古戸貝塚
東西に長い我孫子の台地のほぼ中央部に位置し、北に利根川を望む台地上にあります。
古戸の稲荷大明神周辺にあたります。現在でも神社周辺では貝殻や土器が散っています。
1982~83・1988~89年(昭和57~58・63~64年)に2次の発掘調査が行われました。
縄文時代後期、古墳時代の複合遺跡です。集落跡が見つかっています。
古戸貝塚発掘写真
発掘調査風景遠景
土坑調査風景
竪穴式住居
重複した竪穴式住居
竪穴式住居
耳飾が出土しています
土器が出土しています
埋甕が検出されています
土偶の顔が出土しました
現在の住宅地の状況です
出土遺物
深鉢
安行式
口径:19.0センチメートル
高さ:24.5センチメートル
底径:2.7センチメートル
縄文時代後期から晩期にかけてみられる紐線文土器と呼ばれる土器です。
口縁部と胴部に粘土紐(紐線)を貼り付けて指や爪などで刻みを入れるという特徴があります。
比較的簡素に作られていること、熱を受けた痕跡が顕著にみられることが多いことなどから、日常の煮炊きで使われた土器の形だとも言われています。
注口土器
安行2式
口径:11.0センチメートル
高さ:13.3センチメートル
底径:3.0センチメートル
縄文時代後期末の注ぎ口の付いた土器です。
豚鼻状突起とよばれる瘤状の貼付が特徴的です。
液体を入れるものだと考えられますが、一体何を入れていたのでしょう。
お酒を入れていたのでしょうか?薬を煎じていたのでしょうか?
台付鉢(だいつきはち)
安行1式
口径:26.3センチメートル
高さ:16.0センチメートル
底径:?
台の部分が欠損していますが、もとは下に広がる形の台が付いていたようです。
台付鉢(だいつきはち)
安行1式
口径:25.5センチメートル
高さ:16.8センチメートル
底径:?
一つ上のものと同じ形のものです。とても似ていますね。完全ではありませんが台の部分が少し残っています。
鉢
安行1式
口径:22.5センチメートル
高さ:18.6センチメートル
底径:9.0センチメートル
丸みを帯びたデザインの鉢です。
口縁部に安行1式にみくみられる縦長の瘤が貼り付けられています。
発掘調査写真
2次調査の時に検出された竪穴住居跡です。円形と方形の住居が重複しています。
その他の時代
古戸貝塚は縄文時代中期の遺跡が重なっています。縄文中期の様子については下の時代をクリックしてください。