R5-12要請書(柏民主商工会)
団体名
柏民主商工会
陳情・要望年月日
令和5年12月7日
陳情及び要望事項
国民健康保険・後期高齢者医療制度の改善を求める要請書
日頃より小規模事業者(中小業者)の営業とくらし、地域経済を守るため、日夜ご奮闘されていることに敬意を表します。
消費税の引き上げや天井知らずの物価高騰など、厳しい経営環境のもとで高すぎる国民健康保険(以下、国保)の負担軽減を求める国保加入者が増えています。高齢者や無業者層はじめ非正規労働者が増加したため、加入世帯の年間所得200万円以下が多くを占めています。
国保加入者の多くは厳しい所得事情を抱えています。社会保障推進千葉県協議会が本年(2023年)3月に実施した「国民健康保険と後期高齢者医療保険のアンケート」では「国保」「後期」ともに8割が「保険料が高い」と回答しています。保険料の支払いについては「無理して支払っている」が約5割で、その支払いは「生活費を削って」が6割となっているうえ、今後「滞納せざるを得ない」との不安が寄せられています。
国保法では「市町村が保険料の賦課決定を行う」と定めています。
いのちと健康を守る社会保障制度においても、保険料負担の重さと支払困難の実態があります。健康保険証廃止やマイナンバー取得の強要、社会保険料負担増の動きのもとで、私たち住民の暮らしと健康を守る支援策のご検討をよろしくお願い致します。
要請事項
1.「高くて払い切れない国保料」の実態を把握し、一般会計からの法定外繰入を行い、国保料を引き下げてください。
2.国への財政確保を要請するとともに、市の独自財政を国保制度に投入し、国保料の引き下げ、子どもの均等割の廃止、減免制度の充実などの改善を行ってください。
3.国保法77条に基づき、国保料の減免については、生活保護基準の1. 5倍までの世帯を対象とし、支払困難な被保険者の実態把握を行い、徴収猶予制度の活用、滞納処分の執行停止を行ってください。
4.受療権を守るため、資格証明書や短期保険証ではなく、正規保険証を交付してください。
5.「健康保険証廃止」は撤回して現行の健康保険証を存続するよう国に要請してください。
6.後期高齢者医療制度の窓口負担の原則2割化を中止し、公費負担を増額し後期保険料特例軽減措置を復活するよう国に要請してください。
回答部課
健康福祉部 国保年金課
回答年月日
令和5年12月28日
回答内容
1.国民健康保険税は、3つの区分に分かれています。
医療保険分は、医療の高度化や高齢化の影響により増加する医療費に比例して増加します。後期高齢者支援金分は、後期高齢者医療保険への仕送りです。後期高齢者医療の医療費の増加に比例します。介護保険分は、40歳以上65歳未満の方が負担すべき介護保険料に相当するものです。各社会保障制度の支出が年々増加している以上、保険税を引き下げることは困難な状況です。
また、一般会計からの法定外繰入は、国保加入者(市民の2割)のみならず、ご自身の保険料を支払っている社会保険等加入者(市民の8割)にも、国保加入者分の保険税を肩代わりさせるものです。保険給付と保険料負担の関係性が不明瞭となることから、国は早期に解消・削減すべきものと位置付けているため、安易に実施することはできません。
なお、当市では平成31年度から毎年、家計の貯蓄に相当する国民健康保険財政調整基金を取り崩し、保険税の急激な引き上げの抑制に努めてきました。
しかしながら、基金は今年度で枯渇することから、今後は定期的な保険税の引き上げを検討せざるを得ない状況です。
2.国への財政確保の要請は、全国の国民健康保険の保険者である都道府県・市町村等が加入する公益社団法人国民健康保険中央会において、国等の関係者に陳情を行っています。
なお、市の独自財政を国保制度に投入することは、要請項目1.で回答したとおり、国保加入者以外の方に負担を強いるものであるため、行う予定はありません。
3.低所得者世帯に対しては、国が定めた基準に基づき保険税の軽減(7・5・2割)を行っています。
なお、疾病、失業、廃業等による一時的な収入減は減免制度を設けており、恒常的に生活保護基準となる方については、生活保護制度の対象と考えることから低所得世帯への減免について行う予定はありません。
また、徴収猶予および滞納処分の執行停止については、地方税法に基づき行っています。
4.被保険者資格証明書および短期被保険者証は、被保険者の公平性を確保するために必要な制度のため、国民健康保険法および我孫子市国民健康保険税滞納者対策実施要綱に基づき交付しています。
5.マイナンバーカードと健康保険証の一体化については、一定のメリットもあることから、健康保険証廃止の撤回等を要請する予定はありません。
6.後期高齢者医療制度の財源は、5割が公費、4割が75歳未満の方が加入している健康保険からの支援金、1割が保険料で賄われています。
上記の財源構造から、後期高齢者医療加入者の負担を軽減させることは、国保加入者及び社会保険加入者がご自身の保険料を支払いながら、後期高齢者医療加入者分の保険料を肩代わりさせるものです。
そのため、窓口負担の原則2割化の中止等を要請する予定はありません。