平成23(2011)年度地方交付税
普通交付税は、平成23年7月の当初算定及び12月の再算定の結果、平成22年度に比べて18.7パーセント増の25億5228万5千円となりました。普通交付税の増は、厚生費(4億3355万7千円増)や公債費(6642万5千円増)などの需要額の増加が主な要因です。需要額の中で特に増加率の大きかった厚生費は、社会福祉費及び保健衛生費の単位費用や測定単位の増などにより増加し、公債費は臨時財政対策債償還費の22年度債の増などにより増加しました。一方、臨時財政対策債への振替額は前年度に比べ10.1パーセントの減少となりましたが、需要総額としては前年度の額を3.3パーセント上回り、5億2552万9千円の増となりました。収入額は、前年度に比べ0.9パーセントの増加となりましたが、その主な要因は、市民税の所得割額が1億8483万9千円増加したことから、市民税が1.7パーセント増加したためです。
千葉市を除く県内35都市全体では、普通交付税決定額が13.4パーセント増加し、1160億3700万円となりました。一方で不交付団体となった団体は、合併算定替により交付されることとなった団体を含め、前年度の6団体から1団体減少して5団体となりました。
基準財政需要額で補足されなかった特別の財政需要に対して交付される特別交付税は、20.2パーセント増の2億1327万1千円の交付となりましたが、このうち、9020万5千円は、我孫子市が東日本大震災により災害救助法適用地域に指定されたことから交付されました。
また、東日本大震災を受け創設された震災復興特別交付税は、震災からの復旧復興に係る経費や福島第一原発事故による放射能対策経費について措置され、5億1316万4千円の交付となりました。
参考:普通交付税を算出するための需要額、収入額の前年度との比較表
需要
(単位:千円、パーセント)
費目 | 平成22年度 | 構成比 | 平成23年度 | 増減率 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
消防費 | 1,654,288 | 10.4 | 1,636,443 | △1.1 | 9.9 |
土木費 | 1,427,438 | 8.9 | 1,349,431 | △5.5 | 8.2 |
教育費 | 1,799,263 | 11.3 | 1,801,537 | 0.1 | 10.9 |
厚生費 | 6,887,086 | 43.1 | 7,320,643 | 6.3 | 44.4 |
産業経済費 | 292,354 | 1.8 | 288,815 | △1.2 | 1.7 |
総務費 | 1,414,464 | 8.9 | 1,354,706 | △4.2 | 8.2 |
地方再生対策費 | 148,420 | 0.9 | 113,791 | △23.3 | 0.7 |
雇用対策・地域資源活用推進費 | 212,210 | 1.3 | 129,595 | △38.9 | 0.8 |
小計 | 13,835,523 | 86.6 | 13,994,961 | 1.2 | 84.8 |
公債費 | 1,713,999 | 10.7 | 1,780,424 | 3.9 | 10.8 |
個別算定経費計 | 15,549,522 | 97.3 | 15,775,385 | 1.5 | 95.6 |
包括算定経費 | 2,835,105 | 17.8 | 2,891,771 | 2.0 | 17.5 |
臨時財政対策債振替相当額 | △2,407,862 | △15.1 | △2,164,862 | △10.1 | △13.1 |
計 | 15,976,765 | 100.0 | 16,502,294 | 3.3 | 100.0 |
収入
(単位:千円、パーセント)
費目 | 平成22年度 | 構成比 | 平成23年度 | 増減率 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
市民税 | 7,346,055 | 53.1 | 7,473,727 | 1.7 | 53.6 |
固定資産税 | 4,633,610 | 33.5 | 4,661,995 | 0.6 | 33.4 |
その他の税 | 406,261 | 2.9 | 406,221 | 0.0 | 2.9 |
交付金 | 904,687 | 6.6 | 899,424 | △0.6 | 6.4 |
譲与税 | 309,605 | 2.3 | 300,662 | △2.9 | 2.2 |
その他 | 225,511 | 1.6 | 207,980 | △7.8 | 1.5 |
計 | 13,825,729 | 100.0 | 13,950,009 | 0.9 | 100.0 |
総括
