2016(平成28）年度水道事業経営方針

登録日：2016年2月24日

更新日：2016年2月24日

平成28年度の水道事業の経営方針を申し上げます。

我孫子市の水道事業は、その需要が依然として縮小傾向にある一方で、老朽化や耐震化への対応などで施設の更新需要は益々高まっており、この多大な投資を賄うための財政基盤をどう確保していくのかという難題に直面しています。また、これまでの経営努力の結果として顕在化してきた、組織内の技術継承に係る課題にも早急な対応が必要となっており、事業経営は一層厳しさを増しているといえます。
水道事業の使命は、言うまでもなく市民生活を支えるライフラインの担い手として、安全な水を安定して供給することにあります。この使命を果たしていくためには、経営資源が減少する厳しい状況下にあっても、水質管理の徹底や浄水場施設等の適切な維持管理はもとより、老朽化や耐震化対策として確実に高まる施設更新需要に的確に対応するとともに、多様な事故・渇水などの災害に対処する危機対応力強化への取り組みも引き続き進める必要があります。また一方では、経営基盤を強化するため、27年度に拡大した包括業務委託による官民連携効果を最大限引き出すとともに少数精鋭組織を支える人材育成に一層力を注ぐことで、前年度に引き続く人員削減を含め、より効率的で機能的な執行体制を構築しなければなりません。
28年度は、こうした課題と向き合いながら、水道事業中期計画に掲げた4つの施策目標の実現に向けて、引き続き第III期4か年実施計画に予定する事業を効果的かつ着実に執行し、水道サービスの持続性をより確かなものとしていきます。

それでは、28年度の主な取り組みについて申し上げます。

最初は、「安全で快適な水を供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。

第1は、安全な水の供給です。

現在、我孫子市の水道は、全量がより質が高く安全な高度浄水処理水で供給されています。28年度も良好な水質確保のため、連続自動水質監視装置の保守点検をはじめ、湖北台浄水場の高度浄水処理設備の保守点検、活性炭交換、配水管の洗管作業などを実施します。なお、湖北台浄水場の地下水及び水道水の放射性物質の測定は、28年度も引き続き月1回実施していきます。このほか、貯水槽水道の適切な管理を促進するため、市内の貯水槽水道約700か所の実態調査を実施し、管理状況の確実な把握に努めます。

第2は、配水管の拡張整備です。

布佐南まちづくり事業による新々田地区のほか、久寺家、我孫子地区の一部に配水管を布設します。28年度は、約630メートルの配水管の拡張を予定しています。

次は、「将来にわたり安定して供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。

第1は、基幹管路の耐震化です。

我孫子市水道管路耐震化計画に基づき、28年度は、つくし野3丁目、柴崎台1丁目、中峠台、高野山地区の口径200ミリメートル以上の基幹管路約1，290メートルの耐震化を行います。

第2は、老朽配水管の布設替えと耐震化です。

基幹管路以外の配水管については、更新時期を迎えている、つくし野6丁目、泉、天王台1丁目、布佐平和台2丁目地区等の老朽配水管約4,500メートルについて、耐震性に優れた管への布設替えを行います。

第3は、妻子原浄水場内配管更新工事です。

27年度から2か年継続事業で実施している「妻子原浄水場配水ポンプ室内配管更新工事」は、28年度完了を目途に、本体工事を実施します。

第4は、災害・事故対応能力の向上です。

小学校の受水槽に設置した応急給水栓による応急給水の実効性を高めるため、自主防災組織、自治会等地域住民や関係機関と連携した講習会や訓練を引き続き実施します。また、28年度は市内中学校6校の受水槽にも応急給水栓取り付けのための改造工事を行い、市内の全小中学校での応急給水を可能にします。

次は、「環境に配慮した水道」の実現に向けた取り組みです。

貴重な水資源の有効利用と有収率の向上を図るため、27年度から包括業務委託の中で給水管の漏水調査を行っていますが、28年度はその効果を検証しながら、引き続き効率性の高い手法で実施し、漏水箇所の早期発見と修繕により、無効水量の抑制に努めます。

次は、「お客さまに信頼される水道」の実現に向けた取り組みです。

27年度を初年度として開始した、新たな包括業務委託における官民連携効果を引き出すことで、民間ノウハウの活用を拡大し、お客様サービスの一層の向上を目指します。また、27年度における22名の人員体制を、28年度はさらに2名削減し、20名体制にすることで、更なる経費の削減と業務の効率化を進めます。
我孫水のボトリングでは、27年度、市制45周年記念事業の一環で募集した我孫水ラベルデザインの応募作品から、最優秀賞作品となったデザインを我孫水の新ラベルとして製造します。28年度は500ミリリットルのペットボトルで約2万5千本を製造し、災害用に備蓄するほか、教育委員会と連携しながら、小中学校での防災教育に活用します。また、市の主要なイベントで配布する等、我孫子市で高度浄水処理された水道水のおいしさを、より多くの皆さまに知っていただけるようＰＲに努めます。

最後に、北千葉広域水道企業団の経営概況と28年度の主な事業について申し上げます。

企業団では、28年度からの事業運営に当たり、37年度までの10年間を計画期間とする第14次経営戦略を新たに策定し、計画的かつ効率的な事業運営を推進することとしています。経営戦略の初年度となる28年度は、既に事業着手している沼南調整池設置事業や浄水場自家用発電設備の更新工事等を進めるとともに、導・送水管路全体を計画的に更新していくための作業をスタートさせることとしています。なお、北千葉広域水道企業団においても、放射性物質の監視は継続していくこととしています。

以上、28年度の水道事業の経営方針を申し上げましたが、議員の皆様の一層のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。