2013(平成25)年第1回市議会定例会(3月議会)施政方針
2月27日に、市議会定例会の冒頭で市長が述べた施政方針です。
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施政方針
重点プロジェクト1「手賀沼をはじめとする我孫子ならではの自然を大切にし、環境にやさしいくらしをはぐくむまちづくり」
重点プロジェクト2「我孫子の資源をいかし、豊かな地域を創りだす活力あるまちづくり」
重点プロジェクト4「若い世代に魅力ある、子育てしやすいまちづくり」
重点プロジェクト5「誰もが生涯をとおして、健康で自立した生活を安心しておくれるまちづくり」
平成25年第1回市議会定例会の開会にあたり、平成25年度の施政方針を申し上げます。
東日本大震災の発生から、間もなく2年がたとうとしています。この間、震災からの復興や放射能対策に全力で取り組んできました。今後も引き続き、市民の安全で安心なくらしの確保を最優先に、震災からの復興と放射能対策を確実に進めるとともに、公共施設の耐震化や水害対策など災害に強いまちづくりを進め、安全で安心なまちを築いていきます。
一方、市の人口は減少が続いており、高齢化も加速しています。税収の減少や地域における共同意識の希薄化など、市を取り巻く環境は厳しい状況にあります。今後も、市民の皆さんと力を合わせて、魅力ある活力あるまちづくりの取り組みを一層進めていきます。
活力あるまちづくりでは、住宅都市にふさわしい産業政策を推進するため、現在の商工観光課を改編し、新たに企業支援を所管する組織を設置して、産業や観光の振興体制を強化します。これにより、新たな企業立地や創業への支援、工場の集団化などの産業振興や、我孫子の資源をいかした魅力ある観光づくりの取り組みを確実に進め、地域経済の活性化につなげていきます。また、人口減少によってまちの活力が失われないよう、子育て支援をはじめとしたさまざまな定住化策の強化に取り組みます。
さらに、市民の力をまちづくりにいかし、地域の活力を高めていくため、引き続き、さまざまな市民活動への支援を進めていくとともに、それぞれの地域にあった豊かなコミュニティづくりに取り組みます。また、誰もが生涯をとおして健康でいきいきとくらせるよう、病気の早期発見や健康づくりへの支援を強化して、市民の健康寿命を延ばしていきます。
こうした取り組みを市民の皆さんとともに進めながら、誰もが誇りと愛着をもってくらせるまちづくりをめざします。
引き続き、議員の皆様の一層のご協力をお願い申し上げます。
25年度予算案では、一般会計の予算総額は、対前年度比で14億2千万円増の363億8千万円となりました。
当初の収支概算見通しでは、税などの自主財源の大幅な増額が見込めない中、少子高齢化の進展に伴う社会保障費の増加が見込まれることから、経常収支がマイナスとなる非常に厳しい予算編成となりました。
そのため、経常的経費では、事業仕分けや行政評価などと連携した事業内容の見直しや職員人件費の削減などにより、一層の歳出削減に取り組みました。
歳入については、震災復興特別交付税を含め地方交付税の増を見込むとともに、国・県支出金等の特定財源を的確に把握し、利用予定のない市有地の処分を見込むなど財源確保に努めました。
政策的な事業については、第二次基本計画・後期計画の5つの重点プロジェクトを中心に、震災からの復興や放射能対策を含め、163の事業を採択しました。
それでは、25年度に実施する主な事業について、まずは、東日本大震災からの復興、放射能対策、人口減少問題への対応の3つについて申し上げます。
はじめは、東日本大震災からの復興です。
市では、現在、我孫子市復興計画に掲げた「市民生活の再建」、「生活基盤施設の復旧」、「魅力ある住宅地への再生」、「災害に対応できる地域づくり」の4つの目標の実現に向けて、全力で取り組んでいます。25年度は、この復興事業を加速していきます。
液状化の被害が集中した布佐東部地区では、国の復興交付金を活用し、引き続き小規模住宅地区改良事業と市街地液状化対策事業の2つの基幹事業に取り組みます。
小規模住宅地区改良事業では、被災家屋を除却した土地の一部を活用して市営住宅を建設します。市営住宅は、2つの住宅を1棟とする連続住宅で、5棟10戸の建設を25年度中の入居をめざして進めていきます。
市街地液状化対策事業では、液状化対策検討委員会の意見を聴きながら、より具体的な検討を行います。宅地部分の液状化対策については、個人の負担が伴うことから、地域住民と具体的な調整を行います。
道路事業では、25年度中の完成を目途に、県道千葉竜ヶ崎線の約240メートルの区間で歩道の拡幅整備が行われます。整備主体は千葉県ですが、市営住宅の建設とも関連することから、相互に調整しながら進めていきます。
地域の特性をいかしたにぎわいづくりや地区の安全性の向上など、布佐東部地区のさらなる復興への取り組みについては、引き続き地域住民と話し合いを重ねながら、具体的な検討を行っていきます。
次は、放射能対策です。
4市1組合の放射性物質を含む焼却灰の一時保管施設への搬入について、千葉県は、昨年12月20日に突然、翌日の「12月21日から柏市、流山市、松戸市の焼却灰を一時保管施設に搬入する」旨の報道発表をしました。
この突然の決定は到底容認できるものではないことから、私は、その日のうちに県に抗議文を送るとともに、12月27日には、「搬入スケジュールや、県と搬入市との協定書などの提示」、「安全対策を含む確約書の締結に向けた協議」、「県と搬入3市、我孫子市、印西市による連絡調整会議の早期開催」の3点を求める要望書を県に提出しました。
翌28日には、搬入3市に出向いて搬入中止の要請をするとともに、搬入スケジュールや県との協定書の提示、運搬時における指定廃棄物ガイドラインの遵守などについて要望書を提出したところ、県からは、協定書の提示以外の要望事項に対しては、県と搬入3市、我孫子市、印西市で構成する連絡調整会議の中で検討する旨の回答がありました。
