企画展「観光案内と地図で見る楚人冠の旅 欧米編」
展示期間
令和3年3月9日(火曜日)から5月9日(日曜日)まで
展示概要
令和元年に開催した、国内の様々な観光案内、地図をご覧いただいた企画展「観光案内と地図で見る楚人冠の旅」の続編、「欧米編」として企画しました。
杉村楚人冠が特派員として欧米に滞在した際に入手した地図やガイドブックを中心に、一部関連資料を加えて、楚人冠の欧米への旅を描きました。
以下、展示資料の一部をご紹介します。
ハワイの火山観光
キラウエア火山のガイドブック
杉村楚人冠は大正10(1921)年にホノルルで開催された世界新聞大会に参加した際、キラウエア火山の観光を楽しんでいます。当時は、ハレマウマウ火口の溶岩湖の様子が今よりもはっきり確認でき、その様子がこの本の表紙のイラストにも使われています。
パリのイラストマップ
パリのイラストマップ
杉村楚人冠は3度パリを訪れています。いずれも滞在期間が短かったため、地図やガイドブックを大いに頼りにしたものと思われます。
この資料は展示している面が、パリの主な名所をイラストで示したイラストマップ、裏面は縮尺が正確なバス・地下鉄路線図になっています。観光客が名所を巡るには建物の形が示されたイラストマップの方がわかりやすく重宝だったのでしょう。
レミントンのガイドブック
レミントンのガイドブック
明治40(1907)年にイギリスへ特派された際、杉村楚人冠が寄稿した記事を読んだ新聞の読者に招待され、休暇を過ごした場所がロイヤル・レミントン・スパです。
このガイドブックは1ペニー(当時の相場で4銭、4銭は現在の180円ほど)という安いもので、そのかわり表紙にまでチョコレートとココアの広告が入る徹底ぶりです。
ベデカーの旅行案内書
ベデカーの旅行案内書
今回の展示では、同じ会社が出版した旅行案内書を3冊展示しました。
その会社はカール・ベデカー、近代的な旅行案内書の代表的な存在でした。
この画像はイギリスの旅行案内書で、シェイクスピアの生地ストラトフォード・オン・エイボンのページです。
ストラトフォード・オン・エイボンは楚人冠が休暇を過ごしたレミントンに近く、英文学にも造詣の深い杉村楚人冠はレミントンに滞在した際に足を延ばして、シェイクスピアの生家などを見学しています。
トーマス・クックの地図と時刻表
イギリスの地図
第1次世界大戦の取材に特派された際は、杉村楚人冠は休暇を利用してスコットランドを旅しています。
この時の資料として残っているのが、トーマス・クック社発行の地図と時刻表です。
トーマス・クック社は世界で最初の旅行代理店といわれ、ヨーロッパ鉄道時刻表の発行元としても知られていました。
楚人冠も明治41(1908)年の朝日世界一周会の企画でトーマス・クック社の協力を得た経験がありました。
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