場について、機器や設備等の老朽化がみられることから、施設の確実な機能確保を図り未然に浸水被害を防止するため、令和5年度から令和7年度の3か年で修繕などを実施します。
(仮称)湖北消防署の整備については、令和8年度中の開所を目指して、令和5年度も引き続き設計業務を実施します。また、つくし野分署配置の水槽付き消防ポンプ自動車の更新整備を実施します。その他の消防施設や装備についても、老朽化や感染症に対応するための適切な改修・更新を行い、消防団を含めた災害対応体制の充実と消防力の強化を図ります。
基本目標2「誰もが健康で自分らしくともに暮らせるまちづくり」
あらゆる人たちが地域の中で、生涯を通じていきいきと幸せに暮らし続けることができるまちづくりを進めます。
平成27年度にスタートした、健康・食育・歯と口腔の健康づくりを一体的に推進する「第2次心も身体も健康プラン」は、令和6年度に計画の最終年度を迎えます。現状を把握する最終評価及び市民ニーズを反映した次期計画の策定を行うため、令和5年度は「健康についてのアンケート調査」を実施します。
高齢者への支援では、「我孫子市第8期介護保険事業計画」で整備予定の広域型特別養護老人ホームについて、社会福祉法人皐仁会が選定され、天王台地区に特別養護老人ホーム100床及び併設施設として短期入所施設20床が令和7年3月開設予定です。
令和6年度からスタートする「我孫子市第9期介護保険事業計画・第10次高齢者保健福祉計画」の策定については、第8期計画の評価・検証を行うとともに、現在分析を行っている「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」「在宅介護実態調査」「介護サービス事業者・従事者調査」などのアンケート結果を踏まえ、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、地域共生社会の構築に向けた包括的な支援体制の充実を図る計画としていきます。
湖北・湖北台地区高齢者なんでも相談室については、スタッフを増員し、湖北駅南口近くの以前お休み処として使用していた場所へ移転します。令和5年4月から改修工事を開始し、高齢者の相談スペースを十分確保したうえで、引き続き相談体制の強化を図っていきます。
市民の自主的な健康づくりの推進では、令和6年度からスタートする「第3期我孫子市国民健康保険データヘルス計画/第4期我孫子市特定健康診査等実施計画」を策定します。
これらの計画はいずれも、我孫子市国民健康保険被保険者の健康の保持・増進を図るもので、策定にあたっては、医療費分析の実施、分析結果に基づく課題の抽出、課題の解決を図るための保健事業の決定などを行い、市の実態に即した計画の策定を目指します。
生活介護対象者支援事業では、社会福祉事業基金に積み立てた寄付金を活用し、専門家による摂食嚥下の講習会、リハビリテーション技術向上に向けた講習会のほか、アニマルセラピー事業を令和5年度も引き続き実施し、障害児者への効果的な支援につなげていきます。
基本目標3「子どもと子育てにあたたかいまちづくり」
未来を担う子どもたちが健やかに成長できるよう、子どもと子育てにあたたかいまちづくりを進めます。
令和7年度からスタートする第五次子ども総合計画の策定に向け、子ども達や保護者へのアンケート調査を実施します。アンケート結果に基づき令和6年度に計画策定を行う予定です。
親と子の健康づくりの推進では、妊婦・子育て世帯が安心して出産・子育てできる環境の整備に向け、出産・すくすく子育て応援金給付事業を実施します。妊娠期から出産・子育てまで一貫して相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠や出生の届出を行った妊婦・子育て世帯等に対し、妊娠期に5万円、出産後に5万円を給付するものです。
給付金の対象となるのは、令和4年4月以降に妊娠の届出をした妊婦及び出生した児童を養育する方で、令和4年4月1日から令和4年12月31日までの対象者へは、手続き等のご案内を令和5年1月30日に発送しました。また、令和5年1月1日から1月31日までの対象者へ、同様のご案内を令和5年2月22日に発送する予定です。令和5年2月1日以降の対象者については、妊娠届出時や新生児訪問時などに対面での面談を行い、妊娠期には出産後の見通しや過ごし方、利用できるサービスなどの確認、出産後には育児の悩みや疲れに寄り添う相談支援を実施するとともに、出産・すくすく子育て応援金の給付手続きを行っていきます。相談支援の充実を図るため、子育て包括支援センターなど関係機関と連携を図りながら体制を整えていきます。