1回目の連絡調整会議は、2月18日に開催され、会議の中で、運搬や管理上の安全対策、近隣農家への風評被害に対する補償などについての確約書の提出を求めたところ、今後、県と確約書の内容について協議していくことになりました。また、同時に県から、2月15日までの焼却灰の搬入状況や放射性物質濃度などについて情報提供がありましたので、現在、市のホームページでお知らせしています。なお、県のホームページでは、3月から月2回の頻度で、搬入状況などの情報を公表していくとのことです。
搬入3市に対しては、今後、連絡調整会議とは別に協議する場を設けて、放射能濃度の低減努力や自区内処理の推進による焼却灰の搬入中止や削減を求めていきます。
国に対しては、昨年の11月9日に引き続き、1月29日に私と印西市の副市長、柏市長、流山市長、松戸市長の5人で環境省に出向いて、環境大臣あてに「国が27年4月から指定廃棄物の引受けが可能になるよう最終処分場を確保すること」を要望する緊急要望書を提出しました。
放射性物質が検出された手賀沼終末処理場の汚泥焼却灰については、引き続き、県や流域関係市と連携しながら、その保管状況の把握に努め、広く市民に情報提供していきます。
我孫子市の焼却灰については、剪定枝木や草などを分別収集し、放射能濃度を上げないよう調整しながら焼却処分を行っています。そのため、1キログラムあたりの放射能濃度は、2月8日現在で、主灰が527ベクレル、飛灰が2,071ベクレルと低い値で安定しています。なお、主灰と飛灰は、すべて委託により処理していますが、飛灰については保管施設がなく、その袋詰め作業を年間約5千万円で委託して行っていることから、25年度に新たに飛灰の搬出ラインと保管施設を整備します。
保育園や幼稚園、小中学校の除染については、昨年の9月末までにすべての施設で完了しています。
公園の除染は、24年度の除染工事で芝の剥ぎ取りを行った公園の復旧を含め、秋頃までにすべて完了させる予定です。また、引き続き3か月ごとにすべての公園の放射線量を測定し、結果を公園内に掲示するとともに、ホームページで公表していきます。
市道の除染は、保育園や幼稚園、小中学校の周辺、半径約300メートル以内にある通学路を優先して行ってきましたが、25年度はそれ以外の道路についても、自治会などの協力を得ながら、基準値を超える箇所の除染を行います。
子どもたちの利用する施設の除染では、青山台自治会の集会所用地のうち、子どもの遊び場として利用されている部分で、3月中に芝生を全面除去し、6月までに芝張りを完了させる予定です。また、市営住宅の栄団地と東我孫子A団地・B団地で、児童遊園の除染を行います。
住宅の除染では、妊婦や高校生相当までの子どものいる住宅で申請のあった1,286件の測定が、昨日26日までにすべて完了し、727件が除染の対象となりました。除染は、現在、妊婦や小学生以下の子どものいる住宅を優先して行っており、高校生相当までの子どものいる住宅については、3月中に着手します。さらに、4月から市内すべての住宅を対象に申請を受け付け、8月末には除染を完了させたいと考えています。
私立高校や大学の除染では、放射線量が基準値を超えている我孫子二階堂高等学校、中央学院大学、川村学園女子大学の3校の除染を9月末までに完了させる予定です。
引き続き、子どもたちの利用する施設を中心に放射線量の測定と結果の公表を行い、毎時0.23マイクロシーベルト以上の箇所が発見された場合には速やかに対応していきます。
手賀沼とその流入河川の放射性物質モニタリング調査では、これまで環境省が5回、千葉県が2回、水質と底質の測定を行いましたが、そのうち、環境省が手賀沼で行った5回目と県が行った2回目の結果については、まだ公表されていません。公表されている測定結果では、水質は、全地点で放射性ヨウ素と放射性セシウムは検出されていませんが、底質では、手賀沼の手賀沼中央と根戸下の2地点で、1キログラムあたり990~7,600ベクレルの放射性セシウムが検出され、流入河川の大津川上沼橋と大堀川北柏橋の2地点では、1キログラムあたり1万ベクレルを超える放射性セシウムが検出されています。
また、市では、手賀沼とその周辺環境への影響を把握するため、昨年9月から、手賀沼湖畔の14地点で空間放射線量を測定しています。これまで2回測定した結果、毎時0.05~0.27マイクロシーベルトであり、0.23マイクロシーベルトを超えた地点は、排水路流末である根戸幹線流末付近と原久保(はらくぼ)幹線流末付近の2か所でした。
25年度も手賀沼湖畔での放射線量測定を継続するとともに、国や県の水質と底質の測定結果を注視し、手賀沼を含む周辺環境への影響を把握していきます。
学校と保育園の給食の放射性物質検査については、引き続き、食材の事前検査を産地にも配慮して行うとともに、事後検査では、より精度の高いゲルマニウム半導体測定機器を使い、月1回委託により行います。
また、学校給食では、引き続き、給食1週間分をまとめてミキサーでかくはんして行う事後検査を行います。さらに、牛乳の検査を年3回、学期の給食開始前に委託して行うほか、新米やパン用小麦粉は、事前に納入業者で検査したものを使用していきます。
市内農産物については、露地栽培の「原木しいたけ」と「たけのこ」以外は基準値を超えるものはありませんが、引き続き国や県と連携し、放射性物質検査を行うとともに、結果を広報やホームページで公表し、市内農産物の安全・安心をPRしていきます。
市民が持ち込む食品等についても、検査を継続し、自家消費物で基準値を超えたものについては、ホームページなどで注意喚起を行っていきます。なお、昨年10月から、基準値を超えるおそれのあるものについては、国民生活センターでゲルマニウム半導体測定機器による精密測定が行えるようになったことから、1キログラムあたり50ベクレルを超える値が検出された食品等については申請者に案内をし、測定を希望される方には代理申請をしています。
