2018(平成30)年第2回我孫子市議会定例会 市政一般報告
この市政一般報告は、6月4日の平成30年第2回市議会定例会の冒頭で市長が述べたものです。
項目をクリックすると、該当の箇所をご覧いただけます。
- 若い世代の定住化と少子化対策
- 常磐線・成田線の利便性向上
- ふるさと納税の推進
- 手賀沼花火大会
- さくらプロジェクト
- 高野山新田エリアの活用
- 我孫子新田エリアの活用
- 企業が進出・操業しやすい環境づくり
- 低炭素設備の導入
- ファシリティマネジメントの推進
- 高齢者の生活支援
- 消防施設の整備に向けた取り組み
- 市民体育館テニスコートの整備
- 旧井上家住宅の保存と活用
- 学校職員の働き方改革
- 地方公会計の導入
- 行政改革の推進
- 新たな文化施設整備の検討
若い世代の定住化と少子化対策
はじめは、若い世代の定住化と少子化対策です。
あびこの魅力発信では、子育てしやすいまちをPRする内容を加え、新緑の手賀沼で楽しむ様子を描いたブックカバーとしおりを2年ぶりに作成しました。
今回は、ブックカバーとしおりに、市内で建設中の大型マンションの情報を掲載することで、広告収入を得る手法を取り入れました。今月1日から、都内と県内のほか、初めて埼玉県内の大型書店も加えた50店舗で配布しています。
また、市のキャッチフレーズ「物語の生まれるまち あびこ」を市内外にアピールするためのロゴマークを作成しました。ロゴマークは、手賀沼の水辺の青、自然の緑、そして我(われ)・孫(まご)・子(こ)の3世代が豊かにくらせるまちを表すデザインとなっており、ブックカバーへの掲載を皮切りに、さまざまなPR事業に活用していきます。
今後も、市の認知度の向上や交流人口の拡大に向けて、さまざまな情報発信を展開していきます。
また、テレビやラジオなど、数々の番組で大活躍されている我孫子市出身のお笑いコンビ「ナイツ」の塙宣之(はなわのぶゆき)さんを3人目のふるさと大使としてお迎えし、5月30日に任命式を行いました。今後は、ふるさと我孫子のPRに大いに貢献してくださるものと期待しています。
常磐線・成田線の利便性向上
次は、常磐線・成田線の利便性向上です。
成田線沿線の7自治体で構成する成田線活性化推進協議会では、JR東日本千葉支社とともに、4月7日から15日まで駅からハイキングを実施しました。
今年度は、「春うらら 柳田國男ゆかりの地 我孫子~利根の桜めぐり」と題して、布佐駅を出発し、利根町の史跡や名所を巡りながら散策するコースを設定しました。桜の開花時期は過ぎてしまったものの、9日間で約560人と昨年度を上回る参加となりました。
協議会では、このような沿線活性化事業に取り組むほか、3年後の我孫子成田間の成田線開業120周年を見据えた検討も進めていきます。
我孫子駅発着の臨時特急「踊り子号」は、7月下旬から9月30日まで運行されます。今年も8月中旬までの海水浴シーズンには、現地で観光を楽しめる時間が長くなるよう運行時間が早まり、我孫子駅発が7時16分、伊豆急下田駅着が10時41分となりました。伊豆方面にお出かけの際は、我孫子駅発着の踊り子号をぜひご利用ください。
なお、踊り子号の運行を機に実現した下田市との交流では、農産物直売所「あびこん」で下田産の干物や佃煮などを販売しているほか、今年も5月18日と19日に「黒船祭」に参加し、我孫子のふるさと産品や野菜・米などの販売を通して市のPRを行いました。今後も、引き続き両市の交流を深めていきたいと考えています。
ふるさと納税の推進
次は、ふるさと納税の推進です。
ふるさと納税の推進では、新たな財源の確保策として、今年度更新する、はしご付消防自動車の費用に係る約2億円に対して、目標金額を1千万円とし、クラウドファンディングを実施しています。5月16日から10月1日までインターネットを通じて受け付けています。
また、新たに、今月1日からインターネットを通じて2万円以上の寄附をいただいた市外の方を対象に、10月28日に開催される「手賀沼エコマラソンへの出走権」を先着50名に贈呈します。
今後も、さまざまな手法を積極的に取り入れ、財源の確保に努めていきます。
手賀沼花火大会
次は、手賀沼花火大会です。
今年も柏市と合同で、手賀沼花火大会を8月4日の土曜日に開催し、湖上で3会場から約13,500発の花火を打ち上げる予定です。
有料席の販売は、7月1日から開始します。また、昨年に引き続き、7月1日から20日までの間に、ふるさと納税としてインターネットを通じて3万円以上の寄附をいただいた市外の方を対象に、返礼品として「ふるさと産品セット付き 花火大会観覧席ペアチケット」を先着20組40名に贈呈します。この機会に、市外の方にも我孫子にお越しいただき、手賀沼花火大会と市の魅力を堪能していただきたいと思います。なお、花火大会は打ち上げや警備などで多額の経費がかかることから、4月下旬からイベントや街頭で募金の呼びかけを行っています。私も街頭に立ち、多くの人に協力を呼びかけていきますので、見応えのある花火大会となるようご協力をお願いします。
