杉村楚人冠記念館平成24年度冬期企画展「楚人冠と啄木をめぐる人々」
平成24年度冬期企画展「楚人冠と啄木をめぐる人々」
明治43年、校正係でしかなかった石川啄木を朝日歌壇の選者に抜擢した社会部長の渋川玄耳。その玄耳が啄木の抜擢を相談したのは、社内で最も強い信頼関係で結ばれた杉村楚人冠でした。
その楚人冠は、明治45年、病に苦しむ啄木のために、社内で募金を行います。その前後に啄木が楚人冠に送った手紙に記された、大逆事件判決当日の思い出、義援金の一部でクロポトキンの『ロシア文学』を買ってしまったこと、そして楚人冠への感謝の思い。
楚人冠の厚意も空しく、啄木はその年の4月に亡くなります。しかし、その死は、啄木晩年の親友土岐善麿と楚人冠とを引き合わせ、のちに善麿が楚人冠全集増巻の編集を自ら引き受けるほどに二人は親しくなりました。
杉村楚人冠、石川啄木、渋川玄耳、土岐善麿。この4人の手紙を中心に、啄木と楚人冠をめぐる人々の交流を振り返る展示を行いました。
会期 平成24年10月30日(火曜日)~平成25年1月14日(月曜日・祝日)
【展示内容】
1. 渋川玄耳 書簡
2. 楚人冠スクラップブック
3. 石川啄木 書簡
4. 土岐善麿 書簡