ホールボディカウンタ測定費用の助成については、助成期間を1年延長するとともに、24年度に測定し放射性物質が検出された方で再度測定を希望される方には、再度助成を行います。これにより、市民の皆さんの内部被ばくに対する不安の軽減を図ります。
また、4月から小学校に入学する子どもを対象に、昨年秋に実施した就学時健康診断では、医師会の協力を得て、追加項目として甲状腺の視診と触診を実施しました。診断の結果、受診したすべての子どもに対して所見を認める報告はありませんでした。
さらに、25年度から、就学時健康診断に加えて、小中学校全学年の健康診断でも、甲状腺の視診と触診を実施します。診断時には、健康診断の前に保護者が記入する子どもの健康状態に関する調査票を活用し、必要に応じて医師から指導を受けられるようにしていきます。
市では、2月6日、復興大臣あてに、放射線による健康上の不安を抱えている子どもや被災者への支援を目的に定められた通称「子ども・被災者支援法」の対象地域に、汚染状況重点調査地域に指定されている我孫子市を含めることと、支援にかかる費用は国が全額負担することを求める要望書を提出しました。また、昨日の26日には、汚染状況重点調査地域に指定されている県内9市の連名で、同様の要望書を復興大臣あてに提出しました。
23年度の放射能対策に要した経費については、国、県、東京電力から支払われた補助金や賠償金を除いた残額の約4,300万円を、昨年6月に東京電力に対して賠償請求し、これまでにごみ処理や水道事業などに要した経費約1,880万円が支払われました。未払い金約2,420万円と24年度分の経費については、24年度分の放射能対策に要した経費に対する国、県の補助金が確定した後、速やかに東京電力に賠償請求していきます。
なお、放射能に対する市のこれまでの取り組みと今後の取り組みや、手賀沼終末処理場に保管されている焼却灰の保管状況などについて、市民の皆さんへの報告と意見交換を行うタウンミーティングを開催します。3月2日に近隣センターふさの風で、翌3日に我孫子北近隣センターで行います。
次は、人口減少問題への対応です。
我孫子市の人口は、23年4月から25年1月末までの1年10か月間で、約2,100人減少し、深刻な状況が続いています。
市では、これまで、若い世代の定住化を図るため、待機児童ゼロの堅持をはじめとした子育て支援策や住宅リフォーム支援策などのさまざまな施策を展開してきましたが、こうした施策やまちの魅力についてのPRが不足しています。そのため、情報発信力の強化に向けて、25年度は、市のホームページで、視覚に訴える写真や動画を活用して、市の定住化策やまちの魅力を発信する専用ページを作成します。専用ページについては、地域のミニコミ紙にPRを掲載するなどして周知を図ります。また、27年度からの運用開始をめざし、より検索や閲覧がしやすい新たなホームページ管理システムの導入に向けた検討を進めます。
住宅リフォーム支援策については、市内産業への活性化には一定の効果がありましたが、これまでの利用のすべては現に居住している住宅のリフォームとなっています。そのため、25年度は、子育て世代の利用に対する増額や、市外からの転入時や市の西側から東側への転居時に対する増額などの見直しを行うとともに、市外への効果的なPRを検討します。
さらに、人口減少の分析や、昨年11月から開始した転入・転出者に対するアンケート調査の分析を行い、2月に設置した若手職員などで構成する定住化策の検討プロジェクトチームを中心に、若い世代の定住化につながる効果的な定住化策を総合的に検討し、実施していきます。
次は、25年度に実施する主な事業について、5つの重点プロジェクトに沿って申し上げます。
重点プロジェクト1は、「手賀沼をはじめとする我孫子ならではの自然を大切にし、環境にやさしいくらしをはぐくむまちづくり」です。
我孫子市の住宅都市としての魅力を高めるためには、手賀沼をはじめとした我孫子ならではの貴重な自然を守り、育てていくことが欠かせません。首都圏にあって、豊かな自然に触れながら生活できる環境はまさに我孫子の魅力です。今後も、手賀沼の浄化や古利根沼の整備、谷津ミュージアムづくりなど、市民の皆さんと協力して、貴重な自然の保全・再生に取り組み、まちの魅力を高め、広く情報発信していきます。
また、地球温暖化や生態系の破壊などの環境問題が今、深刻な状況となっています。一方、原子力発電所の事故を契機に、地球環境やエネルギー問題に関する市民や事業者の意識が高まるとともに、これまでのくらしや事業のあり方を見直し、省エネルギーや自然エネルギーの活用などの取り組みが活発化しています。市では、こうした市民や事業者の取り組みをさらに促進するとともに、率先して温室効果ガスの削減に取り組んでいきます。
手賀沼の水質は、環境省の23年度の測定結果で、年平均COD値が1リットルあたり9.3ミリグラムと、全国の湖沼における水質改善度では9年連続ベストワンとなりましたが、水質汚濁度では、22年度のワースト5からワースト2となってしまいました。そのため、環境基準であるCOD値1リットルあたり5ミリグラムをめざし、「第6期手賀沼に係る湖沼水質保全計画」による浄化対策事業の確実な推進と、汚濁メカニズムの解明などの取り組みを強く県に求めていくとともに、市民や事業者へのさらなる啓発に努めます。
手賀沼の魅力をいかしたイベントとして全国に発信しているジャパンバードフェスティバルは、「人と鳥の共存をめざして」をテーマに、今年も11月に開催します。開催にあたっては、市民や事業者と連携をさらに強めるとともに、参加団体の拡大や内容の充実を図ります。