また、多胎の妊婦を対象に、健康診査費用を助成します。妊婦健康診査は、1人あたり14回を上限に、健康診査に係る費用の一部助成を行っていますが、多胎妊婦は、単胎妊婦よりも頻回に妊婦健康診査を受診することが推奨されているため、追加で受診する健康診査費用について、1回につき4,500円を上限に5回分の費用助成を行います。
さらに、不育症の治療や検査を受けている方の経済的負担を軽減するため、治療や検査に要した費用の二分の一で、治療期間につき1回、30万円を限度に助成します。
国民健康保険の出産育児一時金については、令和5年4月より、現行の42万円から50万円に引き上げます。
子ども医療費助成事業では、令和5年8月から、高校生相当年齢の所得制限を撤廃し、自己負担額を500円から300円に変更します。また、県と県内医療機関の環境が整い次第、現物給付が行えるよう、高校生相当年齢に対して受給券を発行します。さらに、0歳から高校生相当年齢までの医療費助成について、同一年月同一医療機関での入院11日以上、通院6回以上からは、自己負担額を0円とします。これにより、さらなる子育て世帯の経済的支援の充実を図ります。
未就学児の教育・保育環境の充実では、つくし野保育園園舎の老朽化対策として、外壁補修や屋上防水工事を実施します。
また、ICTを活用して見守り体制を充実させるため、つくし野保育園・寿保育園の保育室内に庁内LANケーブルの増設を行います。
学校給食費については、保護者の負担を増大させることなく物価高騰等による食材料費の増額に対応するため、令和4年度に引き続き、増額分を補助します。
また、市立小中学校に在籍する第3子以降の児童生徒の学校給食費無償化事業を引き続き実施するとともに、令和5年1月から子育て世帯への経済的負担軽減策として行っている、市立小中学校に在籍する第1子、第2子の児童生徒への学校給食費月額1,000円の支援についても、継続していきます。
小中学校施設については、我孫子市学校施設個別施設計画に基づき改修工事を進めていきます。
令和5年度は、我孫子第二小学校の屋上防水、外壁等改修工事を行います。また、我孫子中学校のトイレ改修工事については、令和4年度に実施した校舎東側の工事に続き、令和5年度は校舎西側の工事を行います。さらに、並木小学校及び湖北台西小学校で、屋上防水及び外壁の改修工事に向けた設計業務、我孫子第二小学校給食室排気フードの更新工事並びに我孫子中学校給食室屋上防水及び給排気ダクト更新工事に向けた設計業務を実施します。
放課後対策事業では、二小学童保育室の空調設備の出力が不足しており、昨今の猛暑や厳寒に対応する必要があることから、空調機更新に向けた設計を行います。
基本目標4「活力あふれにぎわいのあるまちづくり」
新たな価値や魅力が創造され、地域経済が持続的に発展するとともに、人がにぎわうまちづくりを進めます。
令和5年4月から施行する「我孫子市商業観光まちづくり大綱」について、令和5年度は、現状把握や今後の事業展開の基礎資料となる日常的に必要なお店の立地状況・満足度等の調査を行い、住民や商業者、学識経験者などで構成する我孫子市商業観光まちづくり委員会を組織し、事業のモニタリングや改良などの議論を行っていきます。
手賀沼花火大会については、実行委員会役員会において、4年ぶりに開催することを決定しました。8月5日の開催に向けて、皆様が安全に安心して楽しめるよう、関係団体と協議を進めながら準備していきます。
また、花火の打ち上げ費や警備費等で多額の費用がかかることから、募金や協賛金など、市民や市内事業者の皆様のご協力をお願いします。
レンタサイクル・ミニ鉄道運営事業では、令和4年度に引き続き、12月から3月の春休み前までの冬季の試験運営期間も含め、1年を通して土・日・祝日の運営を行います。実施後は、試験運営期間の利用状況の検証を行い、利用者の意見などを踏まえて、レンタサイクル・ミニ鉄道の運営期間や運営方法などを決定していきます。
農産物直売所アンテナショップ跡地活用では、活用事業者と定期的な打ち合わせを行ってきましたが、新型コロナによる影響やロシアのウクライナ侵攻、物価の高騰、資材等の納期が不透明であること、飲食業界の低迷など取り巻く環境は大変厳しい状況が続き、また、好転の兆しも見えないことから、辞退する旨の申出が1月15日にありました。
