手賀沼に対して、どのような水質浄化を行っていますか?
手賀沼に対して、どのような水質浄化を行っていますか?
かつては27年連続で全国ワースト1位の水質でしたが、下水道整備などのさまざまな浄化対策や流域住民の取り組み、平成12年度から本格稼動した北千葉導水事業などにより水質が改善され、平成13年度からはワースト1を脱却しました。
主な取り組みについてご紹介します。
国の取り組み
北千葉導水事業(国土交通省 利根川下流河川事務所)
手賀沼などの閉鎖性水域では、水の流れが停滞して自浄作用が低下したり、流入する窒素やリンなどの栄養塩類が蓄積して富栄養化が進行したりします。
国土交通省では、(1)首都圏の都市用水の確保、(2)手賀沼への浄化用水の注入、(3)手賀沼・坂川の湛水防除を目的に「北千葉導水事業」を行っています。このうち(2)については、毎秒最大10立方メートルの浄化用水が手賀沼に注入され、沼の水質改善が図られています。
千葉県の取り組み
ヘドロ浚渫事業(千葉県県土整備部河川環境課・東葛飾地域整備センター)
手賀沼の浄化対策として、昭和51年から平成17年度まで手賀沼上流部の大津・大堀川河口を中心に行っていた事業です。
手賀沼の底泥の多くは、自然流入する土砂、人の生活及び産業活動により流入した汚濁有機物質、沼内で発生した生物死骸などが沈殿し、蓄積したものです。
生活排水による汚濁の著しい大津川や大堀川の河口では、毎年多くの黒色汚泥(ヘドロ)が蓄積し、これが水質を悪化させる原因の一つになります。
そのため、ヘドロの浚渫(沼外へ取り出す)が行われました。
我孫子市の取り組み
(1)手賀沼水質情報提供事業
千葉県が実施している手賀沼中央地点の水質(COD※)の測定結果を、3ヶ月ごとに広報あびこ、市のホームページ、市内JR4駅(我孫子駅、天王台駅、湖北駅、布佐駅)、市役所本庁舎、水の館、アビスタ、手賀沼公園、行政サービスセンターを利用して情報提供しています。
※COD・・・化学的酸素要求量。海や湖沼の水の汚れの程度を示す指標です。
(2)公共下水道事業
河川や湖沼などの公共用水域の水質汚濁を防止するため、有効な方策として下水道の整備があります。
手賀沼の汚濁を防止するため、千葉県は「手賀沼流域下水道」の整備を進めており、我孫子市をはじめとする手賀沼流域7市では、これに接続するための「流域関連公共下水道」の整備を密接な関連をもって進めています。
我孫子市の「公共下水道」は、昭和44年に手賀沼が水質汚濁に係る環境基準区域に指定されたことをきっかけに、昭和45年に湖北台地区の汚水を湖北台下水処理場で単独処理することにはじまり、昭和47年から手賀沼流域下水道事業に併せ、流域関連公共下水道事業の整備に着手し、昭和56年より供用を開始しています。
それ以降、下水道整備地域を拡大させるとともに、供用開始区域内における各家庭の水洗化を促進するための取り組みを実施しています。
我孫子市下水道の詳しい内容は、下水道のページをご覧ください。
(3)合併処理浄化槽の普及
下水道未整備地域でのし尿処理施設の1つに合併処理浄化槽があります。
これは、し尿だけでなく、台所などから出る生活雑排水も一括処理できることから、施設の維持管理が適切であれば生活系排水対策として有効なものです。
我孫子市では、平成2年から下水道未整備地域を対象とした、一般家庭における合併処理浄化槽の補助制度を整備し、平成16年度からは「汚濁の主因となる窒素またはリン等の除去機能を有する高度処理型合併処理浄化槽」に限定変更し、補助するなど、生活系排水対策を推進しています。
浄化槽の設置や補助については、し尿くみ取りと浄化槽のページをご覧ください。
(4)手賀沼船上学習会
手賀沼浄化啓発事業の一環として、より多くの市民に手賀沼の現状を知ってもらうとともに、手賀沼の自然環境への関心を高めてもらうため、遊覧船を利用した船上学習会を実施しています。
(5)手賀沼ふれあい清掃
毎年12月第1日曜日に、市民参加型で手賀沼周辺の清掃を実施しています。
(6)パンフレット等の作成
手賀沼の浄化啓発用パンフレットや生き物を紹介するパンフレットを作成し、視察対応や船上学習、啓発イベントなどで配布しています。
生き物を紹介するパンフレットについては、「手賀沼に暮らす生き物」のページをご覧ください。