緑豊かなまちづくりを進めていくため、見直し後の基本構想や都市計画マスタープラン、環境基本計画との整合を図りながら、「緑の基本計画」の見直しを行います。見直しにあたっては、学識経験者や市民などで構成する組織を設置して検討を進めます。
地球温暖化対策では、市の地球温暖化対策実行計画「あびこエコ・プロジェクト3」に基づいて、さらに温室効果ガス総排出量の削減や環境負荷の低減を図るため、昨年10月に「我孫子市の公共施設における太陽光発電設備の導入の推進に関する基本方針」を定めました。今後、この基本方針に基づき、新築・建替え・大規模改修が予定されている施設や、導入効果の高い施設、災害時の防災拠点となる施設を中心に太陽光発電システムの導入を進め、市民への啓発や子どもたちの環境教育にもいかしていきます。なお、25年度は、体育館の耐震工事や大規模改造工事の設計を予定している根戸小学校、我孫子第二小学校、湖北台西小学校、新木小学校、久寺家中学校、湖北台中学校の6校の中で、太陽光発電システムの導入について検討していきます。
市民が行う太陽光発電システム設置への補助については、市民の皆さんの自然エネルギーに対する関心と期待の高まりを受け、24年度から従来の予算を大幅に増額して対応してきました。
25年度は、さらに予算を増額し、300件程度の補助を目標に、太陽光発電システムの普及に取り組むとともに、引き続き、余剰電力買取制度や国の補助制度についても積極的なPRを行います。
省エネルギー型照明の導入では、並木小学校、我孫子第三小学校、湖北台東小学校、布佐小学校、湖北中学校、白山中学校の6校の体育館で、耐震工事や大規模改造工事に併せて設置します。鳥の博物館では、講堂と展示室の照明をLEDに交換します。
こうした取り組みのほか、引き続き、市民の皆さんの理解と協力を得ながら、ごみの分別や生ごみの資源化などに努めるとともに、クールビズや緑のカーテン、空調の適正利用などの取り組みを強化し、地球環境への負荷の低減を図っていきます。
重点プロジェクト2は、「我孫子の資源をいかし、豊かな地域を創りだす活力あるまちづくり」です。
まちを持続的に発展させていくためには、まちの活力を高め、まちを元気にすることが必要です。そのため、手賀沼をはじめとする自然環境や歴史的・文化的遺産など、我孫子ならではの資源を最大限活用し、我孫子の魅力を高めて交流人口の拡大につなげていきます。
市民の力をいかしたまちづくりでは、引き続き、さまざまな分野での市民活動を支援するとともに、市民や団体と強い連携を図りながら、地域コミュニティの活性化に向けた取り組みを強化し、地域の活力を高めていきます。
さらに、新たな企業が進出しやすい環境づくりをはじめ、工場などの集団化や、観光振興計画の推進、地産地消を軸とした農業振興などに取り組み、市民がいきいきと働ける場の創出を図りながら、地域経済の活性化や税収の確保につなげていきます。
産業の振興では、新たな企業が進出しやすい環境づくりに向けて、関東近県1,000社の企業を対象に昨年実施したアンケート調査結果や、規模拡大や移転などを予定している企業に対するヒアリング結果を踏まえながら、立地企業の業種や業態、市の支援策など、市の企業立地に関する方針を策定します。
また、主に商業や観光振興の基礎資料として活用していくため、20年度に東京都市圏交通計画協議会が実施したパーソントリップ調査の結果分析を行います。我孫子市民が、どのような交通手段でどこに通勤・通学し、どこに買い物や観光などに行っているのか、また、我孫子市へは、どのような人がどこからどのような目的で来ているのかなどについて集計・解析します。
観光の振興では、3月中に、市の今後の観光戦略やアクションプランを明らかにした観光振興計画を策定します。25年度は、商業者や観光業者などで構成する観光振興推進委員会を立ち上げ、アクションプランの実現に向けた検討を行い、事業化に取り組みます。
震災の影響などから2年連続で開催を断念した手賀沼花火大会は、柏市と連携し「柏・我孫子花火大会in手賀沼」と銘打って、8月3日に開催する予定です。市民の皆さんにも募金に協力していただきながら、市内外の多くの方々に楽しんでもらえる花火大会にしていきます。
市の観光PRキャラクターとして「手賀沼のうなきちさん」が誕生しました。2月24日に開催したアビシルベまつりで、着ぐるみを御披露目したところ、多くの市民に囲まれて熱烈な歓迎を受けることができました。今後は、観光情報の発信やイベントなどで積極的に活用していくとともに、啓発グッズを作成し、市内外の皆さんに親しまれ、愛されるキャラクターとなるよう育てていきます。
インフォメーションセンター「アビシルベ」では、22年9月のオープン当初から運営を委託してきたあゆみの郷・都市建設公社が3月31日に解散するため、4月から指定管理者制度を導入して管理運営を行います。民間の新たな視点で、より魅力的・効果的に観光情報の受発信やイベントを行うとともに、我孫子市ふるさと産品の一部を販売する予定です。
あゆみの郷・都市建設公社に委託して運営している手賀沼周遊レンタサイクルとミニSLは、4月から我孫子市シルバー人材センターに委託して運営するとともに、利用者の増加をめざしてPRに努めます。
あやめまつりの開催などで市民に親しまれている水生植物園では、引き続き一部の区域であやめの栽培を行います。また、季節を楽しめる景観作物を栽培し、市民や来訪者の憩いの場として活用していきます。
魅力ある景観づくりでは、誇りと愛着を感じる街並みを形成し、観光資源としても活用していくため、地域で景観づくりを行っている市民団体と協働で、ハケの道の緑化修景について具体的な施策の検討を進めます。また、市民が気軽に取り組める景観づくりの事例を掲載した啓発用リーフレットや、あびバスルート周辺にある景観資源を紹介する「あびバス景観マップ」を作成します。
