令和4年度水道事業経営方針
我孫子市水道局は、昭和43年に水道水の供給を開始しました。当初は水需要の急増に対処するため、水道施設の新設を行う拡張事業に取り組んできましたが、近年は人口減少などの社会情勢の変化に伴う、水需要の減少や水道施設の老朽化への対応が求められるようになり、水道施設の更新を目的とした建設改良事業を中心に行っております。
平成30年に国は、水道事業者の経営基盤強化を図るため、水道法の大幅な改正を行いました。この動きを踏まえ、本市では平成30年度末に我孫子市水道事業ビジョンと我孫子市水道事業基本計画を策定しました。
令和4年度はこれらの計画期間4年目にあたります。引き続き水道事業ビジョン等に掲げた取り組みを着実に執行するとともに、収支バランスに留意し、事業を推進することを本市の水道事業経営の基本といたします。
水道事業の本旨は、水道を取り巻く時代や環境がいかに厳しくあろうとも、その変化に的確に対応しつつ、水質基準に適合した水が、必要な量、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって、安心して利用可能であり続けるということです。また、今後発生することが危惧されている、大規模災害への備えをしていくことも重要課題と認識しております。
今後とも、水道局では安全な水道水を安定的に供給するよう、経営努力をしてまいりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、続きまして令和4年度の主な取り組みについて申し上げます。ここからは、我孫子市水道事業ビジョンに掲げた「安全」、「強靱」、「持続」の3つの基本目標に沿ってご説明します。
はじめに『基本目標1.安全』です。
令和4年度も、水源から蛇口に至るまでの総合的な水質管理を行うため、「我孫子市水道局水質検査計画」に基づく水質検査を行います。また自己水源である深井戸の計画的な機能保全を図るため、「取水井維持活用方針」に基づき井戸の浚渫工事や二重ケーシング工事を行います。
次に「基本目標2.強靱」です。
施設の強靱性維持のため、浄水場整備については令和4年度から2か年の継続事業として、妻子原浄水場の非常用発電機更新工事を行います。水道管路整備については、経年配水管路および基幹管路の耐震化を図るための布設替え工事を行います。
災害対応の強化に向けては、県内水道事業体間の各種情報伝達訓練に参加するほか、市の総合防災訓練などで市民と連携した応急給水訓練を実施します。また、災害や水質事故等に即応する危機管理体制強化のため局職員による事故対応訓練を行います。
続いて「基本目標3.持続」です。
水道事業基本計画は計画期間4年目となるため、事業の進捗状況の確認を行います。水資源の適正運用に向けては、北千葉広域水道企業団からの受水と自己水源の運用コストや災害時等の対応を踏まえた、取水・受水管理を引き続き行います。このほか漏水防止対策として、漏水調査を実施します。
業務効率化方策としては、「浄水場設備運転及び維持管理業務等包括委託」と「料金・給水・会計業務等包括委託」を着実に実施し、官民連携により、引き続きお客様サービス向上と業務効率化に努めます。このほか、次世代の水道実務を担う人材育成のため、職責に応じて必要な研修を実施します。
財政健全性の確保については、水道施設の整備に要する費用の負担を世代間で平準化するために、引き続き企業債を活用します。
将来につなげる新施策の考察については、水道にかかる新技術に関して、他事業体の最新知見の動向を注視し、調査・研究を進めます。また、水道局としてSDGsに向けた取り組みを推進するため、職員研修を行います。
次に、北千葉広域水道企業団の令和4年度の主な事業について申し上げます。
本市に水道用水を供給する北千葉広域水道企業団は、令和2年度から11年度までの10年間を計画期間とする、第15次経営戦略に基づき、事業を進めています。
令和4年度は「導・送水管路更新の計画的な推進」、「既存施設の現況に即した保全工事及び更新工事の着実な実施」、「施設能力強化策の推進」の3つを重点施策として掲げ、それらを着実に推進することとしています。なお、原水・浄水の放射性物質の監視については、引き続き行うこととしています。
以上が令和4年度の水道事業の経営方針と主な取り組みです。