今後は、新たな活用事業者の選考に向けて、改めて跡地の活用の方法や条件などについて再検討を行っていきます。
柴崎地区産業用地整備では、排水に関する利根川上流河川事務所との協議に時間を要しており、当初の予定より遅延している状況となっています。
今後は、令和5年3月末までに利根川上流河川事務所との協議を整え、令和5年度内に用地測量・地質調査に着手するとともに、土地利用計画を作成し、令和6年度内の工事着手に向け、産業用地整備事業者である大日本土木・マーケットトラスト共同企業体と協力しながら事業を進めていきます。
公園坂通り活性化に向けた起業等支援事業では、Sugar cafe&sweets(シュガー カフェ&スイーツ)が、5月に飲食店を中心とした複合施設「ABISON Sugar Garden」(アビソン シュガー ガーデン)をオープンする予定です。窓辺のイートインスペースやウッドデッキのテラス席を設けるなど、居心地の良い空間を演出するほか、定期的にキッチンカーの出店やマルシェの開催も予定していますので、是非お越しください。
今回の「ABISON Sugar Garden」(アビソン シュガー ガーデン)のオープンを皮切りに、公園坂通りのにぎわいの創出を図るとともに、地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。
障害者の一般就労に関する相談・支援の実施では、4月から、障害者就労支援センターで、チャレンジドオフィスあびこを開設します。一般企業等で働く意欲があるものの、就労に結びつかない障害者を対象として一定期間市の非常勤職員として採用し、その職務経験を生かすことで一般就労に結び付けていくことを目的とします。令和5年度は3名を採用し、庁内各課の事務補助等を行います。
手賀沼遊歩道の再整備では、令和3年度末に策定した「我孫子市手賀沼遊歩道維持管理計画」に基づいて、令和4年度に引き続き、沿道の草刈と低木の剪定を行ったのちに、ツツジの褐斑病対策として木酢液散布による樹勢回復及び蔓延防止の効果を検証していきます。また、樹木の根による隆起や経年劣化した舗装の修繕を行い、適正な維持管理に取り組んでいきます。
手賀沼親水広場前の約200mの区間で、波による護岸の浸食が著しいため、利用者の安全確保と遊歩道の保全を目的として、計画的に護岸修繕工事を進めていきます。河川管理者である千葉県との事前協議による令和4年度の計画修正に伴い、令和5年度に工事の詳細設計を行い、令和6年度から工事を実施していきます。
基本目標5「快適で住み続けたくなるまちづくり」
子どもから高齢者まであらゆる世代が、快適に暮らせるまちづくりを進めます。
鉄道の輸送力と利便性向上では、3月18日に予定されているダイヤ改正において、首都圏各線区の輸送体系の見直しが行われます。
常磐線は、主に夕方以降の時間帯において、各列車間の待ち時間が過大とならないよう調整されたダイヤ変更となっています。
成田線については、首都圏内において他路線の輸送体系の見直しが行われる中、1日あたりの運転本数に変更はありません。現行の運転本数が確保されたことについては、これまでのJR東日本に対する要望活動の成果と捉えています。
今後も、鉄道の利便性向上に向け要望活動を継続していきます。
また、市制施行50周年記念事業として行った我孫子駅発車メロディが終了したことに伴い、我孫子駅南口エレベーターホール内に音声装置を設置し、発車メロディで使用した音源を放送することで、駅利用者の市及び常磐線への愛着とイメージアップにつなげます。
都市計画に関する総合調整では、公園坂通り沿道周辺地区について、「歩きたくなるみち」をコンセプトとしたシンボルロードの実現に向け、にぎわいにつながる建物の誘導や良好な景観形成など、市民とともに地区計画制度を活用したまちづくりを進めます。
千葉北西連絡道路については、令和4年11月に、国、県、関係市で構成する検討会において、基本方針が確認されました。引き続き、市の発展に寄与する道路の実現に向け、国への要望活動や市民の皆様への情報提供を行っていきます。
都市計画マスタープランに位置づけた産業拠点の一つ「柴崎地区」については、新たな産業用地の創出に向け、地区計画制度を活用した土地利用を誘導していきます。