さくらプロジェクト
次は、さくらプロジェクトです。
さくらプロジェクトでは、ソメイヨシノの開花にあわせ、手賀沼親水広場近くの遊歩道約80mの桜並木を、3月27日から4月8日までの期間、日没から午後9時までライトアップを行いました。今年で3年目を迎えるライトアップは、市内外の方にも広く知られるところとなり、多くの方が水辺の夜桜を楽しみ、憩う機会となりました。ライトアップ期間中は、「あびこ桜おもてなしキャンペーン」として市内商業者が水の館付近に出店し、来場者へのおもてなしも展開しました。
高野山新田エリアの活用
次は、高野山新田エリアの活用です。
手賀沼親水広場「水の館」では、昨年6月のリニューアルオープン以降、3月末までの10か月間で約43万人の来館者を迎え、高野山新田地区での新たなにぎわいを創り出してきました。
3月には、水の館に隣接する高野山新田多目的広場の駐車場の整備が完了し、大型車7台を含む95台分の駐車スペースを新たに確保しました。
これにより、水の館や農産物直売所、手賀沼遊歩道、鳥の博物館などに訪れる方たちに利用していただくほか、さまざまなイベントで活用し、更なる交流人口の拡大を図っていきます。
農業拠点施設では、市と株式会社あびベジ、川村学園女子大学が連携し、農産物直売所「あびこん」で販売するお弁当の開発に取り組んでいます。
川村学園女子大学では、生活文化学科の3年生が授業の一環としてレシピを開発するほか、ポップやパッケージデザインの作成、消費者ニーズの聞き込み調査を行います。市とあびベジでは、旬の野菜などの情報提供や提案されたレシピの審査などを行い、今年の秋の販売を目指します。
我孫子新田エリアの活用
次は、我孫子新田エリアの活用です。
農産物直売所アンテナショップ跡地の活用では、よりよい土地活用の実現を目指し、民間事業者との直接の“対話”を通じて、活用のアイデアや市場性などを把握する「サウンディング型市場調査」を実施しています。
5月8日と9日に開催した現地説明会では、10事業者に対し、跡地の概要や立地を誘導したい観光施設等のイメージなどについて説明しました。
“対話”に参加する事業者の募集を4月16日から開始し、今月15日までエントリーを受け付けています。25日からは、事業者との“対話”を行い、事業者を公募するための条件設定などを検討していきます。秋には、“対話”の結果を公表し、事業者の公募や選考などを経て、年度内には事業者を決定していきたいと考えています。
企業が進出・操業しやすい環境づくり
次は、企業が進出・操業しやすい環境づくりです。
企業が進出・操業しやすい環境づくりでは、民間資本を活用した新たな産業用地創出の可能性を探ることを目的とし、29年9月から実施した「産業拠点検討調査」の報告書が完成しました。
工業系の調査対象地区3か所については、地盤の問題はなく、一団の土地を有していることで一定の評価が得られましたが、立地条件や道路アクセス、周辺環境への影響などもあることから、大規模な工業系土地利用には課題があるものの、中規模な工場などが利用できる可能性は残っているという結果となりました。
商業系の調査対象地区1か所については、一団の土地を有していることから、中小規模のスーパーやホームセンターなどの立地需要があるという評価が得られましたが、原則、市街化区域への編入が必要であることや農地転用など土地利用に関する法規制の課題があるという結果となりました。
今後は、この調査結果をもとに、立地需要が見込める業種や業態を探るとともに、より多くの企業への情報発信や情報収集に努めていきます。
低炭素設備の導入
次は、低炭素設備の導入です。
低炭素設備の導入では、稼働率が高く、老朽化により更新時期にある照明と空調設備を有している21施設において、低炭素設備の導入調査を行い、二酸化炭素の節減効果が高い設備を有する19施設を選定しました。今後は、選定した施設の更新工事を進めていくための準備を行い、電力の省力化や施設の利用環境の改善を図っていきます。
整備に際しては、国の補助金を活用し、複数の施設を一括改修することから、利用者の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
なお、関連費用は今議会の補正予算に計上しています。
ファシリティマネジメントの推進
次は、ファシリティマネジメントの推進です。
ファシリティマネジメントの推進では、一般財団法人 地域総合整備財団の研究モデル市町村として助成を受け、東洋大学監修のもと、「公共施設保全計画」を策定しました。
モデル事業として、効率的な保全方法や財政負担の軽減方法が評価され、「総合的に妥当であるとともに他の地方公共団体の範となる優れた点も認められる」との監修報告を受け、3月には全国に向けた報告会において、成果の発信も行いました。今後は、公共施設における改修工事等の必要性の判断や予算編成に活用していきます。
