テーマ展示「楚人冠の刀剣鑑賞」
杉村楚人冠が所蔵していた短刀二本を公開しました。
楚人冠は刀剣鑑定家本阿弥光遜のもとに通い、刀剣鑑定中伝免許を授けられるなど、刀剣鑑賞を趣味にしていました。このことにちなみ、本阿弥の著書も紹介して刀剣鑑賞の基礎知識になる用語を解説、そのあとに短刀を鑑賞する構成で、刀剣鑑賞の初歩が体験できる展示といたしました。
展示期間
平成30年1月10日(水曜日)から平成30年3月4日(日曜日)まで
主な展示品
刀身を写した紙
刀剣の特徴を書き入れた紙です。本阿弥光遜からもらった教材と考えられます。刀身の横に小さく書かれたメモで刀の特徴を覚え、鑑定に生かしたようです。このメモは、沸という刃の粒子模様について書かれています。
刀剣についての楚人冠のメモ書き
楚人冠が刀剣の学習に使った自筆のメモも残っています。大和の短刀の特徴として筍反があげられており、今回展示のうち一点と特徴が一致していることがわかります。
短刀「有法師(アリホウシ)」
南北朝時代の大和の刀匠有法師の作です。
刃先で棟が刃の側に傾く筍反の形状を示します。
短刀見龍子永茂(けんりゅうしながしげ)
江戸時代仙台藩の刀匠見龍子永茂の作品です。
棟側にそる先反の形状、ふくらという切っ先付近での刃の幅の広さなど、有法師と比べると顕著な違いがあります。
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