地域コミュニティ活性化の推進では、現在、地域コミュニティ活性化基本方針策定委員会が中心となって素案づくりを進めています。9月を目途に基本方針をまとめ、策定後は、フォーラムや地区別説明会を開催し、基本方針の周知を図るとともに、それぞれの地域に合った具体的な取り組みを進めて、地域コミュニティの活性化を図っていきます。
市民との協働によるまちづくりでは、道路を養子に見立て、市民や団体が道路を我が子のように愛情を持って面倒をみる我孫子市道路アダプトプログラム「A-RaP(エーラップ)」の受付けを2月16日から開始しました。25年度から、道路区域の除草や清掃、草花の植栽や管理などを行う市民や団体に用具の貸出しなどの支援を行い、市民の道路環境美化に対する意識の高揚を図ります。
市民プラザでは、市民がより利用しやすい施設となるよう、4月から開館時間をこれまでの午前10時から午前9時に早めるとともに、休館日を廃止し年中無休とします。また、市民サロンの壁面部分を展示スペースとして活用するため、天井部分にLEDスポットライトを設置します。
手賀沼沿い農地の保全と活用では、根戸新田地区、高野山新田・我孫子新田地区、岡発戸新田地区の3地区の農地は、農用地区域に設定されていますが、排水施設や農道などの基盤施設が未整備で、営農環境が悪い状況となっています。そのため、25年度は、排水対策の調査を行い、農地の改善策を検討するとともに、手賀沼農舞台の事業に取り組む方への支援を行いながら、農地の保全・活用を図るため新たな支援メニューを作成します。
今後予定している農業拠点施設の整備については、千葉県から打診されている「水の館」の移譲問題や、にぎわいや交流の拠点施設として整備していく新たな文化施設の整備との調整が必要になってきたことから、引き続き農産物直売所アンテナショップの検証を行い、25年度中に、立地場所を含めた整備の方向性をまとめる予定です。
あびこエコ農業の推進では、環境保全型農業の普及・促進を図るため、25年度は、専門職員の体制を整え、市が主体となって、化学合成農薬と化学肥料の使用を20パーセント以上減らした農産物の認証のしくみづくりに着手するとともに、栽培履歴作成の普及や農薬誤使用の防止に取り組みます。
重点プロジェクト3は、「みんなが安全にくらせるまちづくり」です。
私たちは、東日本大震災で得た教訓を忘れることなく、誰もが安全で安心してくらせるまちの実現に向けて、力を合わせていかなければなりません。そのため、引き続き、市民の皆さんと連携して、防災や防犯、危機管理、交通安全などの取り組みを進めるとともに、水害対策や公共施設の耐震化、消防・救急救助体制の充実など、市民の安全な生活環境づくりに取り組みます。
25年度は、東日本大震災で明らかになった課題を踏まえて、大規模災害時に職員が迅速に対応できるよう、災害時における各課の対応マニュアルを作成します。
また、大規模災害時においても、混乱することなく市の業務を行っていけるよう、継続すべき市の業務や、中断しても早期に再開する業務などを明らかにした業務継続計画を策定します。
さらに、災害時における要援護者に対してより効果的な支援を行うため、地域防災計画との整合を図りながら、18年に策定した「災害弱者対策行動計画」を見直します。
災害などの非常時への対応では、防災行政無線の老朽化やデジタル方式への移行に対応するため、25年度から3年間で、新設8局を含む子局78局の整備を行う予定です。25年度は、子局26局のデジタル化を行います。
また、非常時の生活用水を確保するため、避難所となる学校に防災井戸を整備します。これまで5校に整備済みで、25年度は、並木小学校と布佐小学校に整備する予定です。
さらに、非常時の飲料水を確保するため、電源が不要な移動式の浄水装置を1台購入します。この浄水装置で、プールの溜め水や湖沼の水などから1日に10トンの飲料水をつくることができます。
気象台記念公園では、市域東側地区の基幹的な防災倉庫を整備していくため、25年度に設計を行います。
災害時相互応援協定では、2月13日に茨城県つくば市と締結し、これにより、千葉県外の自治体との協力体制は、5市町と整いました。今後も関東の自治体を中心に、協定の締結を進めます。
また、災害時における市ホームページへのアクセス負荷の軽減や、市民への迅速で的確な情報提供を図るため、昨年12月に、ヤフー株式会社と災害情報発信に関する協定を結びました。これにより、災害時には、市のホームページがヤフージャパンのサイト上でも閲覧できるようになりました。また、サイト内に市の災害情報ブログを立ち上げるとともに、災害時には被害状況や必要な救援物資などのさまざまな情報を発信していきます。
危機管理体制の強化では、市内や近隣市町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された場合などに備えて、昨年11月に対応マニュアルを定めました。高病原性鳥インフルエンザは、まれに人に感染することもあることから、新型インフルエンザ対策とも連携して危機管理を行っていきます。
水害対策では、引き続き、布佐ポンプ場の築造工事を進め、25年度から2か年で機械・電気工事を行います。若松地区では、県が築造する湖岸堤との調整を図りながら樋管とポンプ場の整備を進め、我孫子駅北口地区では、調整池の築造に向け公共下水道事業の認可変更を行います。柴崎排水区では、堤外排水路の拡幅工事に着手するとともに、樋管の整備に向け公共下水道事業認可変更を行います。また、久寺家第1排水区では、雨水管の布設工事を、天王台6丁目地区では、貯留機能のある雨水管の布設工事を進めます。昨年から開始した上新木幹線の水路改修工事は、25年度で完了します。
公共施設の耐震化では、並木小学校、我孫子第三小学校、布佐小学校、白山中学校、湖北中学校の5校で体育館の耐震工事を行い、併せてトイレや外壁、省エネルギー型照明などの改修も行います。耐震工事が完了している湖北台東小学校の体育館では、トイレや外壁、省エネルギー型照明などの大規模改造工事を行います。
