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2018(平成30)年度水道事業経営方針

登録日:2018年2月26日

更新日:2018年2月26日

平成30年度の水道事業の経営方針を申し上げます。

水道事業は、全国的な傾向として需要の縮小が進行していることで直接的な料金収入の減収や施設の効率性低下が見られることや、一方では、水道管路などの老朽化や耐震化への備えから施設の更新需要が増大化する課題も抱えていることから、その経営環境は大変厳しい状況となっています。
本市の水道事業も、これらを要因とする課題が顕在化する中、その経営状況は、一段と厳しさを増すものとなっていますが、水道事業の使命は、市民生活を支えるライフラインの担い手として、安全な水を安定して供給することにあります。この使命を果たしていくためには、経営環境が厳しさを増す状況にあっても、水質管理を徹底し、浄水場施設等を適切に維持管理するほか、老朽化する水道管路の更新や耐震化への対応、さらには多様な事故・渇水などの災害に対処する危機対応力を強化する取り組みを、引き続き、着実に進める必要があります。また、業務の機能や効率を向上させ、一層の経営基盤強化を図るには、包括業務委託において民間事業者のより主体的な取り組みを促し、官民連携による効果を最大限引き出す努力に併せ、少数精鋭の組織を支える人材育成にも力を注ぎ、より強固な執行体制を組織一丸となって構築しなければなりません。
30年度は、水道事業中期計画の最終年度となりますが、こうした課題と正面から向き合いながら、計画に掲げる4つの施策目標の実現に向けて、第III期4か年実施計画に予定する事業を着実に執行し、次期計画への継承、そして将来に向けての水道サービスの持続性をより確かなものとしていきます。

それでは、30年度の主な取り組みについて申し上げます。

最初は、「安全で快適な水を供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。

我孫子市の水道は、全量がより質が高く安全な高度浄水処理水で供給されています。30年度も良好な水質確保のため、水質検査を的確に実施するとともに、連続自動水質監視装置の保守点検や高度浄水施設をはじめとする浄水場各種設備の保守点検、活性炭やろ材の交換、配水管の洗管作業などを実施します。なお、湖北台浄水場の地下水及び水道水の放射性物質測定は、30年度も引き続き月1回実施していきます。このほか、市内の貯水槽水道についても、引き続き、適切な管理を促進していきます。

次は、「将来にわたり安定して供給できる水道」の実現に向けた取り組みです。

第1は、基幹管路の耐震化です。

水道の基幹管路となる路線整備として、30年度は、天王台6丁目、布佐平和台2丁目地区において、管口径200ミリメートル以上の基幹となる管路を主に延長約2,200メートルの耐震化を行います。

第2は、老朽配水管の布設替えと耐震化です。

基幹管路以外の配水管についても、更新時期を迎えている、老朽配水管を耐震性に優れた管へと布設替えを行います。30年度は、泉6番地先、布佐平和台3丁目地区等において延長約2,500メートルの布設替えを行います。

第3は、妻子原浄水場監視制御設備更新工事です。

妻子原浄水場の機械設備を中央操作室から監視・制御するための設備を更新します。30年度は、29年度に行った実施設計に基づき、工事を実施します。

第4は、災害・事故対応能力の向上です。

市内の小・中学校の受水槽に設置した応急給水栓による応急給水の実効性を高めるため、自主防災組織、自治会等地域住民や関係機関と連携した講習や訓練を引き続き実施します。

次は、「環境に配慮した水道」の実現に向けた取り組みです。

貴重な水資源の有効利用と有収率の向上を図るため、27年度から包括業務委託の中で水道管の漏水調査を行っていますが、30年度もこれまでの成果を検証しながら、引き続き効率性の高い手法で実施し、漏水箇所の早期発見と修繕により、無効水量の抑制に努めます。

次は、「お客さまに信頼される水道」の実現に向けた取り組みです。

第1は、水道事業基本計画等の策定です。

国の新水道ビジョンに示された「持続」「安全」「強靭」の観点から、本市水道のあるべき姿を明示し、その実現方策を示す次期基本計画並びに投資・財政計画となる「経営戦略」を策定します。次期基本計画は、本市水道の将来を展望し、31年度以降の目指すべき方向や新たな目標などを定める基幹計画として位置付けます。

第2は、官民連携の推進です。

27年度を初年度とする現行の包括業務委託が4年目となることを踏まえ、30年度は民間事業者のより主体的な取り組みを促すことで民間ノウハウの活用を拡げ、官民連携効果を一層発揮することで、お客様サービスの向上を目指します。

最後に、北千葉広域水道企業団の経営概況と30年度の主な事業について申し上げます。

北千葉広域水道企業団では、28年度から37年度までの10年間を計画期間とする第14次経営戦略に基づき、計画的かつ効率的な事業運営を推進することとしています。30年度は、「導・送水管路更新の計画的な推進」、「高度浄水施設(第2期)に係る設備工事の適切な執行」、「既存施設の現況に即した保全工事及び更新工事の着実な実施」の3つの事項を重点施策に掲げ、当該事業の着実な執行に取り組むものとしています。なお、北千葉広域水道企業団においても、放射性物質の監視は継続していくこととしています。

以上、30年度の水道事業の経営方針を申し上げました。
むすびになりますが、本市の水道事業は、昭和43年に公営水道として給水を開始し、本年10月1日に給水開始50年という節目を迎えることになります。今日に至るまで事業を継続することができましたのは、市民の皆さまの多大なるご理解とご協力によるものと思っております。水道局では今後も、時代の変化を見据えながら、市民の皆さまにいつでも安全でおいしい水道水をお届けしていけるよう、新たな決意で事業に取り組んでまいりますので、あらためて議員の皆様にも一層のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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