住居に関する相談・支援では、住宅リフォーム補助金交付事業がスタートした平成23年4月から令和5年1月末時点の申請件数は、2,240件でした。このうち中古住宅の購入に伴う申請件数は、121件となり、多くの方に活用いただいています。
また、住宅をリフォームして永く住み続けることにより、空き家対策にもつながる事業となっています。
さらに、これまで補助金を活用された方が、工事に要した費用の総額は34億円を超え、市内事業者等の活性化にも寄与する事業となっています。
駅施設の整備では、湖北駅の自由通路において、施設の老朽化が進んでいるため、令和6年度の屋根修繕工事の実施に向けて、JR東日本と協議を進めていきます。
我孫子駅のホームエレベーターは、令和4年12月15日に8番線ホームで供用を開始しました。1番線・2番線ホームの供用開始は、令和5年2月24日となります。残りのホームについても、令和5年4月末までに供用開始できる予定とJR東日本からの報告を受けています。
また、我孫子駅・天王台駅のホームドアについて、天王台駅は令和5年度に、我孫子駅は令和6年度に、緩行線のホームにおいて整備工事をJR東日本が実施する予定で協議しています。
駅利用者の皆様には、ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
地域公共交通の維持確保と利便性向上では、市内東地区の活性化を図るためのシャトルバスの実証運行について、新型コロナの感染拡大状況や社会情勢を注視しつつ、既存路線バスの再編も視野に入れながら、引き続き実証運行を行うための準備を進めていきます。
道路の整備・改良では、下ヶ戸・中里線外1線終点部の交差点形状の検討を含めた詳細設計の修正業務を実施し、交通規制に係る千葉県警察との協議を整えたうえで地権者及び近隣自治会への説明会を行うと共に、残る事業用地の取得を進めます。
中峠・古戸の道路整備では、用地測量を実施し、用地の寄付を受けたうえで電柱の移設及び道路の拡幅工事を行います。
土谷津地区の道路整備では、工事の完了した第一工区において境界杭の設置や道路境界確定図を作成するとともに、第二工区の道路拡幅工事を行い、令和5年度末の全線開通を目指します。
下新木踏切道の改良では、拡幅が完了した下新木踏切の一部の用地について、JR東日本千葉支社と買収協議を進めるとともに、国道356号側に残る事業用地の早期取得に向けて、引き続き地権者と用地交渉を進めます。
布佐小学校入口交差点改良事業では、物件調査を実施したうえで地権者と用地交渉を行い、児童の安全な通学のための道路拡幅用地を取得し、支障となる電柱を移設します。
並木小学校の通学路となっている市道00-009号線の道路整備では、用地測量及び物件調査ののち地権者と用地交渉を行い、児童の安全な通学のための歩道用地を取得します。
公園坂通りの整備では、無電柱化の検討結果を基に住民や関係機関と整備方針について協議し、無電柱化計画の策定に向けて検討するとともに、「公園坂通り周辺地区まちづくり懇談会」において意見交換を実施しながら、警察と協議を行い、暫定的な道路整備を進めます。
我孫子市自転車活用推進計画では、計画の策定に向けた庁内調整及び検討を行います。
道路環境の維持では、我孫子駅北口駅前広場の街路灯について、LED化を進めていくほか、安全で快適に通行できる道路機能を確保するため、老朽化した市道4路線の舗装修繕工事及び道路擁壁の点検、公共基準点のうち2級基準点の座標変換と設置業務、北新田3号橋と7号橋の修繕工事などを行います。
公園の再整備では、市内外を問わず多くの方に利用いただいている利根川ゆうゆう公園のデイキャンプ広場について、令和5年度は、特に利用者の多いゴールデンウィークなどの期間に、夜間不正利用の対策として、簡易バリケードの設置や公園内のパトロールなどを行い、安全・安心に利用していただけるよう適正に管理していきます。
また、利根川ゆうゆう公園内の13基のトイレのうち11基が、経年劣化による故障で使用に支障が出ているため、令和5年度は5基の更新を実施し、残りの6基も令和6年度以降に計画的な更新を進めていきます。
下水道ストックマネジメント事業では、計画に基づき、汚水管渠の改築工事を進めています。令和5年度は、引き続き若松地区において、9月から改築工事を行っていく予定です。
総合地震対策事業では、次期の事業計画にあたる第IV期下水道総合地震対策計画を令和5年度中に策定します。
また、不明水対策事業では、対策工事が完了した久寺家1、2丁目地区の効果確認のための調査を6月から実施する予定です。