また、根戸小学校、我孫子第二小学校、新木小学校、久寺家中学校の4校の体育館では、耐震工事の設計を行います。耐震工事が完了している湖北台西小学校と湖北台中学校の体育館では、トイレや外壁、省エネルギー型照明などの大規模改造工事の設計を行います。
昨年8月から開始した緑保育園の耐震工事は、トイレの改修なども含めて、4月末までに完了する予定です。湖北台保育園の管理棟の耐震工事については、園舎全体の老朽化も進んでいることから、湖北台地区の公共施設整備の検討を進めていく中で、併せて検討を進めます。
エレベーターの安全対策では、福祉部門の利用者の多い西別館庁舎のエレベーターに、戸が開いたまま動かないようにする装置や、地震時に最寄りの階で止まれるようにする装置を設置し、一層の安全確保を図ります。
消防・救急体制の強化では、老朽化した高規格救急自動車1台と消防団車両3台を更新します。また、高齢者の増加等に伴い、今後も救急件数の増加が見込まれることから、人員確保も含め、救急体制の強化に向けた検討を進めます。
消防・救急無線の広域化では、これまで進めてきた県域単位の広域通信網や、市のデジタル移動局無線装置等の整備が完了し、4月から運用を開始します。これにより、広域的で安定した通信が可能になるとともに、無線のデジタル化により、通信時における情報の秘匿性が向上します。
交通安全対策では、近年、高齢ドライバーによる交通事故が増加していることから、我孫子警察署と連携し、3月から運転免許証の自主返納への支援を始めます。65歳以上の高齢者で自主返納した方には、本人確認書類として利用できる写真付き住民基本台帳カードを無料で交付します。
重点プロジェクト4は、「若い世代に魅力ある、子育てしやすいまちづくり」です。
高齢化が加速し、震災以降、人口減少が続く中、我孫子市が持続可能なまちとして発展していくためには、若い世代にずっと住み続けてもらえるよう、また、我孫子市に移り住んでもらえるようにすることが大変重要です。そのため、若い世代のニーズを的確に分析しながら、安心して子どもを産み育てられる環境づくりや、公共交通の利便性向上などに取り組み、若い世代に魅力あるまちづくりを進めていきます。
子ども総合計画は、26年度が計画の最終年度となるため、25年度から次期計画の策定作業を進めます。次期計画は、昨年8月に制定された子ども・子育て支援法に基づく「子ども・子育て支援事業計画」の役割を兼ねるものとします。策定にあたっては、教育や保育の関係者、子どもの保護者、公募の市民などで構成する組織を設置して検討を進めるとともに、子ども・子育て支援に関するニーズ調査を実施します。
近年、子どもが欲しいと望んでいても子宝に恵まれず、不妊治療を受ける夫婦が増加しています。しかし、不妊治療は医療保険の対象外で治療費が高額なことから、治療を諦めてしまう夫婦も少なくありません。そのため、4月から特定不妊治療費の助成を始めます。1回の治療につき5万円を限度に助成し、不妊に悩む夫婦の経済的負担の軽減を図ります。
保育園の待機児童ゼロの堅持では、保育需要の大きい天王台地区で、26年4月の開園をめざして、定員60人の新しい私立保育園を整備します。
保育園施設の充実では、4月末の完成を予定していた根戸保育園の地権者による園舎の建替えが、地権者の事情により10月末に完成する見込みとなりました。現在の園庭部分に建替えるため、3月から支障となる遊具や樹木などの撤去を始めます。また、老朽化した私立湖北保育園の大規模改修を支援します。
幼児教育への支援では、私立幼稚園に通う園児の保護者の経済的負担を軽減するため、これまで園児1人あたり年額1万8千円であった園児補助金を千円増額し、1万9千円を交付します。また、幼稚園の教育環境の向上を図るため、園舎などの修繕費用の一部を補助する制度を創設します。
学童保育室の充実では、入室希望者が増加している四小学童保育室を、学校敷地内に新築します。新しい保育室は、軽量鉄骨造りの2階建てで、26年3月の開室をめざします。広い保育スペースを確保し、現在の約2倍、154人の受入れが可能となります。
子どもの居場所づくりでは、6月に、市内5校目となるあびっ子クラブを湖北台東小学校で開設します。地域の方々と連携しながら、子どもたちが安全に過ごせる場所としていきます。6校目となるあびっ子クラブについては、保護者や学校の要望、地域性などを考慮しながら検討を進めます。
地域における子育て力の向上を図るため、22年度から子育て家庭を支援する子育てサポーターの養成講座を実施し、これまで64人の市民が市の認定資格を取得しています。25年度は、新たに子育てサポーターによる家庭訪問を実施し、情報提供や相談対応を行って、子育て家庭を支援します。
こども発達センターでは、昨年4月の児童福祉法の改正に伴い、心身の発達に支援が必要な子どもに対する相談支援や通所支援などのサービスを提供していけるよう、現在の敷地内に新たな施設の整備を進めていきます。25年度に設計を行い、26年度中の完成をめざします。また、支援が必要な子どもや保護者の相談に適切に対応するため、こども発達センター内に相談支援窓口を設置し、相談支援専門員を新たに2名配置します。
常磐線・成田線の利便性向上の取り組みでは、引き続き、常磐線特別快速の我孫子駅への停車をJR東日本に対して強く求めていきます。さらに、常磐線については、松戸市や柏市、取手市と連携しながら、快速電車の増発や、26年度中に予定されている東京駅乗り入れと東海道線との相互直通運転が確実に実現されるよう働きかけるとともに、1本でも多く東京駅に乗り入れられるよう要望していきます。成田線についても引き続き、沿線自治体と連携して、増発の実現を強く働きかけていきます。
あびバスについては、地域公共交通総合連携計画に基づき、新木ルートと布施ルートの見直しを進めるとともに、全てのルートについて運賃の見直しを検討していきます。根戸ルートの実証運行については、25年度も引き続き実施し、本格運行に移行できるかどうか検討します。