高齢者の生活支援
次は、高齢者の生活支援です。
高齢者の生活支援では、高齢者が日常生活で支援が必要となっても、住みなれた地域で安心してくらしていくことができるよう、地域で支え合う体制づくりを検討する場の設置と、生活支援コーディネーターの配置を進めています。
今年度は、5月25日に、1か所目として我孫子南地区の社会福祉協議会内に設置しました。
消防施設の整備に向けた取り組み
次は、消防施設の整備に向けた取り組みです。
消防施設の整備では、中里地区への消防署と訓練施設等の整備を進めています。これまで、住民の皆様からいただいた意見等を踏まえ、「湖北台地区公共施設の整備方針案」を策定しました。4月5日の全議員を対象とした勉強会、4月24日の地元住民説明会、4月26日の湖北台自治会連合会説明会、5月13日の湖北台地区の市政ふれあい懇談会において、イメージ図や配置図などをスクリーンに映しながら説明し、意見交換を行いました。今後は、いただいた意見を踏まえ、都市計画道路3・4・9号下ヶ戸・中里線外1線や若草幼稚園の整備等と調整し、今年の秋を目指して整備方針を策定していきます。
市民体育館テニスコートの整備
次は、市民体育館テニスコートの整備です。
テニスコートの整備では、利用者の少ない夏期に工事を実施することで、各種大会が開催される10月にはリニューアルオープンできるよう、準備を進めています。工事期間中は、利用者の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
旧井上家住宅の保存と活用
次は、旧井上家住宅の保存と活用です。
旧井上家住宅は、二番土蔵の保存整備工事が3年目を迎え、7月末の完了に向けて工事を行っています。また、今月2日には、左官職人が漆喰壁(しっくいかべ)の仕上げ作業を行っている様子を間近で見ることができる工事現場見学会を開催し、文化財建造物を保存する意義を知っていただく良い機会となりました。
また、新土蔵では、5月3日と4日に印西鉄道模型クラブとの共催事業として「旧井上家住宅 鉄道模型運転会」を開催しました。ゴールデンウィークということもあり、子ども連れの家族も多く、来場者は2日間で約420人となりました。今後も、さまざまなイベントを通して、旧井上家住宅の周知に努めていきます。
学校職員の働き方改革
次は、学校職員の働き方改革です。
更なる教育の質の向上を目指すうえで、教職員の業務改善は喫緊の課題となっています。これまでの取り組みにより、本市教職員の平均超過勤務時間数は、前年度比で減少しているものの、教職員が常に心身ともに健康で誇りとやりがいを持ち、子ども達と向き合えるよう、総合的な業務改善が求められています。
そこで、「我孫子市立小中学校職員の働き方改革推進プラン」を今年度中に策定します。策定にあたっては、保護者の代表や学校関係職員などで構成する「我孫子市立小中学校職員の働き方改革推進委員会」を設置し、本市の実情を踏まえた協議を行います。プランについては、「学校職員の意識改革」「業務の改善と削減」「学校を支える人員体制の整備」「部活動の負担軽減」の4つを取り組みの基本項目とし、実効性のあるものとしていきます。
なお、関連費用は今議会の補正予算に計上しています。
地方公会計の導入
次は、地方公会計の導入です。
地方公会計では、国からの要請に基づき、統一的な基準による平成28年度決算の財務書類を作成し、分析結果とともに報告書をまとめ、本日からホームページにおいて公表しています。
財務書類の作成にあわせて、固定資産台帳の整備を行っており、従来の決算書などでは把握できなかった土地、建物、工作物など資産の情報が明らかとなりました。また、複式簿記の導入により、現金支出を伴わない建物の減価償却費や各種引当金などの行政コストも把握できるようになりました。
今後は、財政運営に役立てるため、財務書類の活用方法を検討していきます。
行政改革の推進
次は、行政改革の推進です。
今年度から3か年を計画期間とする「第4次行政改革推進プラン」を策定しました。今回のプランでは、行政サービスの外部委託等の推進や財政マネジメントの強化など、6つの主要事項を推進します。今後は新たなプランのもと、民間における業務見直しの手法の研究・活用やICTを徹底的に活用した業務の標準化・効率化に努めるなど、更なる業務改革に取り組んでいきます。
新たな文化施設整備の検討
最後は、新たな文化施設整備の検討です。
30年3月末を目指し、策定を進めてきた文化交流拠点施設建設構想案は、29年9月議会での質疑も踏まえ、市庁舎との複合化の可能性を検討しています。さらに、他自治体からの更なる情報収集も含め、施設の機能や規模、財源などの再検討を行っていることから、今年の秋には、建設構想案策定に向けた中間報告を皆様にお示しし、ご意見がいただけるよう準備を進めていきます。
以上で、市政一般報告を終わりますが、各事業の推進に一層の努力をしていきますので、議員皆様のご理解ご協力をお願いします。