下水道管路の整備では、衛生的で快適な生活環境を確保するため、市街化区域内の公共下水道整備を計画的に進めており、下水道未普及地区における下ヶ戸西側地区、湖北駅北口地区及び久寺家地区で整備を行っています。
令和5年度も引き続き、湖北駅北口地区は5月から、下ヶ戸西側地区は7月から、久寺家地区は9月から、順次、工事を実施していく予定です。
基本目標6「人と自然が共生する環境にやさしいまちづくり」
手賀沼と利根川に抱かれた豊かな自然を大切にし、環境に配慮したまちづくりを進めます。
令和5年度からスタートする第二次環境基本計画は、従来の自然や生活環境の取組に加え、「カーボンニュートラルを実現するまちづくり」を基本目標の一つに掲げ、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入を推進していきます。また、同計画に包含する「我孫子市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」では、市域全体の温室効果ガスの削減を図っていきます。市の事務事業から排出される温室効果ガスの削減を目指す「あびこエコ・プロジェクト」とあわせ、カーボンニュートラルの実現に向けて取組を進めていきます。
緑豊かなまちづくりでは、緑の基本計画を令和5年3月中に改定します。計画案では、手賀沼沿い斜面林などの我孫子らしい緑を重視し拡大していくことや、市民や企業などの事業者、学校などとも連携して、緑のまちづくりをさらに進めることを目標に掲げています。
新クリーンセンターの整備運営では、4月1日からの本格稼働に向け準備を進めています。現在は試運転を実施しており、3月22日には竣工式を予定しています。
新しくなる施設の概要や施設見学の対応などについて、3月16日号の広報あびこで特集号として掲載し、市民の皆様に周知を図ります。4月1日号では竣工式の様子などをお知らせします。
また、新クリーンセンター建設期間中は、市民の皆様にはごみの持ち込みを予約制とさせていただきましたが、4月1日の稼働後は、以前と同様に自由に持ち込みいただけるようになります。
なお、東日本大震災以降、燃やせないごみとしていた落ち葉・雑草を可燃ごみとして週2回の収集に戻し、剪定枝木はこれまでどおり資源回収日に収集します。
令和5年度は、環境影響評価の事後調査として、新しい施設が稼働したことによる大気質の影響を調査します。
ごみ減量と資源化の推進では、今年度で終了する一般廃棄物対策基本計画と循環型社会形成推進地域計画について、令和5年度からの新たな計画を策定しました。令和5年度は、第二期工事として予定している資源化施設の整備に向け、建設用地となる旧焼却施設の解体設計を実施するとともに、土壌汚染対策法に基づき、当該用地の汚染状況を調査する必要があることから、地歴調査及び土壌汚染状況調査を実施します。
ごみ処理手数料を上乗せする指定ごみ袋の導入については、住民や事業者の意識改革につながるものの、財政的な効果については限定的であり、東葛飾地域で導入している自治体はないため、当面実施しないこととします。ただし、手数料を上乗せしない指定ごみ袋については、県内での導入事例も多く、ごみの排出量を抑制する効果や、統一することにより半透明袋の徹底や他自治体からの持ち込みも防げることから、資源化施設の整備に合わせて、周知期間を設けた導入について検討していきます。
基本目標7「人と文化を育むまちづくり」
誰もが生涯にわたって文化・芸術やスポーツなどに親しめるまちづくりを進めます。
文化交流拠点施設の整備検討では、令和4年5月に実施したeモニターアンケート及び今月実施している湖北地区公民館ホール利用団体からのアンケート結果を集約し、分析したうえで、文化団体や市民の皆様との意見交換を進め、必要な規模や機能などについて整理していきたいと考えています。
鳥の博物館の魅力向上では、市民団体「我孫子アートな散歩市企画委員会」が広く寄附を募って製作した鳥のモニュメントが市に寄贈されることになり、鳥の博物館前の手賀沼親水広場駐車場に設置する予定です。このモニュメントは、絶滅した巨大な鳥「ジャイアント・モア」を再現したもので、設置により、多くの皆様が鳥の博物館を訪れ、我孫子の魅力を知っていただけると期待しています。
スポーツの振興では、五本松運動広場について、サッカーやラグビーを中心とした屋外競技に利用可能なグラウンドを整備するため、基本計画を策定します。