平和事業では、戦後67年が経過し、戦争を体験した方が少なくなる中で、次の世代に着実に平和の大切さや戦争の悲惨さを継承していきます。そのため、25年度から、中学生の広島市や長崎市への派遣人数を6人から12人に増やし、より多くの中学生に被爆の実態や平和の大切さについて学んでもらいます。また、原爆被爆者の会や平和事業推進市民会議と連携し、我孫子市平和祈念式典を開催するなど、市民とともに平和の尊さを考えていきます。
重点プロジェクト5は、「誰もが生涯をとおして、健康で自立した生活を安心しておくれるまちづくり」です。
核家族化の進展や価値観の多様化などに伴い、地域でのつながりや支えあいなど共助の機能が低下する中、誰もが住みなれた地域で家族や地域の人たちと関わりを持ちながら、心身ともに健康にくらしていくことを望んでいます。そのため、すべての市民が生涯をとおして健康でいきいきとくらせるよう、病気の早期発見や早期治療につながる取り組みを積極的に進めるとともに、一人ひとりの自主的な健康づくりを促進し、市民の健康寿命を延ばしていきます。また、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが住みなれた地域の中で、自立し安心してくらせる環境づくりを進めます。
健康寿命を延ばす取り組みでは、健康寿命延伸プロジェクトチームからの提案を踏まえ、要介護状態の原因疾患として上位に挙げられる脳血管疾患や認知症の早期発見に向けて、25年度から、40歳以上の5歳刻み年齢の方を対象に、脳ドックに対する1万円の助成を始めるとともに、頸動脈エコーを実施します。頸動脈エコーは、頸動脈の硬化状態を調べる検査で、これを特定健診と長寿健診に追加して行います。
健康寿命の延伸に効果的な歯と口腔の健康づくりでは、昨年6月に定めた「歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づき、2月19日に基本計画を策定しました。25年度は、基本計画に位置づけた事業のうち、幼児が歯の質を強くするフッ化物でうがいをする事業や、5歳児健康診査に同伴する保護者にも歯科健診を行う事業を実施していきます。
がん検診の推進では、検診の受診率が国の目標値を大きく下回っていることから、25年度は、未受診者に対して受診勧奨通知を送付するとともに、受診しない理由についてアンケート調査を実施し、結果の分析を行います。
市民の健康づくりに関する施策や目標値を定めた「心も身体も健康プラン」は、26年度が計画の最終年度となることから、見直しを行います。見直しにあたっては、より市民のニーズを反映した計画となるよう、約4千人を対象に健康に関するアンケート調査を実施します。
高齢者への支援では、これまで75歳以上の方を対象としていた肺炎球菌ワクチン接種費用の助成について、4月から対象年齢を65歳以上に拡大し、高齢者の肺炎の発症や重症化を防止します。
特別養護老人ホームについては、26年度の開設をめざして、天王台地区で定員100人の広域型特別養護老人ホームを整備します。
我孫子北地区と湖北地区での整備を予定している認知症高齢者グループホームについては、26年度の開設をめざし、整備事業者の公募などの取り組みを進めます。
社会問題化している孤立死への対策では、生活に困窮するなど命の危機を抱えている人たちをいち早く発見し、支援があれば守れる命を守るため、関係機関と連携しながら、「我孫子市孤立死防止対策連絡協議会」を立ち上げ、4月から本格的な活動を開始します。
障害者への支援では、増加する相談に的確に対応するとともに、身近な地域の中で相談しやすい体制を整えていく必要があります。そのため、25年度から、市の相談支援事業の一部を社会福祉法人などに委託し、相談体制の強化を図ります。また、東葛地区では初となる重症心身障害児施設の開設に向けて、国や県、他の東葛5市とともに、整備主体の社会福祉法人に対して財政的な支援を行います。
障害者の就労支援では、就労意欲のある障害者に対し、より専門的な評価や支援を行うため、新たに心理相談員を配置します。
以上、重点プロジェクトに沿って述べてきましたが、次に、主な都市整備について申し上げます。
布佐駅南側のまちづくり事業では、引き続き、都市計画道路新木駅・布佐南線と区画道路の用地取得を進めます。また、公園、都市計画道路、区画道路の実施設計を行うとともに、25年度から3か年計画で、下水道の整備を進めます。
我孫子駅北口土地区画整理事業では、換地処分の公告・登記、清算金の交付・徴収を実施します。これにより、分割分の清算金の徴収を除いて事業が完了します。
我孫子駅前土地区画整理事業では、換地処分の準備のため測量を行うとともに、境界杭の復元などを実施します。
手賀沼公園・久寺家線の整備では、未取得用地2件のうち、旧千葉銀行側の地権者と、昨年12月に売買契約を締結しました。残りの1件についても、引き続き地権者と交渉を進め、用地取得後には速やかに工事を実施していきます。
その他の都市計画道路の整備では、県が進めている根戸新田・布佐下線(国道356号我孫子バイパス)の整備に合わせて、今後、下ヶ戸・中里線の未整備区間約170メートルと、青山・日秀線の未整備区間のうちの約540メートルを整備していきます。整備にあたっては、中里市民の森を避ける必要があることから、25年度は、都市計画の変更に必要な道路の概略・予備設計を行います。
国道6号我孫子駅入口交差点のつくし野歩道橋の増設では、市道の改良工事と並行して、3月から国土交通省が歩道橋の基礎工事に着手します。新しい歩道橋は、今年の8月中には完成する予定です。また、既存のつくし野歩道橋については、補修工事を行います。
我孫子第四小学校北側の常磐線を横断する白山(はくさん)跨(こ)線(せん)人道(じんどう)橋(きょう)の延伸整備では、関係自治会と協議を進めながら、地質調査や設計を行います。
