2012(平成24)年第1回市議会定例会(3月議会)水道事業経営方針
平成24年度の水道事業の経営方針を申し上げます。
はじめに、経営の概況について申し上げます。
我孫子市の水需要は、契約件数は増加しているものの大口利用が減少していることから、給水収益は横ばい若しくは減少傾向にあります。23年度は更なる水需要の変化等が見られ給水収益は予算をやや下回ることになりますが、今まで行ってきた職員数の削減や業務執行の効率性の確保等により、黒字の決算となる見込みであります。
24年度は、第II期実施計画に基づく事業を着実に執行していくとともに、更なる経費の節減により、一層の経営基盤の強化を図り、健全な経営に努めていきます。また、大きな被害をもたらした東日本大震災の教訓から、浄水場の耐震化事業を優先して実施してまいります。
次に、平成24年度の主な取り組みについて申し上げます。
まず「安全で快適な水を供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。
第1は、配水管の拡張整備です。
地下水の水質悪化などの理由から、水道への切換えを要望している地区などに配水管を布設し、水道の普及に努めます。24年度は、延べ約1,100メートルの配水管拡張整備を予定しています。
第2は、水質管理の充実です。
水道水のより一層の安全性確保のため、3浄水場の配水残留塩素測定器の更新工事を行います。また、市内4か所に設置している連続自動水質監視装置を、新たに2か所増設し、水質監視の強化を図ります。
次は、「将来にわたり安定して供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。
第1は、水道施設の耐震化です。
地震などの災害時においても安定的な給水が確保できるよう、浄水場や経年劣化した配水管の耐震化を進めていきます。浄水場については、久寺家浄水場管理棟耐震補強工事と湖北台浄水場の容量8,300立方メートルの配水池耐震補強工事の実施設計を行います。また、配水管については、延べ約3,400メートルについて、耐震性に優れた水道管への布設替え工事を実施します。
第2は、耐震性貯水槽の設置への協力です。
災害時などの飲料水を確保するため、市が気象台記念公園内に整備する容量100立方メートルの耐震性貯水槽の設置工事について、技術的支援などを行っていきます。
第3は、取水井戸の保全です。
安定した揚水量を確保するため、湖北台2号井戸、3号井戸及び4号井戸の浚渫工事を行い、貴重な自己水源である井戸の保全に努めていきます。
第4は、管理棟の改修工事です。
妻子原浄水場は、竣工から30年以上が経ち、管理棟の一部外壁部分の劣化が著しいことから、当該部分等の改修工事を行います。
次は、「環境に配慮した水道」の実現に向けた取り組みです。
貴重な水資源の有効利用と経費の節減を図るため、23年度に引き続き、漏水率の高い給水管を約10,000件抽出して漏水調査を実施し、漏水箇所の早期修繕を行い有収率の向上に努めます。
次は、「お客さまに信頼される水道」の実現に向けた取り組みです。
第1は、経営基盤の強化です。
経営基盤強化への取り組みとして、業務執行の効率化を図り、職員を1名削減します。また、現在実施している浄水場設備運転及び維持管理業務の包括委託に、新たに浄水場の電気計装設備点検業務及び非常用発電機の保守業務を加え、更なる経費の節減に努めていきます。
第2は、資金運用です。
保有資金の運用については、資金管理基準に基づき、引き続き安全を第一にかつ有利な運用を図ることとし、適時、大口定期預金への組替えと預け入れを行いながら、満期となる国債の買換えを予定しています。
次は、原子力発電所事故による放射能対策です。
北千葉広域水道企業団の水道水中の放射性物質は、検出限界値1ベクレル毎キログラム以下で不検出の状況が続いていますが、今後も現在の検査体制のもと、引き続き放射性物質を測定し監視を続けることとしています。また、湖北台浄水場の地下水及び水道水からの放射性物質も、検出限界値1ベクレル毎キログラム以下で不検出の状況が続いていますが、今後も引き続き監視していきます。
最後に、北千葉広域水道企業団の経営概況と平成24年度の主な事業について申し上げます。
経営概況については、給水量の伸びに伴い給水収益の増収が見込まれることや、予定していた事業も順調に進められており、安定した経営状況となっております。
施設整備については、より安全で良質な水を供給するため、高度浄水処理施設建設工事が順調に進められており、予定どおり26年度に供用開始される見込みです。また、大地震等の緊急時に備え、バックアップ機能を強化するため、26年度から4か年事業として計画していた、容量53,400立方メートルの沼南調整池設置事業を2年早めて着手する予定です。
以上、平成24年度の水道事業の経営方針を申し上げましたが、議員の皆様の一層のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。