山田メユミさん講演会開催報告(令和元年6月30日開催)
山田メユミさん講演会「出会いも子育ても全てはチャンスに…ポジティブ思考で広がるキャリア」開催報告
令和元年6月30日(日曜日)午後1時30分から、アビスタ・ホールで、男女共同参画講演会を開催しました(参加者79人)。講師は我孫子市出身、株式会社アイスタイル取締役・山田メユミさんです。
理系女子の夢、「生活者中心の市場創造」の実現へ
山田さんは東京理科大学卒業後、化粧品メーカーに就職。仕事の傍ら趣味で「週刊コスメ通信」というメールマガジン配信を始めました。予想以上の反響に「生活者にとっても、企業にとっても役立つデータベースを」という構想が生まれました。それを実現しようと1999年、仲間とともに有限会社アイスタイルを創業し、共同代表となりました。
アイスタイルはその後、株式会社となり東京証券取引所市場第一部への上場を果たしました。創業当時資本金300万円、仲間3人で立ち上げた会社は、資本金35億6,000万円、グループ全体で従業員数1,000人超にまで成長。総合美容ポータルサイト「@cosme(以下、アットコスメ)」運営を中心に実店舗やプライベートブランド開発を手掛け、海外戦略も展開中のIT企業です。
アットコスメは、口コミ、写真、動画、ランキングなど様々な形で美容関連の情報を提供。オンラインショッピングができるECサイトも備えています。
「アットコスメは単なる口コミサイトではなくデータベースマーケティングのビジネスモデル」と胸を張る山田さん。約32万商品、口コミ投稿1,500万件、登録会員540万人に加えサイト閲覧者データから成る生活者視点のビッグデータです。「このデータ活用すれば、競合他社同士が共同で新たな市場を開拓することも可能になります」と化粧品メーカーにアピール。約1,000社との取引につなげてきました。
出会いも子育ても全てがチャンス
プライベートでは2児のママである山田さん。出産・子育ての経験を通して女性活躍支援を考えるようになりました。2016年、IS(アイエス)パートナーズをグループ企業として立ち上げ、流山市にサテライトオフィスを開設。「場所と時間とワークスタイル」の多様性を生かすための新たな試みです。
また、山田さんはアイスタイル取締役としての仕事の傍ら、さまざまな活動を続けています。個人的な活動は山田さんのアイデアの源です。複数の上場企業の社外取締役を務めていることについては「大企業経営から学ぶこと、ベンチャー企業の視点から提案できること、双方の強み弱みを改めて認識できる」チャンスと捉えているそうです。
半年間の社会人教育「東京大学エグゼクティブマネジメントプログラム」にもチャレンジしました。そこでは一生学び続ける「リカレント教育」の重要性を痛感し、働きながら学べる仕組みづくりにも取り組んでいます。行動的な山田さんは2017年、「しなやかな型破りが組織を変える」女性リーダーとして、「Forbes JAPANウーマンアワード2017」で個人グランプリを受賞しました。
ポジティブ思考で広がるキャリア
「こう話してくると、とても順風満帆のように見えるかもしれませんが」と山田さんは続けます。就職超氷河期の就活時代、転職、アイスタイル創業直後のITバブル崩壊…。「30代は苦しかったし、くやしい思いもした。その後も、会社のステージが変わっていくに連れて組織における自分の立場も変わっていく。走り続けることに対する苦しみがあった」。そんな時にある人から教えてもらった稲盛和夫さんの「6つの精進」を心の支えとしてきたのだそうです。
最後に山田さんは、ご自身がそれでも「走り続けるために心がけてきた5つのこと」を披露しました。
1.不安な時は何がその原因かとことん自問自答する…不安なまま放置せず、その原因を突き詰めてみよう。見えていなかったことが見えてきたり、状況を客観的に受け止めたりできる。
2.今やるべきことの優先順位をつける…つまり、全部やろうとしないで「今はやらないこと」を決める。例えば、子どもが小さいので夜の会合をやめてみたら、オンラインミーティングやランチミーティングなどのアイデアが浮かんできた。
3.決めたらとことんやってみる、必要な学びは走りながら…万全の体制で始められることはほとんどない。だから「やったことない」と躊躇しない。
4.良い仲間に囲まれるよう努力する…ひとりでなんでもやってしまうのは難しい。常日頃から助け合える仲間を作ることを心がける。
5.常に周囲に「感謝」を、おかげさまの心で…アイスタイルはモノを作っている人たちの代弁者に過ぎないと感じている。だからこそ、作っている人へのリスペクト(尊敬)を忘れない。
山田さんは、「人生100年時代、おそらくどこまでいってもゴールはないですが、いまここに居る感謝と『一日一生』の気持ちを胸に、これからも精進していきます」と締めくくりました。
テンポよい話しぶりで約1時間の講演はあっという間。続いての質問タイムも活発な質疑応答が交わされました。数字データや英語のビジネス用語が次々飛び出しましたが、決して難しくならず、先端ビジネスの世界に引き込まれるような講演会でした。
参加者のアンケートなど
アンケート回答者では30~40歳代が4割以上で、過去5年間では最高でした。また事前申込手段は、ネット経由が全体の6割超(47件)と過去最高。その多くが夜間・休日の申し込みであり、日中働いている人の関心度がうかがえました。
アンケートには講師と同じ働くママはもちろん、男女を問わず、さまざまな人々の共感の声が寄せられました。「考え方が自分に近くて、驚くとともにうれしく思った」部下を持つ立場の男性や、「もう一度働きたくなった」という子育て・離職中の女性からの感想がありました。
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