国道356号の湖北小学校入口交差点では、交通安全の向上を図るため、感応式信号機への変更や道路拡幅などの交差点改良を進めます。25年度は、千葉県や我孫子警察署などと協議しながら、設計や地権者交渉を進めます。
若松地区の住宅地では、手賀沼ふれあいラインの渋滞を避けるための通過車両が見受けられることから、千葉県警察が実施する時速30キロメートルの速度規制と連携して、歩行者優先を促す路側帯の設置や拡幅、センターラインの抹消などの交通安全対策を行います。
湖北中学校の周辺道路では、周囲からの湧水が道路上に滞水し、冬季には凍結するなど、安全な通行に支障がある状況です。そのため、昨年一部の区間で暗渠施設を設置してみたところ、効果が確認できたことから、25年度は残りの区間を整備します。
新木駅の整備では、27年度中の完成をめざし、25年度は、橋上駅舎、自由通路、南北口のエレベーター・エスカレーターの実施設計を行います。また、本体工事の準備のため、新木駅南口自転車駐車場の移設を行います。
下新木踏切の改善では、26年度からの事業着手に向けて、地権者の理解が得られるよう、引き続き交渉を進めます。
下水道の整備では、下水道整備5か年計画に基づいて、引き続き、我孫子3丁目地先の国道356号沿いや、中峠地区、中峠台地区の整備を進めます。つくし野7丁目地先の久寺家汚水中継ポンプ場の切替え工事は、県の手賀沼北部第二幹線の接続点工事が完了したことから本格的な工事に着手していきます。この工事完了後、市の防災倉庫として有効活用を図るため、ポンプ場建屋内の工事を実施していきます。
市営都部団地は、26年度に、建物を解体して土地を所有者に返還し廃止することから、25年度は、現在の入居者の移転を支援するとともに、解体工事の設計を行います。
新たな文化施設の整備では、にぎわいを創出し、文化を中心としたさまざまな交流を育む拠点施設となるよう、引き続き、庁内の検討委員会において、建設構想案の策定に向けた検討を進めます。25年度は、文化や交流、にぎわいの拠点施設にふさわしい機能や建設候補地の検討に加え、PFIの導入可能性をはじめとした整備手法などについて調査研究を行っていきます。
湖北台地区の公共施設整備では、これまでいただいた意見を踏まえて、さらに整備パターンを絞り、地域住民や議会の意見を聴きながら、年内を目途に最終的な整備方針を決定し、整備に着手していきたいと考えています。なお、湖北区域における近隣センターと自治会集会所のあり方については、引き続き地元自治会との協議を重ねていきます。
次は、広域行政の推進です。
手賀沼・手賀川活用推進協議会では、昨年11月に開催した協議会での意見を反映した中間報告書の作成を進めています。25年度は、この中間報告書の中で実施を想定している事業について、民間活力の導入が可能な事業の抽出や実施条件などについて、11月を目途に最終報告書を取りまとめていきます。
なお、印西市観光協会では、3月末の完成をめざして、現在、市境の六軒大橋の西側に新しい乗船場所の整備を進めています。乗船場所では、桟橋のほか大型バスの駐車場などが整備され、レンタサイクルも実施される予定であることから、協議会の中でその活用について検討していきます。
みどり園の改築では、工事に伴って土壌の溶出量検査を行ったところ、基準値を超えるヒ素が検出されました。検出されたヒ素は、基準値の1リットルあたり0.01ミリグラムに対し、0.019~0.03ミリグラムでした。そのため、工事を一時中断し、調査機関が土壌におけるヒ素の含有量検査を行ったところ、基準値の1キログラムあたり150ミリグラムに対し、それを大幅に下回る5.5~35ミリグラムでした。調査機関によると、「原因は、人為的なものではなく自然由来の可能性が高い。また、みどり園の利用者などが土を体内に摂取した場合でも、健康に影響がない」とのことです。
今後は、みどり園で、土壌汚染対策法に基づき、適正に土壌の処理を行っていきます。なお、改築の工期は、現段階で2か月の遅れが生じています。
また、千葉県から、「みどり園から概ね250メートル範囲の井戸について、ヒ素にかかる水質調査をした方が良い」との助言を受けたことから、市では、この範囲にある井戸水の調査を早急に実施していきます。
最後は、行政改革の推進です。
震災からの復興と放射能対策を最優先に進めながら、25年度も、市民の視点に立った行政改革に取り組みます。
組織の見直しでは、企業支援を所管する組織の新設に加えて、男女共同参画に関する情報発信の強化を図るため、現在、市民生活部市民活動支援課内にある男女共同参画室を総務部秘書広報課に移管し、男女が共に参画する社会の形成に向けた取り組みをより確実に実施します。
指定管理者制度の導入では、より大きな効果が得られるよう、指定管理者導入指針の見直しを行います。
事業仕分けについては、仕分けの効果が期待できる事業が対象事業となるよう、その選択方法を見直して実施していきます。
提案型公共サービス民営化制度では、25年度は、昨年提案のあった6件のうち、採用となった「公共施設包括管理業務」、「男女共同参画情報紙の発行」、「ファミリーサポートセンター事業」の3件の事業を実施します。このうち、公共施設包括管理業務については、これまでの54施設に保育園や福祉センターなどの12施設を追加し、66施設 で行います。また、引き続き提案募集を行います。
近隣市との職員人事交流は、引き続き印西市と行います。また、国土交通省関東地方整備局、消費者庁、東京財団の週末学校にも、引き続き職員を派遣します。さらに、全国市長会を通じて東北被災地の自治体に、自ら申し出のあった職員2名を1年間派遣します。
以上で施政方針を終わります。議員の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。