R6-3 要望書(社会福祉法人 千葉県視覚障害者福祉協会)
団体名
社会福祉法人 千葉県視覚障害者福祉協会
陳情・要望年月日
令和6年4月8日
陳情及び要望事項
要望事項の改善について(陳情)
私たちは、日ごろから視覚障害者の生活環境の改善と福祉向上を目指して、毎年千葉県視覚障害者福祉大会を開催し、県下の当事者の抱える諸問題をまとめ決議として採択しています。昨年度は新型コロナウイルス感染症が5類にひきさげられ、コロナ前と同じ規模で事業を遂行することができました。
視覚障害者を取り巻く環境は依然として厳しく、ここに会員からの声を集約し、別紙の項目について要望させていただくことといたしました。つきましては、要望の実現を通して、視覚障害当事者の生活向上と安全確保に努めていただきますよう、お願い申し上げます。
昨今、障害者に対する社会的理解の高まりから、法律や制度の整備が進みつつありますが、依然として、視覚障害者を巡る痛ましい事故が後を絶たず、職業的自立を確保するための就労機会・就労環境の改善は喫緊の課題となっています。
視覚障害者のこのような状況は、いうまでもなく情報入手の8割を占めるとされる感覚器官の視覚器の障害によってもたらされる読み書きや移動の困難が原因ですが、健常者には、その実態を真に理解されることが少なく、そのために視覚障害者の問題点を正しく認識した上での支援がなされにくい状況にあります。
このような事情から視覚障害者は、健常者と比較しますとまだ物的にも心的にもバリアが存在し、その人らしく力強く日常生活をおくりにくい現状にあります。そうした状況を少しでも改善解決していくためには、社会を構成する全ての皆様のご理解とご支援がさらに必要です。この陳情書は、そうした趣旨の下、作成したものです。
このような私たちの願いをご斟酌いただき、各要望事項についてご検討いただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
陳情事項
1.制定から21年目を迎えた補助犬法の趣旨に伴い、更なる啓発を図リ、盲導犬同伴者の入店・乗車・宿泊拒否を無くし、盲導犬ユーザーにとって、暮らしやすい共生社会を実現するよう関係当局の理解と協力を要望する。
2.コンビニやスーパー等で見られるようになったセルフレジについて、視覚障害者でも利用できるようにするため、支援者を配置するか、音声案内を導入する対策を要望する。
3.視覚障害者の雇用拡大のため、地方自治体、民間企業において、ヘルスキーパーの採用を促進するよう要望する。
4.災害発生時には視覚障害者の安否確認、情報提供等に特段の配慮を要望する。
5.就労を要望する視覚障害者が希望した職業で安定して働き続けられるよう更なる雇用環境の改善を要望する。
回答部課
企画総務部 人事課、市民生活部 市民安全課、環境経済部 企業立地推進課、健康福祉部 障害者支援課
回答年月日
令和6年5月16日
回答内容
【要望1.】「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)」が改正され、令和6年4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。
これまでも、市では広報やホームページに「ほじょ犬マーク」について掲載しています。
市内商業施設では、「ほじょ犬マーク」を入り口に貼るなど、補助犬同伴者が買い物しやすい環境に配慮している店舗等も多くあります。
また、今後は、バスやタクシーなどの市内公共交通機関及び市内宿泊業者に対しても協力要請をするなど、補助犬同伴者に配慮したサービスが提供されるよう理解啓発に努めてまいります。(障害者支援課)
【要望2.】お一人での買い物が困難な視覚障害の方は、障害者総合支援法における同行援護のサービスをご利用いただくことができます。
市内のスーパーマーケットに確認したところ、音声案内機能付きのセルフレジを導入している店舗はありませんでしたが、セルフレジを導入している複数の店舗では、担当のスタッフや従業員が支援者として配置されていることが判りました。また、中には、買い物介助の予約ができるなど、買い物に困難を抱える方々が気兼ねなく買い物を楽しめるよう対策を講じている店舗もありました。
これからも、誰もが暮らしやすい共生社会を実現できるよう、引き続き障害を持った方や、障害者差別解消法についての理解を深めるため、広報やホームページによる周知を進めてまいります。(障害者支援課)
【要望3.】市では、健康診断やストレスチェック等の実施に加え、職場における日頃の精神的、肉体的疲労を回復させるとともに、健康保持増進を図るため、福利厚生事業を実施しています。
ヘルスキーパーの採用については、現時点で予定しておりませんが、今後も障害者の雇用を推進するため、障害者を対象とした職員採用試験を実施するとともに、障害のある職員の定着を促進するため、働きやすい環境づくりに努めてまいります。(人事課)
【要望4.】視覚障害者などの避難行動要支援者の安否確認や避難については、市が作成している避難行動要支援者名簿に基づき、この名簿を提供している自治会などでの支援を中心として、市の要配慮者班と連携し、早期の安否確認と安全な避難を支援しています。
また市では、避難行動要支援者の方の個別避難計画について、土砂災害警戒区域内にお住まいの方に対して優先的に作成をお願いし、要支援者ごとに個別に支援者を定めることで、要支援者の更なる安全確保への取り組みを進めています。
災害発生後の指定避難所を開設した場合などの情報提供等については、防災行政無線(無料のテレホン案内を含む)やホームページ、ライン、メール配信、Lアラート、X(エックス)、フェイスブックなどの様々な方法により、市民の皆様に確実にお知らせいたしますので、スマートフォンの読み上げ機能の活用や、支援者の方とも連携・協力いただき、平時からの情報を受け取る方法や手段について、ご確認をお願いいたします。(市民安全課)
【要望5.】市では、国と共同で地域職業相談室を設置するとともに、障害者の就労支援を積極的に推進するため、我孫子市障害者就労支援センターを設置しています。
視覚に障害をお持ちの方も含め、障害者から就労に係る相談があった場合は、ハローワークと連携し、就職及び継続雇用における支援が行えるよう取り組んでいるところです。
また、法定雇用率の引き上げに伴い、新たに障害者を雇用する事業者も増えてくるものと考えますので、ハローワークと一層の連携を図りながら、視覚に障害をお持ちの方も含め、障害者が安心して働ける職場が増えるよう取り組んでいきたいと考えています。(企業立地推進課)