杉村楚人冠記念館平成26年度冬期企画展
平成26年度冬期企画展「楚人冠が書いた我孫子のくらし」
平成26年10月11日(土曜日)~平成27年1月12日(月曜日・祝日)
杉村楚人冠が『アサヒグラフ』に連載していた人気随筆「湖畔吟」は楚人冠の我孫子でのくらしを題材にし、多くの読者に我孫子の魅力を伝えました。「湖畔吟」に書かれた昭和初めごろの我孫子の人々のくらしの様子を紹介しました。
1 沼に生きる
当時の手賀沼では、カモ猟やウナギ漁が盛んに行われ、人々のタンパク源であると同時に、重要な収入源になっていました。
利根川沿いの低湿地でもカモ猟が行われ、 カモとウナギは我孫子の名産といえる存在でした。
その様子を民具とともに紹介しました。
(上写真 利根川沿いの和田沼で行われた鴨猟を描いた絵馬・東海寺蔵)
※写真の絵馬は東海寺(布施弁天・柏市)からお借りして展示しました。普段は布施弁天本堂右手の長押に飾られています。
2 日々のくらし
我孫子の主婦たちは、片道二里(約8キロメートル)の道を歩きと渡船ででかけ、取手市にあった「山の坊」という村のしょうゆ屋までしょうゆを買いに行ったといいます。しょうゆが安いからでもありますが、女性だけの小旅行という面もあったようです。「山の坊」のしょうゆ屋で使われたいた五升徳利と、しょうゆ屋を描いた油彩画を展示しました。
(左写真 五升徳利・海老原聰氏蔵)
また、楚人冠の作品に当時の路線バスが登場するのにちなみ、昭和9年のバスの時刻表を展示しました。
3 旅の楽しみ
今のように個人旅行が活発ではなかった時代、人々は講というグループを作り、お金を積み立てて、各地の有名寺社に出かけました。楚人冠の作品に登場する、伊勢参宮記念の石碑など、市内の参拝碑を写真で紹介しました。
(左写真 伊勢参宮記念碑 緑 香取神社)