基本目標8「誰もが自分らしく輝ける共生社会を目指したまちづくり」
地域に暮らすすべての人が、お互いを認め合い、誰もが自分らしく輝けるまちづくりを進めます。
将来を担う子どもたちに平和の大切さを継承してもらうために実施している中学生派遣事業では、これまでに延べ177名の中学生を被爆地である広島・長崎へ派遣してきました。令和4年は、8月5日から7日の3日間、市内6校の12名を、感染症対策に努めながら広島へ派遣し、平和記念式典へ3年ぶりに参列したほか、資料館の見学、被爆体験講話の聴講などを通して、平和の尊さを学びました。令和5年は8月に長崎へ市内中学校の代表者を派遣する予定です。
また、歴代の派遣ОB・OGが講師となり、現地で自身が学んだことを市内小学校の6年生を対象に授業を行う「リレー講座」については、新型コロナの影響により令和2年度、3年度は希望する学校のみの実施でしたが、令和4年度は全小学校で開催することができました。
戦後77年が経過し、戦争体験者や原爆の被害に遭われた方々が少なくなってきている中、平和の尊さを若い世代へしっかりと受け継いでいくために、引き続き、中学生派遣やリレー講座等について、平和を願う市民とともに事業を推進していきます。
施策推進のための横断的な取組
まちづくりの主役である市民とともに、誇りと愛着の持てるまちづくりを横断的に進めます。
シティプロモーションの推進では、本市の地価上昇率が昨年初めて県内3位となったことを、住宅地としての注目度が高まっている好機ととらえ、3月に移住PR紙「住み替えあびこナビ」を、市内外で配布します。
紙面では、住民1人当たりの公園面積が、東京23区の約4倍の広さであること、犯罪発生件数が県内の人口10万人以上の市で最も少ないことなど、安全・安心で子育てしやすいまちの魅力を紹介しています。
10月には、都心の約6,000オフィスで働く女性向けフリーペーパーに、移住者の声も交えた、本市の特徴がわかりやすい広告を掲載して、市内への住み替えをPRします。
市のイメージ向上と移住者の増加に向けては、市ふるさと大使のナイツ塙宣之さんが出演する毎週土曜日のTBSラジオ番組で、移住PRのCMを引き続き放送します。また、イベントなどあびこの旬な話題についても、番組内で新たに情報発信します。
このほか、テレビや映画の撮影を市内に誘致するフィルムコミッション事業では、令和4年度は話題のテレビドラマの撮影に市内の施設を複数活用いただくことができました。今後もロケ地としての認知度を高め、テレビや映画を通じて、市のPRや交流人口の拡大につなげていきます。
行政情報の発信では、市の情報を効果的に発信するため、令和4年度に続き、ふるさと大使の塙さんが市の取組などを紹介する広報動画を制作し、毎月1回、市公式ユーチューブで配信します。
令和5年度に制作する動画のうち、2回分はスタジオではなく市内の観光スポットで収録を行い、市の魅力のPRにつなげていきます。
また、ホームページのトップページをリニューアルし、市の最新の取組や魅力などに関する情報発信力を強化するとともに、利用者がより検索しやすい
ホームページにしていきます。
電子行政の推進では、3月1日から市民課と課税課、我孫子・天王台・湖北台及び新木行政サービスセンターで取り扱う各種証明書の発行手数料にクレジットカードや電子マネー、コード決済などのキャッシュレス決済が順次利用できるようになります。また、鳥の博物館の入館料と記念品等の支払いでも、同様にキャッシュレス決済が利用できるようになります。
令和5年度は、利用者がオンラインで「簡単に」「迷うことなく」行政手続きを行えるよう、「必要な手続きのガイド」や「対話形式による申請内容の入力」などの機能を有した申請システムを導入し、オンラインによる行政手続きの利便性向上を図ります。
さらに、職員が自ら、業務に合わせたアプリケーションを作成できるローコード・ノーコードツールを導入し、申請に係る業務のオンライン化だけではなく、全庁のあらゆる業務において、より一層の効率化を目指します。
ローコード・ノーコードツールについては、令和4年度に、その有効性について、庁内における調査・照会業務を中心に検証を行ってきました。その結果、様々な業務において有効であることが確認され、業務量調査をもとに試算すると、全庁で年間約7,100時間に相当する事務作業の削減が見込まれるとともに、使用する紙の大幅な抑制が期待できます。
