平成26年春期企画展「楚人冠の学び ~明治の青年と文学」
展示期間 平成26年3月4日~5月18日
杉村楚人冠が若い時に丁寧に書き込みをしながら読んだ本や、明治時代の英語教材を見て、明治時代の人々の学びの様子を考えた展示を行いました。
1 欧米文学との出会い
明治維新とともに入ってきた欧米文学は、英語教材にも使われ当時の若い人々に大きな影響を与えました。
- ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー 『ロングフェロー詩集』
- ナサニエル・ホーソーン Our Old Home, and Septimius Felton Vol.I
- ジョン・ミルトン『失楽園』
- ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』
2 『日本英学新誌』
教育をとおして英語の達人になった楚人冠は、今度は英語教材への執筆で教育する側として英学に携わりました。その教材が増田藤之助の『日本英学新誌』でした。
- 『日本英学新誌』第一巻~第三巻
- ワシントン・アーヴィング『スケッチ・ブック』
3 国文学に親しむ
明治時代の人々は英文学に取り組む一方で、日本の古典に親しみ、素養を身に着けることもおこたりませんでした。
- 『日本文学全書』第壱編より「徒然草」
- 『潤一郎訳源氏物語』巻三 巻四
4 『青年文学』の時代
杉村楚人冠(当時の筆名は縦横)や国木田独歩(当時の筆名は鉄斧)が参加して、若い人たちが批評、討論に取り組んでいたのが、青年文学会というサークルでした。楚人冠はその前半期を、独歩は後半期を代表する論客でした。
- 『青年文学』(復刻版)
- 人見一太郎書簡 [杉村らの例会演説を『青年文学雑誌』へ掲載の依頼状]