市町村等の除染実施に対する国費による措置に関して千葉県内9市で国に対し要望書を提出(平成24年2月17日)
放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域の指定を受けた千葉県内9市(松戸市、野田市、佐倉市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ヶ谷市、印西市、白井市)で2月17日に細野豪志環境大臣を訪問し、「放射性物質汚染対処特別措置法に基づく市町村等の除染実施に対する国費による措置に関する緊急要望」を提出しました。
要望書は次のとおりです。
【放射性物質汚染対処特別措置法に基づく市町村等の除染実施に対する国費による措置に関する緊急要望(全文)】
平成24年1月25日の環境省主催「市町村等の除染実施に対する補助金に係る市町村説明会」において示された、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき汚染状況重点調査地域で行われる除染に対する国の補助金措置案及び2月1日に改定版として示された補助金措置は、自治体の実施する一部の除染のみが国費措置の対象となるものであり、民有地の所有者等が行った除染に対する国費措置が含まれない等、早急かつ計画的な除染の推進を妨げかねないものでありました。
国費措置の対象を自治体が実施する事業のみに限定するということは、放射性物質汚染対処特別措置法第三十五条第三項の規定を損ねるものであり、自治体が除染できる範囲を結果的に狭めると同時に、除染を完了するまでの期間をいたずらに長引かせることになると思われます。
当該措置のままでは、地域住民と自治体の協働や地域住民間の連携による早急な放射線量低減は果たせず、各自治体の規模や財政力により除染範囲や方法を決定していかざるを得ないと危惧しております。
また、補助事業の対象を極めて限定的に策定された結果、地域の実情に応じて自治体が実施する除染事業の内容を大幅に規制し、実質上、計画の策定や除染事業が実施できない状況も懸念されており、大きな問題であると考えております。
つきましては、放射性物質汚染対処特別措置法に規定する「国は、原子力政策を推進してきたことに伴う社会的責任がある」ことに立ち返っていただき、各自治体が除染に関しての適切な役割を確実に果たすことができるよう下記の事項について、緊急的にかつ強く要望いたします。
記
1.民有地の所有者等が自主的に行う除染に対しては、国がその実施者に対して直接的に費用負担をする仕組みを検討する等、住民および自治体の手続きを簡素化し事務負担の軽減を図ること。
2.民有地の所有者等が行う除染に対して、自治体が補助金交付や関連資機材の貸与等を行う場合にも、この措置を補助の対象とし、国が全額負担すること。
3.地域の実情に応じて実施する公園や子ども関連施設以外の公共施設、戸建て住宅等の除染のうち、表土除去及び客土あるいは現場保管についても補助対象に含め、国が全額負担すること。
4.除染実施区域外であっても、雨どいの下や側溝汚泥などに放射性物質が集積し、指定廃棄物と同等の線量となる場合が想定されることから、地域の実情に応じて実施する局所的に放射線量の高い箇所の除染に要する費用も国が全額負担すること。
5.公共施設(学校、幼稚園、保育園等については私立を含む)のうち、学校等の子どもが長時間生活する施設については、除染実施計画に基づく除染実施時の放射線量が0.23マイクロシーベルト毎時未満であっても、事故後の放射線量が一度でも0.23マイクロシーベルト毎時以上を示していた場合は、その除染に要する費用も国が全額負担すること。
6.除染則や廃掃法など関係法令と、放射性物質汚染対処特別措置法の関係を徹底的に整理し、自治体が直面する具体的事例に対し、実効ある運用が図れるよう、規則等の調整や修正を行うこと。
7.国の補助金措置等の交付申請に当たっては、自治体の実情を十分に考慮し、その申請期間を十分に設けること。
8.除染により発生した土壌等の最終処分地を確定するなど、処分に至る具体的工程を今年度中に示すこと。
9.除染等により発生した特定一般廃棄物や特定産業廃棄物、その他の放射性物質を含むために処分が滞っている廃棄物等の処分が可能となるよう、具体的対応を実施すること。
10.仮置き場設置のための施設解体等費用についても補助対象経費とすること。