(単位:千円、パーセント)
費目 | 平成22年度 | 平成23年度 | 増減率 |
---|---|---|---|
基準財政需要額 (需要額計) ア |
15,976,765 | 16,502,294 | 3.3 |
基準財政収入額 (収入額計) イ |
13,825,729 | 13,950,009 | 0.9 |
錯誤等調整額 ウ | |||
交付基準額 エ:ア-イ+ウ | 2,151,036 | 2,552,285 | 18.7 |
交付調整額 オ | |||
交付決定額 カ:エ-オ | 2,151,036 | 2,552,285 | 18.7 |
臨時財政対策債発行可能額 キ |
2,407,862 | 2,164,862 | △10.1 |
公債費:借入金の元利償還金
交付金:行政上の必要性から交付される国県からの給付金
譲与税:国が代行徴収した地方税
交付税における用語解説
地方交付税とは、国税の一定割合を一定の基準で地方に再配分し、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するための交付金です。地方交付税には、普通交付税と特別交付税の2つがあります。普通交付税は、国の基準に基づいて下記のとおり算出します。
特別交付税は、普通交付税には反映できなかった災害等の具体的な事情を考慮して交付されます。
総括
普通交付税額を決定する算式
(基準財政需要額-基準財政収入額)=財源不足額(交付基準額)
基準財政需要額・・・標準的な水準における行政を行い、または施設を維持するために必要な財政需要を算定した額
基準財政収入額・・・徴収が見込まれる地方団体の標準的な収入の一定割合を算定した額
基準財政収入額=(標準的な地方税収入 × 100分の75 + 地方譲与税等)
※上記の算式により交付基準額が算出されます。しかし実際には、国が交付できる全国自治体の交付総額は、交付基準額の総額よりも不足することがあります。よって、両者の差額を均等に割り落とした額(交付調整額)と、交付基準額との差引により、交付決定額が算出されます。
臨時財政対策債発行可能額・・・需要額における「臨時財政対策債振替相当額」の全額を、地方債として発行するものです。
交付団体・・・基準財政需要額が基準財政収入額を上回り、財源が不足するため普通交付税が交付される地方公共団体です。
不交付団体・・・基準財政収入額が基準財政需要額を上回り、財源が不足しないため普通交付税が交付されない地方公共団体です。
需要
消防費・・・消防職員数・消防団員数等を基礎数値として算定しています。
土木費・・・道路や橋りょうの面積・幅員・延長、都市計画区域の人口、公園の面積、また、道路や公園、下水道等の地方債の額等を基礎数値として算定しています。
教育費・・・小学校や中学校の児童数・生徒数、学級数、学校数や小中学校の施設に係る地方債の額等を基礎数値として算定しています。
厚生費・・・生活保護受給者数、保育所の入所人員、診療所数、高齢者の人口等を基礎数値として算定しています。
産業経済費・・・農家戸数、田畑面積、産業別就業者数や、農業関係地方債の額等を基礎数値として算定しています。
総務費・・・世帯数、戸籍数、地域総合整備事業債等を基礎数値として算定しています。
地方再生対策費・・・人口と耕地及び林野面積を基礎数値として算定しています。
雇用対策・地域資源活用推進費・・・人口を基礎数値として算定しています。
公債費・・・公害防止事業債や、補正予算債、臨時財政対策債等上記費目で算入されない地方債額を基礎数値として算定しています。
包括算定経費・・・人口と面積を基礎数値として算定しています。
臨時財政対策債振替相当額について・・・基準財政需要額(振替前需要額)を一旦算定した後、国勢調査人口などをもとに臨時財政対策債発行可能額を算出し、振替前需要額から臨時財政対策債発行可能額を控除した額が最終的な基準財政需要額となります。
収入
市民税・・・市民税(個人均等割・法人均等割・所得割・法人税割)における標準的な税収入の一定割合において算定した額です。
固定資産税・・・固定資産税(土地・家屋・償却資産)における標準的な税収入の一定割合において算定した額です。
その他の税・・・軽自動車税、市町村たばこ税等における標準的な税収入の一定割合において算定した額です。
交付金・・・利子割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、自動車取得税交付金等における標準的な収入の一定割合において算定した額です。
譲与税・・・地方揮発油譲与税、自動車重量譲与税等における標準的な収入を算定した額です。
その他・・・交通安全対策特別交付金、児童手当及び子ども手当特例交付金、減収補てん特例交付金における標準的な収入を算定した額です。