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企画展「今に生きる楚人冠の新聞改革」

登録日:2018年10月9日

更新日:2018年10月9日

展示期間

平成30年7月18日(水曜日)から10月8日(月曜日・祝日)まで

展示概要

杉村楚人冠は、彼が活躍した明治末期から昭和のはじめにおける「先進的な」ジャーナリストでした。
では、どんなところが先進的だったのか?
現代にもつながる楚人冠の先駆的業績を紹介しました。

1 調査部と縮刷版

杉村楚人冠がロンドンのタイムズ社を参考に日本で初めて導入したのが調査部という仕組みです。今なら新聞記事データベースですが、デジタル技術のない時代、記事の切抜きを分類・整理していつでも必要な記事が読めるようにしていました。また、縮刷版は楚人冠の発案でこれも日本初の試みでした。共通点は新聞記事を保存すること。この分野では楚人冠は日本の第一人者でした。

2 新聞社の文化事業

楚人冠の時代は、新聞社がさまざまな文化事業に手を広げた時代でもあります。
たとえば、現代では新聞社の子会社が行っている旅行。楚人冠は早くも明治39年(1906年)に、朝日新聞社が主催した満韓巡遊船ロセッタ丸という企画で随行員を務め、新聞社の文化事業に関わっています。

3 新聞記者の教科書

楚人冠の著作の中に、「新聞記者の教科書」と呼ばれた一冊があります。慶応義塾、中央大学での講義をもとにした『最近新聞紙学』という本です。その背景には、大卒の新聞記者が増えて、大学で新聞記者養成をする必要が生じたことがあり、楚人冠もできたばかりの新聞学科の講義に協力していたのです。

4 記事審査部と投書

新聞記事の正確さを点検する記事審査部の導入も楚人冠が日本ではじめて取り組んだことです。参考にしたのはニューヨークの新聞紙『ワールド』でした。また、記事審査部の事業に投書を組み入れ、投書欄の活性化を目指したのも、楚人冠の功績の一つです。

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