テーマ展示「てがみ展 海外からの手紙」
展示概要
杉村楚人冠の「国際的」ジャーナリストの一面を象徴するのが、海外から送られてきたてがみの数々です。この展示ではその一部を紹介しましました。
展示期間
平成30年5月19日(土曜日)から7月16日(月曜日・祝日)まで
1 海外へ渡った日本人
芦田均からの絵葉書
海外旅行が一般的ではない時代に、楚人冠と同じように、海外に出て活躍した日本人からのてがみです。
外交官としてトルコに滞在していた芦田均、ジャーナリストとしてニュージーランドに派遣された鈴木文史朗、詩人の研究で渡英した福原麟太郎、イタリア・ミラノで歌手として活躍した原信子、ヨーロッパに演劇の視察に行くも第一次世界大戦の開戦に遭い急遽帰国した喜劇役者の曾我廼家五郎、さらにはロンドンの展示場で日本博に出展していた無名の職人まで、各者各様のてがみがあります。
2 世界の新聞人
エディター・アンド・パブリッシャーの社長ブラウンからのてがみ
海外の新聞事情にも精通していた楚人冠は、海外のジャーナリストとも盛んに交流していました。
ウォルター・ウィリアムズ[Walter Williams]は世界新聞大会の主催者で、世界初の新聞学科の創設者です。スコット[W. S. Scott]はロンドンの新聞紙「タイムズ」の外電部長で東京朝日新聞の外電の供給元でした。
アメリカの新聞業界紙「エディター・アンド・パブリッシャー」は楚人冠の貴重な情報源の一つでその社長ブラウン[J. W. Brown]のてがみが残っています。
3 海外で交流した人々
イギリスの時計商チャンドラーからのてがみ
まだ海外に行ったことのない人が多い時代に、楚人冠がイギリス特派で書いた記事や、これをまとめた単行本『大英游記』は大いに愛読されました。特に、現地の人々との交流がこの作品を特徴付けています。そのなかから、イギリスのレミントンで親しく付き合ったデビス老人[G. R. B. Davies]と、時計商チャンドラー[F. A. Chandler]のてがみを紹介しました。
さらに、楚人冠の作品「其の女」の登場人物らしき女性の葉書を展示しました。
過去の企画展、講演会などイベントのリストへのリンクです