平成27年度春期企画展「楚人冠の旅 ~近代日本を見る」
展示概要
新聞記者であった杉村楚人冠が書いた紀行文は、単なる旅の記録ではなく、楚人冠が取材した新しい産業や観光地の記録として読むことができます。そこで、楚人冠の旅を通して、近代日本の姿の一端をのぞく試みとして、本展示を開催しました。
展示期間
2016年3月1日(火曜日)から5月15日(日曜日)
展示内容
1 近代産業の勃興を見る
杉村楚人冠が取材した明治の新しい産業、新潟の油田、富士の製紙、岩の原葡萄園(新潟県)のワイン醸造、岩瀬牧場(福島県)の酪農を、楚人冠が訪ねた施設から提供された写真と楚人冠の紀行文の組み合わせでご覧いただきました。
寶田石油加坪鉱場の写真
2 充実する鉄道網
丹那トンネル(東海道線)をアサヒグラフの写真と、試乗列車に乗る楚人冠の写真で、清水トンネル(上越線)を工事中の取材に使った乗車証と、試乗会の乗車証で紹介しました。
丹那トンネルの工事(『アサヒグラフ』より)
3 ジャーナリズムと観光
楚人冠の執筆活動が観光キャンペーンと結びついていた例として、長崎県雲仙と、秋田県・岩手県の八幡平を紹介しました。
ガイドブック的性格を持った著作『温泉嶽を繞りて』や、楚人冠の落馬事故を機に全国に名が知られたことを記念する八幡平の落馬記念碑の写真などを展示しました。
パンフレット「日本八景 雲仙」より
八幡平源太森頂上に立つ楚人冠(左から3人目)
本展示の開催にあたっては、富士市立博物館、株式会社岩の原葡萄園、岩瀬牧場のご協力を賜りました。記して感謝申し上げます。