今後、様々な業務での活用を進め、限られた時間の中でこれまで以上の成果を出す働き方への転換を図ります。
電子行政の維持・運営では、市庁舎や会議室の庁内ネットワークの一部に無線環境を導入します。庁内LANの無線化により、庁舎内であればどこでもパソコンが使えるモバイルワークを実現できることから、サテライトオフィスを含めた柔軟な働き方の推進や、ペーパーレスの会議・研修の浸透につなげます。
組織の見直しでは、デジタル関連施策をこれまで以上に全庁的に推進し、様々な分野におけるデジタル改革を戦略的に推進するため、デジタル戦略室を設置します。また、第四次総合計画を効果的に推進するため環境経済部を再編するとともに、交通政策に関する業務を一元的に担うため建設部に新たな課を設置します。
引き続き、社会情勢等の変化に柔軟に対応し、必要に応じた見直しを行っていきます。
ふるさと納税では、ここ数年寄附額は横ばいで推移していますが、市民の方がほかの市町村などにふるさと納税をすることにより、寄附金控除による市税収入が減少しています。
市への寄付額の拡大に向け、これまで以上に、我孫子市の特性を活かした返礼品の開発や新規開拓を進めるとともに、ポータルサイトへの返礼品情報掲載の工夫などを図り、より多くの方に我孫子市を応援していただけるよう取り組んでいきます。
効率的な市税の収納では、令和5年4月から、市税の納付方法に地方税共同機構による地方税統一QRコードを利用した納付方法を追加します。
利用可能な税目は、市県民税の普通徴収、固定資産税・都市計画税、軽自動車税の種別割、国民健康保険税です。
このQRコードが印刷された納付書であれば、全国の対応金融機関の窓口で市税の納付が可能となります。
また、地方税共同機構が運営する地方税お支払サイトでは、市税の納付書に印刷されているQRコードを読み取ることで、さまざまな支払方法が選択可能となり、24時間365日、いつでもどこでも支払いができるようになります。
今後も納税の利便性と徴収率の向上に努めていきます。
公共施設設備の管理運営では、老朽化対策として、西別館の受変電設備、換気設備の更新工事及び屋上防水等の改修工事、議会棟第一委員会室の改修工事を実施するほか、議会棟の空調、電灯設備等の更新工事及び屋根防水等改修工事に向けた設計を行います。
地域コミュニティ活性化の推進では、個別施設計画に基づき、近隣センターの老朽化した箇所を順次改修し、長寿命化を図っています。
令和5年度は、昨年、工事設計が完了した根戸近隣センター、天王台北近隣センター、布佐南近隣センターの換気設備更新工事と防災設備更新工事の設計、新木近隣センターの合併浄化槽改修工事の設計を実施します。
市民プラザについては、ホール・ギャラリー系統の空調設備等更新工事を実施します。
また、近隣センターこもれびについては、庭園内の樹木を安全に維持管理するため、昨年実施した樹木診断の結果に基づき、幹折れや倒木を防止するワイヤー支柱を設置します。
自治会への支援については、台田中央自治会や青山台自治会、下ヶ戸自治会の集会所の改修工事や中峠大和自治会の集会所新築工事への補助を行います。また、より一層安全安心な地域づくりを進めるため、過去に市が自治会へ譲渡した集会所について、アスベストの除却費用を補助対象としました。
さらに、自治会等がAEDを24時間誰でも使える状態で設置する際にかかる費用への補助を令和5年度から新たに行います。
その他事業
個人番号カード事務では、令和3年度に改定したマイナンバーカード交付円滑化計画に基づき、普及推進を図っています。引き続き、申請やマイナポイント付与のサポート、カードの利活用に関する情報の周知などを進めていきます。
総合窓口の運用業務では、1月31日に、本庁舎1階階段横におくやみコーナーを開設しました。複数の窓口にまたがる手続きをまとめて行うことで、ご遺族の負担を軽減しています。1月31日から2月9日までで8件の利用がありました。引き続き庁内で連携しながら進めるとともに、窓口やホームページ、チラシなどでおくやみコーナーの周知を図っていきます。
以上で、施政方針を終わります。関連する予算及び条例の制定・改正については、今議会に上程しています。厳しい財政状況が続く中でも、「住みたい」「住み続けたい」と思えるまちづくりを目指して取組を進めていきますので、議員の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。